緊急情報

閉じる

現在、情報はありません。

印刷

更新日:2010年8月24日

ここから本文です。

4.能登ヒバ機能性成分を利用した新商品の開発

予算区分      県単
研究期間      平成10~12年度
担当科名      木材加工科
担当者名      木村保典

Iはじめに

  能登ヒバは優れた抗菌性や防虫性をもつ抽出成分を有し、その利用について住宅関連業、繊維業等の各業界から関心が集まっている。本課題では能登ヒバ材精油の活用を図るため、有効成分の評価ならびに生理活性機能を利用した石川ブランド製品の研究開発を工業試験場と共同で行った。本年度林業試験場は、アスナロ属 5系統の各品種間における精油の収率とヒノキチオールの濃度について比較を行い、製品試作に供する精油の抽出、ならびに前年度に引き続き抽出装置の改良を合わせて行った。

II方法

  供試材には、同一林地内に植裁されたマアテ、クサアテ、エソアテ、ヒバ、アスナロの各品種10 個体ずつを用いた。供試材は心材部を粉砕した後、試料100gに対して850mlの蒸留水でガラス器具を用いた 3時間の熱水蒸留により精油を抽出し、重量を測定した。測定した精油の重量は、全乾試料に対する重量比により収率とした。収率を算出した後、精油をヘキサンで5 % 濃度に調製し、ガスクロマトグラフィー(FID 240℃RANGE 101,COLOM DB-WAX 70℃/1 min~RATE3℃/min~240℃/5min,Carrier ヘリウムガス130kPa,inj260℃)を、内部標準法(ノナン,2%)によりヒノキチオール濃度の測定をした。
品試作には、前年度と同様にカナアテを用い、既設の抽出装置を用いた水蒸気蒸留により抽出した精油を製品試作に供した。

III結果

  精油の収率は、クサアテと他の系統間で有意な差が認められ、他の系統間に差は認められられなかった。ヒノキチオール濃度は、どの系統間においても有意な差は認められなかった(図1,2)。能登ヒバ材精油の収率と構成成分については問い合わせが多く、本実験で取り上げなかった品種、径級の異なる個体、根株等についても検討が必要である。
  製品試作は工業試験場と県内企業との共同で、紙製品、布製品、香り製品などの試作を行った。紙製品は、和紙にヒバ油のマイクロカプセルを塗布した抗菌性、芳香性を有する和紙マウスパッド、和紙収納ボックス等の紙製品を開発した(図3)。布製品は、紙製品と同様にポリエステルと綿の混紡生地に感圧性のマイクロカプセルを付着させた、抗菌性、芳香性を有する部屋着(図4)、シーツ、枕カバーを開発した。これは使用中の摩擦によって、抗菌性の効果とともにヒバの香りによるリラックス効果も期待したものである。これらの布製品は、繊維製品新機能評価協議会(JAFET)の抗菌性試験にも合格している。  
       (図  省略)

 

お問い合わせ

所属課:農林水産部農林総合研究センター林業試験場

石川県白山市三宮町ホ1

電話番号:076-272-0673

ファクス番号:076-272-0812

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報はお役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

同じ分類から探す