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更新日:2019年2月21日

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刺繍阿弥陀三尊像・木板彩画懸仏

刺繍阿弥陀三尊像(1幅)

鎌倉時代
  西念寺  七尾市小島町リ-3
  (石川県七尾美術館保管 七尾市小丸山台1-1)
  縦  144センチ  横  83.5センチ

 刺繍阿弥陀三尊像

重要文化財  昭和30年2月2日指定

 

刺繍で仏像をあらわすことは、飛鳥・奈良時代にすでに遺例をみることができ、中国から仏教が日本にもたらされた時からすでに始められていた。

とくに刺繍仏は、糸をひと刺し刺しては丹念に仕上げていくところから、写経と同様に追善供養としての思想的な役割が生まれ、平安時代末期頃から鎌倉時代にかけて盛んに流行した。しかし絵画作品としての仏画にくらべると消耗度が高く、今日完品として残っているものは少ない。

  この作品は、こうしたなかでの鎌倉時代の代表作として、早くから知られてきたものである。繍法は、刺し縫いを主とした精細なもので、色づかいにも繧げん彩色や、ぼかしなどの技法を用いて工夫をこらしている。

ことに衣文・台座・光背・天蓋の装飾的な部分は、刺繍の特長を十分に生かし、絵画では表現のできない重厚華麗な装飾性を表現し、瓔珞のゆれと、散る蓮華の花弁が静かで荘厳な画面に動きを与えている。
昭和60年「石川県の文化財」より

 

 木板彩画懸仏(6面)

 

建治元年(1275)
  高爪神社  羽咋郡志賀町大福寺ナ-58
  径  23.5センチ  厚さ  1.65センチ(5面)、1.1センチ(1面)

木版彩画懸仏

重要文化財  昭和39年1月28日指定

この六面一具の懸仏は、かつて高爪山六所宮(現在の高爪神社)の御正躰であったものである。
六面とも、檜一枚板を円形につくり、裏面の周縁に面取りを施し、両肩に鉄製の吊金具を打ち付けてある。表は全面に胡粉を塗り、十一面観音坐像(高爪大明神)など6社の本地仏を各面に1躯ずつ墨線で描き、朱・緑・青・黄土などで彩色を施している。

裏面には、

 建治元年九月九日
 富来之院
 高爪大明神
 願主傳燈大法師祐禅

とある高爪大明神をはじめ、各々裏面の中央に「気多大明神」・「伊須留岐権現」・「白山妙理権現」・「若王子」・「八幡大菩薩」、その左右に建治元年(1275)の年紀と、願主名が墨書されている。

 高爪山は別名「能登富士」とも呼ばれる秀峰で、古来、信仰の山として知られてきた。この懸仏は、木板彩画という他に類を見ない形式で、しかも正統派の絵師によって本地仏が描かれ、神名・年紀・願主名が記されており、中世の高爪信仰を知るうえに極めて重要である。
昭和60年「石川県の文化財」より

お問い合わせ

所属課:教育委員会文化財課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1841

ファクス番号:076-225-1843

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