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更新日:2022年3月14日

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―上海駐在員便り  2022年1月―

中国における大規模イベントの動向

 

■「第4回中国国際輸入博覧会」

  11月5日から10日にかけて上海(国家会展中心)で世界最大規模の総合見本市「第4回中国国際輸入博覧会」が開催されました。4日の開幕式において、習近平国家主席はビデオ演説にて、環太平洋連携協定(TPP)への早期加入に改めて意欲を示すとともに、多国間貿易体制の国際的なルール作りに向けて重要な役割を果たすことを強調しました。

  今回の輸入博には、自動車、技術設備、医療機器、食品などの幅広い分野において、127カ国・地域から2,900社以上の企業などが出展し、日本からはユニクロや花王など約300の企業・団体が出展しました。また、今年もジェトロが「ジャパン・パビリオン」を設置して中小企業の出展をサポートしており、県内の食品企業5社が出展しました。輸入博主催機関の発表によると、6日間の会期中に約48万人(前年約61万人)が来場し、成約見込額は約707億ドル(前回比2.6%減)となっております。

  なお、実際に会場に行ってみると、ジャパン・パビリオンでは、日中間の往来が困難な中で、オンラインを活用した各種取組がなされておりました。具体的には、出展企業のブースに設置されたタブレットPCでオンライン商談可能な仕組みや、展示商品の横に設置されたQRコードで越境ECのページから商品を購入することができる仕組みの導入です。ただ、これに近い取組はこれまでもありましたが、今回最も特徴的だったのは、輸入博と連動し、輸入博の展示商品を常設展示する「虹橋品匯日本館」が新たに設置されたことです。中国政府は、「6+365日」のキャッチフレーズで、輸入博開催期間だけではなく、年間を通して波及効果をもたらすためのプラットフォームを整備してきましたが、そこにジェトロが常設エリアを設け、食品・化粧品・雑貨など約500ブランド・2000点以上の商品をPR・販売することとしております。輸入博期間中の11月6日にオープンし、今後、ライブコマースを活用したイベントや日中国交正常化50周年記念イベントなど様々なイベントが企画されておりますので、効果性を含め新たなプラットフォームの動向を注視していきます。

 

■「独身の日」ネットセール

  11月11日は、中国において「双11(ダブルイレブン)」と表現され、「独身の日」とされています。この日には、ネットショッピングで大規模セールが開催されるのが恒例となっており、多くの中国人がこの日を待ち構えております。2009年に中国の電子商取引最大手「阿里巴巴(アリババ)」がバーゲンセールをスタートしたことに端を発しており、今年の取引総額(先行セール含む)は前年同期比8.5%増の5403億元(約9兆6000億円)と過去最高を記録しております。イオンの2020年度の総売上高が約8兆6000億円ですので、10日間ほどでそれを上回ったことになり、とんでもない規模であることがうかがえます。今年は過去最多の約29万ブランドが参加しており、海外からも多くの企業が出店しました。米アップルや日本の資生堂など、当セールには87カ国・地域から2万9,000以上の海外ブランドが出店し、130万以上の新商品が販売されました。ここ数年、急成長を続けていた世界最大の中国EC市場ですが、コロナ禍でEC化の流れは更に加速しているように感じます。

  一方で、新たな変化も見られました。「国民的イベント」ともなっている「独身の日」ネットセールですが、今年は例年のような派手な演出や宣伝、報道などが少なく、かなり控えめだった印象です。これは最近、中国共産党が目標として掲げる「共同富裕」(貧富の差を是正し全ての人が豊かになる)の方針に配慮したものと思われます。中国当局は昨年以降、大手IT企業への統制を強化しており、アリババは金融子会社の上場延期や独占禁止法違反による巨額の罰金を科されており、「儲け過ぎ」との批判を避けたい思惑があるようです。中国政府の経済を重視する姿勢が変わるわけではないにしても、中国でビジネスをしていくうえでは、これまでより社会主義的側面が表に出てくることで規制や社会の雰囲気が変わりつつあることにも留意しておく必要がありそうです。

 

(写真1:輸入博会場「国家会展中心」)

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(写真2:会場内「ジャパン・パビリオン」)

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(写真3:常設展示場「虹橋品匯日本館」)

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お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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