報告第1号  平成15年度石川県立学校卒業式に係る石川県教育委員会告辞について

告辞

晴れの卒業式を迎えられた皆さん、おめでとうございます。喜びと希望に満ちた門出を心からお祝い申し上げます。
今、皆さんは、それぞれの道を進むにあたり、決意を新たにしていることと思います。皆さんがこれまでの学校生活で培った学ぶ姿勢、たくましい心身、深い友情は、今後の人生の力強い支えとなるに違いありません。
昨年、大リーグに挑戦するという夢を果たした松井秀喜選手は、ホームランを期待されながらも、内野ゴロの多さを厳しく批判された時期もありました。しかし、それに耐えて、常に前向きに努力を続け、彼のひたむきなプレーに信頼を寄せたチームメイトとともに、リーグ優勝に貢献する活躍をしました。このような姿から、私たちは、困難にも屈せず粘り強く取り組むことや、仲間と協力して目標に向かって力を尽くすことの大切さを知りました。
現在、我が国では、国際化・高度情報通信化の進展や価値観の多様化など、私たちを取り巻く環境がこれまでとは比較にならないほど急速に変化しています。このような時代にあっては、互いを認め合いながら自分の生き方について主体的に考え、逆境に陥っても、目標を持って積極的に行動することが求められています。皆さんは、授業での発表や討論、また、学校行事や部活動などをとおして、コミュニケーション能力や自ら考える力を身につけ、互いに高め合い成長してきました。こうした経験は、今後、様々な分野で活躍する皆さんを大いに勇気づける糧となることでしょう。
これからの時代を担う皆さんは、知識や技能に加えて、柔軟な思考力や創造力をもって、直面する課題を解決するとともに、夢の実現に向かって不屈の精神で努力し続けてください。そして、他を思いやる豊かな人間性をはぐくむとともに、責任とモラルを重んじ、活力ある社会を築くことを期待しています。
今日まで皆さんを温かく見守り、導いてくださった保護者や先生方への感謝の気持ちを忘れず、生涯にわたり学び続ける意欲を持ち、心豊かでたくましい人間として、21世紀を切り拓いてください。
皆さんの今後の健康と活躍を祈って、はなむけの言葉といたします。

石川県教育委員会