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更新日:2022年3月14日

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―上海駐在員便り  2021年9月―

今現在の中国における3つの注意点

 

  日本ではオリンピックが始まりましたが、中国でも多くのテレビ中継や報道がなされ盛り上がりを見せております。特に、金メダリスト第1号となった射撃・女子エアライフルの楊倩選手(現役大学生の中国人選手)や、中国のお家芸である卓球の試合などは、SNS上などでも多くの投稿が溢れ、大きな話題となっております。また、現地の日本人駐在員の間でも、慌ただしくチャンネルを変えながらTV観戦で熱を上げている方も多く、異国の地から日本選手団にエールを送っております。

  しかし、楽しい話題ばかりではなく、同時期に、中国では多くの方の生活や仕事に直接的な影響を与える3つの問題が発生しておりますので、注意喚起も踏まえて記載しておきたいと思います。

 

豪雨災害等

  中国中部の河南省では、7月中旬から大雨が続き、省都の鄭州市では1時間雨量が200ミリを超え、観測史上最大を記録しました。7月17日からの3日間でほぼ1年分の雨が降った計算となり、気象局は「1000年に1度」の大雨との見解を示しました。広範囲に冠水し、多くの車が流されていく映像や、地下鉄に濁流が流れ込む様子などは日本でも報道があったと思いますが、8月2日の河南省政府の発表によると、302人が死亡、50人が行方不明、1453万人が被災、直接的な経済損失は1142億元(約1兆9400億円)に上っております。当該地域の復興を願うばかりです。

  また、7月末には、ここ上海や浙江省等の華東地域に大型の台風6号(中国名「烟花」)が上陸しました。7月25日から26日にかけて暴風域に入り、上海市内では、一時、地下鉄等の交通機関が停止、公共施設等が閉館したほか、多くの企業で在宅勤務となりました。一部の地域で停電があったほか、至る所で街路樹が折れて歩道を塞ぐような状況が見受けられたものの、早くから様々なコミュニティで注意喚起情報が流れ、当事務所も含めて在宅勤務等の決定も早かったこともあり、大きな混乱や被害がなかったことは幸いでした。


コロナ感染再拡大

  大局的にはコロナ感染を抑止している中国ですが、7月下旬頃から江蘇省の南京市を中心にデルタ株の感染拡大が発生しております。南京市では、禄口国際空港での感染を確認して以降、約930万人の市民全員を対象としたPCR検査の実施や、一時滞在者を含め南京を離れるすべての人に対して48時間以内に発行されたコロナ陰性証明の提示を義務付けるなど拡大防止を図っております。しかし、河南省や湖南省など他の地域にも感染が拡散しており、国家衛生健康委員会によると、「7月の国内での市中感染例は328人に上り、14省に拡大している」と警戒を強めている状況です。

  なお、すでに中国のワクチン接種回数は15億回を超え、6億人が2回の接種を終えている状況であり、日本人駐在員においても現地で中国製ワクチンを接種するケースが増えてきております。一部の地域ではワクチン未接種者に対する規制も出てきており、(ワクチンの有効性はともかくとして)、現地で生活している以上、接種せざるを得ない状況になりつつあります。先日も地方政府から発布のあったものを整理して現地の県人会ネットワークで情報共有したところですが、例えば、江蘇省や浙江省、江西省内の一部地域においては、公共施設等での接種記録のチェックや未接種者の立ち入り禁止などの措置がとられております。8月1日から(日本国内に住民票を有しない)海外在留邦人に対して、日本に一時帰国してのワクチン接種が始まりましたが、日中双方での隔離期間や渡航費負担のハードルがあるうえに、中国製ワクチン以外の日本での接種証明は現時点では中国国内では有効なものとして扱われないため、実質的に利用しづらい面があります。日中間でのワクチンパスポートの進展が待たれます。

 

IT関連規制強化

  現在の中国での生活において、スマホを活用した電子決済やネットショッピング、フードデリバリー、タクシー配車、チャットアプリなどが不可欠なレベルで浸透しているが故に、それが利用できない場合のインパクトは極めて大きいものがあります。

  もともと、中国では「金盾」と呼ばれる国のグレートファイアーウォールによって、自然体ではLINEやFacebook、Twitter、Googleなど国際ブランドのインターネット機能は使用できない等の制約がありますが、サイバーセキュリティ法に関連した個人情報保護規制の強化等により、中国大手IT企業への締め付けが厳しくなってきております。

  直近では、利用者数が約12億人にも上るチャットアプリ「WeChat」(テンセント社)や、配車サービス最大手の「滴滴出行」の新規ユーザー登録が一時停止されるなど、現地駐在員の間で衝撃が走りました。すでに使用しているユーザーは継続して利用できておりますが、社会インフラに近いITサービスが規制を受けると死活問題になりかねないため、今後の動向を引き続き注視するとともに、現地の県人会等で専門家を招いたIT関連のセミナーを開催するなどの対応を行っていきたいと考えております。

 

(写真1:台風直後の上海市内)

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(写真2:ワクチン接種会場)

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(写真3:深圳のテンセント本社)

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お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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