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更新日:2022年4月19日

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―上海駐在員便り  2022年4月―

3年半の中国駐在を振り返って

 

■中国・香港における県の取組

  3年7カ月の中国駐在を終え、3月末に帰任することとなりました。この間、米中摩擦の勃発や香港での大規模デモ、新型コロナウィルスの発生など、非常に厳しい環境下ではありましたが、怯むことなく、産業分野では、県産品(伝統工芸品及び食品)の輸出促進や、中国進出企業(機械関係)の支援、観光分野ではインバウンド誘客、国際交流分野では友好交流地域である江蘇省との交流や県人会運営などの業務に邁進してまいりました。具体的には、香港において、初めてのアンテナショップの設置や現地バイヤー約200人を集めたビジネス商談会の開催、中国においては、江蘇省商務庁と連携した機械分野の技術交流・商談会の開催、北陸・中部各県と連携した国際旅行博への出展など、さまざまな事業に携わり、現地関係者との調整や交渉、情報提供などを行ってきました。

  特にコロナ前においては日本からの訪中がとにかく盛んで、小松・香港定期便就航や小松・上海便増便に伴う知事の訪港・訪中、日中友好促進議連の訪中、市長トップセールス、金沢港利用促進のポートセールス、県内企業のバイヤー訪問同行などなど、アテンド業務で多忙を極めた時期もありましたが、今となっては充実した日々だったように思います。日中間の往来が容易にはできなくなった今だからこそ、尚更そのように感じるのかもしれません。コロナ後、世界は変わってしまいましたが、現在も多くの分野でオンラインを活用した事業が継続しておりますし、県事務所においては新しくできた日系百貨店での県産品PRやSNSでの情報発信など、中国において石川県の魅力を発信し続けております。

  

■中国の文化的多様性

  中国での仕事においては、上海を中心とした華東地域等の都市部で活動を行うことが多いですが、それだけでは中国全体を理解することはできません。一口に中国と言っても、中国は広大であり、地域ごとに歴史や文化、風習、自然環境は多様であり、31の省・直轄市・自治区と55の少数民族が存在します。また、昨年7月に中国の福州市において世界遺産委員会が開催されたところですが、中国はイタリアに続き世界で2番目に世界遺産が多い国でもあります。

  私は30年近く前に初めて中国を旅して以来、全ての省を訪れ、僻地を含め主な観光地は概ね観て周りましたが、中でも一番印象に残っているのはチベットです。チベットは中国南西部にある平均標高約4000メートルの「天空の地」で、中心都市ラサはチベット語で「神の地」を意味するチベット仏教の聖地です。その象徴であるポタラ宮は世界文化遺産にも登録されております。国慶節休暇に、私はこのポタラ宮を目指して青海省の西寧から青蔵鉄道で約24時間寝台列車に揺られ、チベットのラサに行きました。実際に行ってみると、ダライ・ラマの宮殿であった世界最大級の建造物・ポタラ宮はもちろん圧巻なのですが、それ以上に印象に残ったのはチベット族の信仰の深さとその独特の風習です。例えば、寺の周辺では、多くの信者が両手・両膝・額を地面に投げ伏して、仏や高僧などを礼拝する「五体投地」をしている姿が見られます。チベットの小さな村から聖地ラサを目指して2000km以上の道のりを五体投地だけで約1年かけて巡礼する村人もおり、以前ドキュメンタリー映画になったこともあります。また、チベットでは現在も葬儀は「鳥葬」が一般的に行われています。専門の職人が遺体を解体し、ハゲワシに食べさせるという方法です。これは、火葬や土葬が困難な環境的理由もありますが、輪廻転生や魂が抜けた後の肉体を天に届けるという宗教観に基づいたものです。

  このように、中国の長い歴史の中で、各地で多種多様な文化や風習が根付いており、一律には語れない幅の広さと奥深さがある国であることを実感します。

 

■最後に

1997年に上海事務所が開設されて以来、今回私は最長の赴任期間となりましたが、県人会や石川県企業をはじめ、総領事館やJETRO、JNTO、CLAIR等の日本の政府機関や他自治体事務所、江蘇省や上海をはじめとする中国の各地方政府、日中双方の関係企業の皆さまには大変お世話になりました。関わったすべての方に心より感謝申し上げます。

今年、日中国交正常化50周年を迎えます。現在もまだコロナの影響で日中間の往来が困難な状況が続いておりますが、再び多くの方が日中間を往来し、自身の目で見て、耳で聞き、肌で感じ、価値観や立場の違い、多様性を受容し、相互理解の基盤のうえで、切っても切り離せない隣国同士、経済・観光・文化など多面的に直接交流ができるようになる日が再び訪れることを切に願っております。 

 

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所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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