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更新日:2022年3月14日

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―上海駐在員便り  2021年11月―

遼寧省での日中経済協力会議と中国における電力不足問題

 

日中経済協力会議

  9月22日~23日、遼寧省において「2021年日中経済協力会議」が開催されました。当会議は、日本と中国の行政、企業、経済団体等が一堂に会するプラットフォームであり、県上海事務所が所属する日中経済協会及び中国東北地方4省(遼寧省、吉林省、黒竜江省、内モンゴル自治区)が主催するもので、今年は2年ぶり19回目となります。今回は、コロナに伴う日中間の渡航制限もあり、遼寧省瀋陽市のリアル会場とオンラインによるハイブリッド方式で開催され、リアル会場では約300人が参加しました。本会議では、「日中経済貿易協力の質の高い発展の推進」をテーマとして、遼寧省の劉省長や在瀋陽日本国総領事館の片江総領事などが講演されるとともに、中国東北地域と繋がりが深い岩手県や福島県知事のビデオメッセージなどが放映されました。また、分科会においては、ホットなテーマである「設備製造」、「低炭素経済・環境」、「ヘルスケア」の3つの分野において、先進的な取組をしている日中双方の企業や研究機関等がプレゼンを実施し、技術力のPRや知見の共有を行いました。

  中国におけるコロナの感染再拡大の影響もあり、直前での会議日程の変更、参加者全員のPCR検査対応、黒竜江省政府が来場できなくなる等の課題が発生したものの、コロナ禍においても必要な対策をとりつつ、これだけ多くの日中双方の行政や企業関係者等が集結して直接的にコミュニケーションとる場が設けられたことの意義は大きかったように感じました。私自身、実際に参加してみて、これまで関わる機会が少なかった中国東北部の省政府関係者や金融機関等と接点をもつ良い機会になるとともに、現地の今現在の経済状況を把握するうえでも有益でした。一方で、分科会・商談会において、日中企業間のビジネス・マッチングの質を高める仕掛けの必要性は感じました。今後この点が改善され、ビジネス上の有益性が向上すれば、多くの県内企業にも参加いただくべく案内できればと考えております。

  

■遼寧省地方視察

  また、9月24日~25日にかけては、遼寧省沿海部の地方視察が行われました。日本製鉄の桂中国総代表を団長とし、葫蘆島市と錦州市を訪問し、市長をはじめとする市政府幹部等との交流や現地視察を実施しました。

  なかでも葫蘆島市は、終戦直後に中国に取り残された日本人居留民の「引き揚げの地」として歴史に刻まれた土地であり、また、石川県との関係においては、川北町と興城市(葫蘆島市にある県級市)が友好都市となっております。1992年当時、日中国交正常化20周年の年を迎えるにあたり、町長と親交のあった農業短期大学の教授が遼寧省で水稲生産技術の指導を行っていた縁や、産業の中心が農業であり、温泉保養施設があること、文化財を多く有するなどの共通項も多く、友好交流締結に至りました。以降、相互訪問による文化・経済・教育などの分野での交流が行われており、コロナ後に再び交流が継続できる状況となることを願っております。

 

■電力不足の深刻化

  中国で電力不足が深刻化しております。9月中旬以降、中国各地で電力供給制限が実施されており、工場の操業停止や停電の頻発など、さまざま影響が出ております。例えば、ジェトロの調査によると、江蘇省内の地方政府等が企業に対して電力消費量の削減や操業制限などを要請しており、年間の電力消費量を前年比で30%減、電力供給を従来の40~70%程度に制限するなどの厳しい要求も含まれるケースもあり、広東省では自動車関係など少なくとも約180社の日系企業で操業停止などの影響が出ているとのことです。当方でヒアリングしたところ、実際に、江蘇省内のいくつかの県内企業においても工場の機能を一部停止するなどの対応をしているところもありました。また、私自身、東北地方に出張中に宿泊しているホテルの一帯が停電するという連絡が急に入ったこともありました。

  主な原因は2点あり、石炭が品薄となり価格が高騰していることと、環境規制の強化の影響です。中国はエネルギーの約3分の2を石炭で賄っておりますが、炭鉱事故に伴う安全基準強化を受けて生産が鈍る一方、製造業等の電力需要は旺盛で需給が逼迫している状況があります。また、環境規制に関しては、中央政府が各地方にエネルギー消費削減目標の達成を求めており、目標未達の省を名指しで指摘したことで一気に電力供給の引き締めが図られているという背景があります。

   景気への影響も出てきており、冬場の暖房需要に向けて不安が高まる中、中央政府は電力の安定供給対策をとる姿勢を示しております。今後も状況を注視しつつ、必要に応じて日中双方の政府機関や企業等と情報共有を図っていきたいと考えております。

 

(写真1:日中経済協力会議)

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(写真2:葫蘆島市長面会)

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(写真3:瀋陽市街の様子)

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お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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