いしかわ障害者プラン2019 平成31年3月 石川県 はじめに 本県では、平成26年4月に策定した「いしかわ障害者プラン2014」に基づき、障害の有無に関わらず、ともに地域で支え合う共生社会の実現に向けて、障害のある人の自立と社会参加の促進を目指した施策の充実に取り組んでまいりました。 この間、我が国においては、障害者差別解消法の施行、障害者総合支援法、児童福祉法及び障害者雇用促進法の改正などの法整備が進められたほか、本県においても、石川県手話言語条例を制定するなど、障害のある人の自立と社会参加に向けて大きく進展してきました。 また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、県民の障害者スポーツに対する関心が高まっているところです。 一方、医療技術の進展に伴う医療的ケアを必要とする子どもの増加への対応や、障害のある人が犠牲になった事件や全国各地で頻発している自然災害の発生を踏まえた防犯・防災対策の強化など、新たな課題も出てきています。 県では、こうした環境の変化や、これまでの障害者施策の現状と課題を踏まえて、このたび「いしかわ障害者プラン2019」を策定しました。 本プランでは、障害のある人もない人も相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を目指し、障害のある人の自立と社会参加の促進、障害のある人が能力や適性を生かせるよう環境の整備、障害福祉サービス等の充実、安全で安心して住みやすいまちづくりに視点をおき、施策の推進に取り組むこととしております。 今後は、市町をはじめ関係団体や事業者、地域の方々とのより一層の連携を図りながら、障害者差別解消に関する本県独自の条例の制定など、このプランに掲げる施策の推進に積極的に取り組んでまいりますので、県民の皆様の、より一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。 最後に、このプランの策定にあたり、貴重なご意見、ご指導をいただきました県障害者施策推進協議会の委員の皆様をはじめ関係各位に対し、厚くお礼申し上げます。 平成31年3月 石川県知事 たにもと まさのり 第1部 プランの基本的考え方 1 プラン策定の趣旨 本県では、これまで「いしかわ障害者プラン2002」(平成14年度〜平成18年度)、「いしかわ障害者プラン2007」(平成19年度〜平成25年度)、「いしかわ障害者プラン2014」(平成26年度〜平成30年度)を策定し、「ノーマライゼーション」と「リハビリテーション」を基本理念に掲げ、障害のある人の自立と社会参加の促進を目指して施策を進めてきました。 平成26年4月に策定した「いしかわ障害者プラン2014」については、計画期間を5年間として、本県における障害者福祉のさらなる向上に向けて、様々な施策に取り組んでまいりました。この間、国においては、平成28年4月に、障害のある人に対する差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供が盛り込まれた「障害者差別解消法」が施行されたほか、平成30年4月には「障害者総合支援法」及び「児童福祉法」の改正法が施行され、障害のある人や障害のある子どもに対する支援の充実と強化が図られるなど、法整備が進められています。 また、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を契機とした障害者スポーツの取り組みのほか、平成30年6月に「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」が施行されたことによる文化芸術活動への取り組みも強化が進んでおり、障害のある人のスポーツ・文化芸術の裾野拡大と振興を目指した事業が全国的に展開されています。 本プランにおいては、障害のある人も社会を構成する一員であり、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるという理念にのっとり、国の障害者施策の見直しを踏まえつつ、平成30年度で計画期間が終了する「いしかわ障害者プラン2014」の評価を行い、現状と課題を踏まえながら、障害のある人もない人も共に支え合う共生社会の実現のため、県の障害者施策の基本的方向を定めることとします。 2 プランの基本理念と基本目標 (1)基本理念 本プランにおいては、次の二つを基本理念とします。 ノーマライゼーション 障害のある人を特別視するのではなく、一般社会の中で障害のある人もない人も、共に社会、経済、文化等の幅広い分野にわたって活動することが本来のあり方であるという考え方 リハビリテーション 障害のある人が障害のない人と同じように生活するために、ライフステージの全ての段階において、その人が持っている身体的、精神的、社会的能力を発揮し、その自立と社会参加の促進を目指すとの考え方 (2)基本目標 上記の基本理念に基づき、次の三つを基本目標とします。 共生社会の実現 障害のある人もない人も共に地域で支え合う共生社会を目指します。 能力・適性が発揮できる社会の実現 障害のある人が、地域で能力や適性を生かした生活を送り、様々な分野の活動に参加できるよう、環境の整備に努めます。 支援体制の整備 障害のある人が、安心して地域で暮らせるように、一人ひとりが必要とするサービスを選択し、利用できるような支援体制を整えます。 3 プランの根拠 本プランは、障害者基本法第11条に基づく「障害者基本計画」、障害者総合支援法第89条に基づく「障害福祉計画」及び児童福祉法第33条の22に基づく「障害児福祉計画」を一体的に策定するものです。 4 プランの期間 本プランの期間は、2019年度から2023年度までの5年間とします。 5 障害者の概念 本プランにおける「障害のある人」、「障害のある子ども」、「障害者」とは、障害者基本法に規定する障害者を言います。 ○障害者基本法第2条 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。 6 障害保健福祉圏域の設定 本プランは、地域の特性や人口規模等を踏まえ、広域的な視点から展開することが必要であることから、4つの障害保健福祉圏域を設定し、施策の推進を図ります。 障害保健福祉圏域は、保健・医療や高齢者保健福祉との連携を図るため、「二次医療圏」及び「介護保険及び老人福祉圏域」と同じ圏域とします。 南加賀障害保健福祉圏域 小松市、加賀市、のみし、川北まち 石川中央障害保健福祉圏域 金沢市、かほく市、白山市、野々市市、津幡町、内灘町 能登中部障害保健福祉圏域 七尾市、羽咋市、志賀町、宝達志水町、なかのとまち 能登北部障害保健福祉圏域 輪島市、珠洲市、穴水町、能登町 7 プランの推進体制 障害者基本法に基づく「石川県障害者施策推進協議会」において、プランに基づく施策の実施状況の評価を行い、施策を推進します。 また、障害者施策を効果的に推進するために、市町その他の関係機関とのネットワークを強化しながら、プランの推進に積極的に取り組みます。 第2部 障害者を取り巻く現状と課題 第1章 障害者を取り巻く現状と課題 平成29年度における、県の身体、知的、精神の3障害者の合計は71013人で、4年前の平成25年度の70610人と比べ、403人(0.6%)増加しています。また、各障害者の内訳は、身体障害者43850人(61.7%)、知的障害者8856人(12.5%)、精神障害者18307人(25.8%)となっています。 ◇身体・知的・精神障害者数の推移 身体障害者は身体障害者手帳、知的障害者は療育手帳の各年度3月末の所持者数、精神障害者は各年度6月末における精神の入院患者数と通院公費負担制度の利用患者数を合計したものです。 身体障害者 平成25年度 46395人、平成26年度 45709人、平成27年度 45087人、平成28年度 44213人、平成29年度 43850人、全障害者数に占める構成比 61.7%、平成25年度に比べ、平成29年度は2545人減り、減少率は5.5%。 知的障害者 平成25年度 7884人、平成26年度 8116人、平成27年度 8421人、平成28年度 8642人、平成29年度 8856人、全障害者数に占める構成比 12.5%、平成25年度に比べ、平成29年度は972人増え、増加率は12.3%。 精神障害者 平成25年度 16331人、平成26年度 16798人、平成27年度 17417人、平成28年度 17927人、平成29年度 18307人、全障害者数に占める構成比 25.8%、平成25年度に比べ、平成29年度は1976人増え、増加率は12.1%。 三障害者合計 平成25年度 70610人、平成26年度 70623人、平成27年度 70925人、平成28年度 70782人、平成29年度 71013人、平成25年度に比べ、平成29年度は403人増え、増加率は0.6%。 1 身体障害者 ○ 平成30年3月末の身体障害者は43850人となっています。平成26年3月末から全年齢で減少傾向にありますが、65歳以上が身体障害者全体の74.3%を占めており、高齢者の割合が多くなっています。 ○ 平成30年3月末の身体障害者の障害別の内訳は、肢体不自由が23450人(53.6%)と最も多く、次いで内部障害が14270人(32.5%)、聴覚・平衡機能障害が3213人(7.3%)となっています。 ○ 平成26年3月末からの障害別の人数の推移は、内部障害が423人(3.1%)増加している一方、肢体不自由、聴覚・平衡機能障害、視覚障害、音声言語・そしゃく障害の人数は減少しています。 ○ 平成30年3月末の身体障害者の障害程度別の人数は、重度(手帳1・2級)が1313人(6.0%)、ちゅうど(手帳3・4級)が941人(4.6%)、軽度(手帳5・6級)が291人(6.7%)の減少となっており、全程度で減少しています。 ○ 身体障害は、障害の種別によりその特性が多様であり、必要とする支援も様々です。そのため、身体に障害がある人が地域で生活するためには、建物、公共空間、交通機関等のさらなるバリアフリー化を進めることが必要です。また、視覚障害、聴覚障害等のコミュニケーション支援が必要な人は、必要な情報を得ることができるよう、障害特性等に配慮した支援の充実が必要です。 ◇身体障害者手帳所持者数の推移(各年度末現在) 身体障害者手帳所持者総数 平成25年度 46395人、平成26年度 45709人、平成27年度 45087人、平成28年度 44213人、平成29年度 43850人、平成25年度に比べ、平成29年度は2545人減り、減少率は5.5%。 18歳未満の身体障害者手帳所持者数 平成25年度 826人、平成26年度 785人、平成27年度 768人、平成28年度 755人、平成29年度 755人、全年齢に占める構成比 1.7%、平成25年度に比べ、平成29年度は71人減り、減少率は8.6%。 18歳以上65歳未満の身体障害者手帳所持者数 平成25年度 12391人、平成26年度 11817人、平成27年度 11331人、平成28年度 10743人、平成29年度 10501人、全年齢に占める構成比 24.0%、平成25年度に比べ、平成29年度は1890人減り、減少率は15.3%。 65歳以上の身体障害者手帳所持者数 平成25年度 33178人、平成26年度 33107人、平成27年度 32988人、平成28年度 32715人、平成29年度 32594人、全年齢に占める構成比 74.3%、平成25年度に比べ、平成29年度は584人減り、減少率は1.8%。 障害別の内訳については、 肢体不自由 平成25年度 25960人、平成26年度 25366人、平成27年度 24788人、平成28年度 23997人、平成29年度 23450人、身体障害者手帳所持者総数に占める構成比 53.6%、平成25年度に比べ、平成29年度は2510人減り、減少率は9.7%。 内部障害 平成25年度 13847人、平成26年度 13893人、平成27年度 13927人、平成28年度 14051人、平成29年度 14270人、身体障害者手帳所持者総数に占める構成比 32.5%、平成25年度に比べ、平成29年度は423人増え、増加率は3.1%。 聴覚平衡機能障害 平成25年度 3413人、平成26年度 3357人、平成27年度 3317人、平成28年度 3223人、平成29年度 3213人、身体障害者手帳所持者総数に占める構成比 7.3%、平成25年度に比べ、平成29年度は200人減り、減少率は5.9%。 視覚障害 平成25年度 2745人、平成26年度 2671人、平成27年度 2621人、平成28年度 2528人、平成29年度 2501人、身体障害者手帳所持者総数に占める構成比 5.7%、平成25年度に比べ、平成29年度は244人減り、減少率は8.9%。 音声言語そしゃく障害 平成25年度 430人、平成26年度 422人、平成27年度 434人、平成28年度 414人、平成29年度 416人、身体障害者手帳所持者総数に占める構成比 0.9%、平成25年度に比べ、平成29年度は14人減り、減少率は3.3%。 ◇身体障害者の障害程度別にんずうの比較(各年度末現在) 重度(手帳1級、2級) 平成25年度 21820人、平成29年度 20507人、身体障害者手帳所持者総数に占める構成比 46.8%、1313人減り、減少率は6.0%。 ちゅうど(手帳3級、4級) 平成25年度 20256人、平成29年度 19315人、身体障害者手帳所持者総数に占める構成比 44.0%、941人減り、減少率は4.6%。 軽度(手帳5級、6級) 平成25年度 4319人、平成29年度 4028人、身体障害者手帳所持者総数に占める構成比 9.2%、291人減り、減少率は6.7%。 2 知的障害者 ○ 平成30年3月末の知的障害者は8856人となっています。平成26年3月末と比較すると、18歳未満が203人(11.7%)、18歳以上65歳未満が549人(10.2%)、65歳以上が220人(28.6%)増加しています。 ○ 平成30年3月末の知的障害者の内訳は、重度(手帳A)が3412人(38.5%)、ちゅう・軽度(手帳B)が5444人(61.5%)となっています。また、平成26年3月末と比較すると、重度(手帳A)が172人(5.3%)、ちゅう・軽度(手帳B)が800人(17.2%)増加しています。 ○ 平成29年9月に実施した石川県障害者アンケート調査(93ページ以降に記載。以下「アンケート調査」という。)によると、主に介助している人は「父母」が81.4%と最も多く、次いで施設職員が26.7%となっています。施設に入所している障害のある人が地域移行する場合や、両親が介護できなくなった場合に、住みなれた地域で生活するためのグループホーム等居住の場の確保と、家事援助、外出支援等の日常生活の支援が必要です。 ◇療育手帳所持者数の推移(各年度末現在) 療育手帳所持者総数 平成25年度 7884人、平成26年度 8116人、平成27年度 8421人、平成28年度 8642人、平成29年度 8856人、平成25年度に比べ、平成29年度は972人増え、増加率は12.3%。 18歳未満の療育手帳所持者数 平成25年度 1731人、平成26年度 1767人、平成27年度 1859人、平成28年度 1874人、平成29年度 1934人、全年齢に占める構成比 21.8%、平成25年度に比べ、平成29年度は203人増え、増加率は11.7%。 18歳以上65歳未満の療育手帳所持者数 平成25年度 5383人、平成26年度 5516人、平成27年度 5669人、平成28年度 5830人、平成29年度 5932人、全年齢に占める構成比 67.0%、平成25年度に比べ、平成29年度は549人増え、増加率は10.2%。 65歳以上の療育手帳所持者数 平成25年度 770人、平成26年度 833人、平成27年度 893人、平成28年度 938人、平成29年度 990人、全年齢に占める構成比 11.2%、平成25年度に比べ、平成29年度は220人増え、増加率は28.6%。 ◇知的障害者の障害程度別にんずうの比較(各年度末現在) 重度(手帳A) 平成25年度 3240人、平成29年度 3412人、療育手帳所持者総数に占める構成比 38.5%、平成25年度に比べ、平成29年度は172人増え、増加率は5.3%。 ちゅう・軽度(手帳B) 平成25年度 4644人、平成29年度 5444人、療育手帳所持者総数に占める構成比 61.5%、平成25年度に比べ、平成29年度は800人増え、増加率は17.2%。 合計 平成25年度 7884人、平成29年度 8856人、平成25年度に比べ、平成29年度は972人増え、増加率は12.3%。 3 精神障害者 ○ 平成29年6月末の精神障害者18307人の内訳は、入院患者が3129人(17.1%)、通院患者が15178人(82.9%)となっています。 ○ 平成25年6月末と比較すると、入院患者は150人(4.6%)減少していますが、入院患者で、条件が整えば地域生活が可能な人もまだ多いことから、グループホーム等の居住の場の確保と、相談支援を行う体制の整備が必要です。 ○ 一方、通院患者は2126人(16.3%)増加しており、地域で生活していくために治療を継続し、福祉サービス等必要な支援を行う体制の整備が必要です。 ○ 平成30年3月末の精神障害者保健福祉手帳所持者数は8084人となっています。平成26年3月末と比較すると、1級が51人(8.8%)減少している一方、2級が1843人(39.4%)、3級が310人(43.0%)増加しています。 ◇精神科入院・通院公費負担利用患者数(各年6月末現在) 精神科入院・通院公費負担利用患者総数 平成25年度 16331人、平成26年度 16798人、平成27年度 17417人、平成28年度 17927人、平成29年度 18307人、平成25年度に比べ、平成29年度は1976人増え、増加率は12.1%。 入院患者数 入院患者数は、県内に住所を有する精神障害者で県内の精神病院に入院している患者数をいいます。 平成25年度 3279人、平成26年度 3230人、平成27年度 3218人、平成28年度 3192人、平成29年度 3129人、全患者数に占める構成比 17.1%、平成25年度に比べ、平成29年度は150人減り、減少率は4.6%。 通院患者数 平成25年度 13052人、平成26年度 13568人、平成27年度 14199人、平成28年度 14735人、平成29年度 15178人、全患者数に占める構成比 82.9%、平成25年度に比べ、平成29年度は2126人増え、増加率は16.3%。 ◇精神障害者保健福祉手帳所持者の障害程度別にんずうの比較(各年度末現在) 1級 平成25年度 578人、平成29年度 527人、精神障害者保健福祉手帳所持者総数に占める構成比 6.5%、平成25年度に比べ、平成29年度は51人減り、減少率は8.8%。 2級 平成25年度 4683人、平成29年度 6526人、精神障害者保健福祉手帳所持者総数に占める構成比 80.7%、平成25年度に比べ、平成29年度は1843人増え、増加率は39.4%。 3級 平成25年度 721人、平成25年度 1031人、精神障害者保健福祉手帳所持者総数に占める構成比 12.8%、平成25年度に比べ、平成29年度は310人増え、増加率は43.0%。 合計 平成25年度 5982人、平成29年度 8084人、平成25年度に比べ、平成29年度は2102人増え、増加率は35.1%。 4 発達障害者、難病患者、高次脳機能障害者 (1)発達障害者 ○ 発達障害者支援法では、「発達障害とは、自閉症、アスペルガ−症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。 ○ 発達障害は社会で理解されにくい障害であることから、早期に発見し、療育、教育、就労等様々な支援の体制をさらに充実させることが必要です。 ○ 石川県に2ヶ所ある発達障害者支援センターの平成29年度の利用者数は平成25年度に比べ59人(3.1%)増加しており、身近な地域で相談ができる体制整備が必要です。 ◇発達障害者支援センター(2ヶ所)の利用者数の推移 平成25年度 1889人、平成26年度 1954人、平成27年度 1796人、平成28年度 2065人、平成29年度 1948人、平成25年度に比べ、平成29年度は59人増え、増加率は3.1%。 (2)難病患者 ○ 難病は、原因不明で治療法が未確立であり、かつ、生活面に長期にわたる支障があることから、身体的、精神的、社会的にも大きな困難を抱える病気です。 ○ 平成25年4月から施行された障害者総合支援法では、身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む。)の3障害に加え、「制度の谷間」のない支援を提供する観点から、新たに「難病等」が追加されました。 ○ 平成26年12月までは、国の特定疾患治療研究事業により、56疾患が助成対象となっていました。平成27年1月に「難病の患者に対する医療等に関する法律」が施行されてから、医療費助成の対象疾病が徐々に拡大され、平成30年4月現在では331疾病となっています。 ○ 平成30年3月末の難病患者数(医療費の公費負担対象に限る。)は8750人となっています。 ○ 年齢区分別の患者数では、20歳未満が57人(0.7%)、20歳以上60歳未満が3466人(39.6%)、60歳以上が5227人(59.7%)となっています。 ◇特定疾患公費負担患者数の推移 対象疾患の数は、平成26年12月まで56疾患、平成27年1月から110疾患、平成27年7月から306疾患、平成29年4月から330疾患となっている。 公費負担患者総数 平成25年度 8628人、平成26年度 8794人、平成27年度 9339人、平成28年度 9502人、平成29年度 8750人、平成25年度に比べ、平成29年度は122人増え、増加率は1.4%。 ◇年齢区分別特定疾患公費負担患者数 20歳未満の特定疾患公費負担患者数 平成25年度 169人、平成29年度 57人、公費負担患者総数に占める構成比 0.7%、平成25年度に比べ、平成29年度は112人減り、減少率は66.3%。 20歳以上60歳未満の特定疾患公費負担患者数 平成25年度 3536人、平成29年度 3466人、公費負担患者総数に占める構成比 39.6%、平成25年度に比べ、平成29年度は70人減り、減少率は2.0%。 60歳以上の特定疾患公費負担患者数 平成25年度 4923人、平成29年度 5227人、公費負担患者総数に占める構成比 59.7%、平成25年度に比べ、平成29年度は304人増え、増加率は6.2%。 ◇疾病別公費負担患者数(平成30年3月末現在) 公費負担患者数が10名以上の疾患名を記載しています。 ぱーきんそんびょう 1105人 かいようせいだいちょうえん 1051人 ぜんしんせいえりてまとーです 555人 くろーんびょう 425人 こうじゅうじんたいこっかしょう 389人 ぜんしんせいきょうひしょう 376人 せきずいしょうのうへんせいしょう(たけいとういしゅくしょうをのぞく) 245人 とくはつせいかくちょうがたしんきんしょう 224人 げんぱつせいたんじゅうせいたんかんえん 222人 ひふきんえん、たはつせいきんえん 221人 とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう 207人 さるこいどーしす 198人 じゅうしょうきんむりょくしょう 188人 たはつせいこうかしょう、ししんけいせきずいえん 162人 しんこうせいかくじょうせいまひ 156人 もうまくしきそへんせいしょう 151人 とくはつせいだいたいこっとうえししょう 150人 べーちぇっとびょう 140人 かすいたいぜんようきのうていかしょう 140人 とくはつせいかんしつせいはいえん 140人 さいせいふりょうせいひんけつ 139人 たけいとういしゅくしょう 133人 しぇーぐれんしょうこうぐん 130人 きんいしゅくせいそくさくこうかしょう 107人 あいじーえいじんしょう 94人 もやもやびょう 93人 けんびきょうてきたはつけっかんえん 88人 こんごうせいけつごうそしきびょう 79人 たはつせいのうほうじん 78人 おうしょくじんたいこっかしょう 72人 いちじせいねふろーぜしょうこうぐん 71人 ばーじゃーびょう 65人 たかやすどうみゃくえん 57人 かすいたいせいせいちょうほるもんぶんぴこうしんしょう 54人 じこめんえきせいかんえん 51人 あくせいかんせつりうまち 47人 だいのうひしつきていかくへんせいしょう 42人 けっせつせいたはつどうみゃくえん 41人 まんせいけっせんそくせんせいはいこうけつあつしょう 41人 てんぽうそう 40人 ひだいがたしんきんしょう 40人 はいどうみょくせいはいこうけつあつしょう 39人 まんせいえんしょうせいだつずいせいたはつしんけいえん、たそうせいうんどうにゅーろぱちー 38人 きょうちょくせいせきついえん 36人 ぜんしんせいあみろいどーしす 35人 せいじんすちるびょう 34人 しんけいせんいしゅしょう 33人 かすいたいせいえいでぃーえいちぶんぴいじょうしょう 30人 かすいたいせいぴーあーるえるぶんぴこうしんしょう 30人 こうさんきゅうせいふくびくうえん 28人 るいてんぽうそう(こうてんせいひょうひすいほうしょうをふくむ) 25人 あいじーじーよんかんれんしっかん 23人 のうほうせいかんせん(はんぱつがた) 21人 たはつけっかんえんせいにくげしゅしょう 21人 こうさんきゅうせいたはつけっかんえんせいにくげしゅしょう 21人 はんちんとんびょう 18人 げんぱつせいめんえきふぜんしょうこうぐん 16人 らいそぞーむびょう 14人 こうはんせきちゅうかんきょうさくしょう 14人 せんてんせいふくじんひしつこうそけっそんしょう 14人 みとこんどりあびょう 13人 きゅうせきずいせいきんいしゅくしょう 12人 きゅうそくしんこうせいしきゅうたいじんえん 11人 その他 217人 合計 8750人 (3)高次脳機能障害者 ○ 高次脳機能障害は、交通事故や脳血管疾患等による脳の損傷により、記憶障害や注意障害などが生じ、社会生活への適応が難しくなる障害であり、平成17年度に診断基準が示されました。 ○ 高次脳機能障害実態調査によると、身体障害者手帳を所持している人が29.1%、ようかいご認定を受けている人が70.9%となっています。  ○ 高次脳機能障害のある人は、外見から障害が分かりにくいことから、既存の制度体系の中では、訓練や生活支援などの必要なサービスにつながりにくいという課題があります。 ◇高次脳機能障害者の障害者手帳所持の状況 身体障害者手帳保持者 平成25年度 157人、平成30年度 110人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 27.8%、平成25年度に比べ、平成30年度は47人減り、減少率は29.9%。 療育手帳保持者 平成25年度 0人、平成30年度 2人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 0.5%、平成25年度に比べ、平成30年度は2人増える。 精神障害者保健福祉手帳保持者 平成25年度 12人、平成30年度 8人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 2.0%、平成25年度に比べ、平成30年度は4人減り、減少率は33.3%。 身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳保持者 平成25年度 1人、平成30年度 5人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 1.3%、平成25年度に比べ、平成30年度は4人増え、増加率は400.0%。 手帳を持たないかた 平成25年度 261人、平成30年度 237人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 60.0%、平成25年度に比べ、平成30年度は24人減り、減少率は9.2%。 障害者手帳の所持が不明なかた 平成25年度 21人、平成30年度 33人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 8.4%、平成25年度に比べ、平成30年度は12人増え、増加率は57.1%。 合計 平成25年度 452人、平成30年度 395人、平成25年度に比べ、平成30年度は57人減り、減少率は12.6%。 ◇高次脳機能障害者のようかいご認定及び障害支援区分認定を受けている割合 これは、平成30年7月から10月までの間に、高次脳機能障害相談・支援センターが実施した高次脳機能障害実態調査の結果です。 県内の医療機関、介護保険施設、障害者施設等のうち、リハビリテーションを実施している施設に通院(通所)または入院(入所)しているかたを対象に、郵送による自記式または作業療法士、理学療法士等リハビリテーション専門職に記載を依頼したものです。 ようかいごの認定を受けているかた 平成25年度 304人、平成30年度 278人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 70.4%、平成25年度に比べ、平成30年度は26人減り、減少率は8.6%。 障害支援区分の認定を受けているかた 平成25年度 22人、平成30年度 9人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 2.3%、平成25年度に比べ、平成30年度は13人減り、減少率は59.1%。 ようかいごの認定と障害支援区分の認定を受けているかた 平成25年度 1人、平成30年度 2人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 0.5%、平成25年度に比べ、平成30年度は1人増え、増加率は100.0%。 ようかいごの認定も障害支援区分の認定も受けていないかた 平成25年度 125人、平成30年度 106人、高次脳機能障害者総数に占める構成比 26.8%、平成25年度に比べ、平成30年度は19人減り、減少率は15.2%。 合計 平成25年度 452人、平成30年度 395人、平成25年度に比べ、平成30年度は57人減り、減少率は12.6%。 第2章 障害者プラン2014の進捗状況 ○ 平成29年度末の施設入所者数は1618人となっており、平成25年度末時点からほぼ横ばいとなっています。また、平成26年4月から平成29年度末までに、グループホームや自宅等の地域生活に移行した者の数は49人となっており、いずれの項目も達成率は低い状況です。施設入所者の地域移行を促進するよう、取り組んでいく必要があります。 施設入所者数 平成25年度末実績1622人、平成30年度末目標1541人、平成25年度末から81人減、平成29年度末実績1618人、平成25年度末から4人減、達成率4.9%。 地域生活への移行者数 平成30年度末目標172人、平成29年度末実績49人、達成率28.5%。 ○ 平成28年度の精神科病院における新規入院患者の平均退院率は、73.8%で目標ちに対する達成率は100.8%となっています。今後も、引き続き、精神障害のある人を受け入れ可能なグループホーム等を増やすなどして、退院率の向上に努める必要があります。 1年未満入院者の平均退院率 平成25年度実績70.8%、平成30年度目標73.2% 平成28年度実績73.8% 達成率100.8%。 入院後3ヵ月時点の退院率 平成25年度実績53.6%、平成30年度目標64.0% 平成28年度実績60.8% 達成率95.0%。 入院後1年時点の退院率 平成25年度実績83.6%、平成30年度目標91.0% 平成28年度実績90.4% 達成率99.3%。 長期在院者数 平成25年度実績2192人、平成30年度目標1889人、平成25年度から303人減 平成28年度実績1921人、平成25年度から271人減 達成率89.4%。 ○ 就労移行支援事業の利用者数は減少していますが、平成29年度末の福祉施設から一般就労への移行者数は144人となっており、福祉施設全体の中から、障害のある人の一般就労が進んでいることが分かります。 福祉施設から一般就労への移行者数 平成25年度末実績82人、平成30年度末目標127人 平成29年度末実績144人 達成率113.4%。 就労移行支援事業の利用者数 平成25年度末実績258人、平成30年度末目標451人 平成29年度末実績208人 達成率46.1%。 就労移行支援事業所のうち、就労移行率が3割以上の事業所の割合 平成25年度末実績12.9%、平成30年度末目標30.0% 平成28年度末実績32.3% 達成率107.7%。 ○ 手話通訳者登録数、県障害者スポーツ大会参加者数は、平成30年度末目標に対する達成率は低い状況であり、今後も継続した取り組みが必要です。 障害者スポーツ指導員養成者数 平成25年度末実績444人、平成30年度末目標550人、平成29年度末実績519人、達成率94.4%。 身体障害者補助けん延べ給付とうすう(盲導犬等) 平成25年度末実績74とう、平成30年度末目標86とう、平成29年度末実績81とう、達成率94.2%。 手話通訳者登録数 平成25年度末実績90人、平成30年度目標115人、平成29年度末実績93人、達成率80.9%。 県障害者スポーツ大会参加者数 平成25年度末実績1104人、平成30年度末目標1300人、平成29年度末実績1131人、達成率87.0%。 相談支援専門員従事者数 平成25年度末実績103人、平成30年度末目標160人、平成29年度末実績183人、達成率114.4%。 難病ボランティア登録数 平成25年度末実績24人、平成30年度末目標50人、平成29年度末実績56人、達成率112.0%。 公益的建築物のバリアフリー化率 平成25年度末実績59.4%、平成30年度末目標70.0%、平成29年度末実績66.6%、達成率95.1%。 ほしゃ分離、高齢者感応、歩行者感応、視覚障害者付加装置、音響式視覚障害者誘導装置、LEDとうきを交通環境に応じて整備した信号機など、障害者に配慮した信号機の整備率 平成25年度末実績46.5%、平成30年度末目標60.0%、平成29年度末実績52.6%、達成率87.7%。 ○ 平成29年度末のグループホームの月間利用者数は1195人となっており、平成30年度末の見込量に対し、95.7%に達しています。 ○ 平成29年度末の日中活動系サービス(※)の月間利用者数は6708人となっており、平成30年度末の見込量に対し、97.0%に達しています。 ※日中活動系サービス…生活介護、自立(機能・生活)訓練、就労移行支援、就労継続支援Aがた、就労継続支援Bがた ○ 平成29年度末のホームヘルプサービス(※)の月間利用者数は1311人となっており、平成30年度末の見込量に対し、92.7%に達しています。 ※ホームヘルプサービス…居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援 第3部 施策の推進方策 第1章 新たなプランの基本的視点と体系 1 基本的視点 (1)障害者の自立と社会参加の促進 ○ 「障害者基本法」と「障害者差別解消法」の目的であり、本プランの基本目標である「共生社会の実現」のためには、社会全体が障害及び障害のある人を正しく理解し、障害のある人もない人も相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会となるように、障害のある人の自立と社会参加を促進することが重要です。 ○ 障害のある人の自立と社会参加の促進にあたっては、障害を理由とした差別を解消し、「障害及び障害のある人に対する正しい理解」を深めること、生きがいにつながる社会参加としての「スポーツ・文化活動の促進」、社会参加を支援する「ボランティア、NPOへの支援」、自立への基盤を作る「教育の推進」が求められています。 (2)能力や適性を生かせる環境の整備 ○ 本プランの基本目標である「能力・適性が発揮できる社会の実現」のためには、障害のある人の特性に応じて能力が十分に発揮できる環境を整備し、障害のある人が地域で自立して暮らすことができるようにすることが重要です。 ○ 障害のある人が地域で自立して暮らすために、働く意欲のある障害のある人が、就労により収入を得ることができる「働く場の確保と生活の安定」が必要となってきます。 (3)障害福祉サービス等の充実 ○ 「障害者総合支援法」の目的であり、本プランの基本目標である「支援体制の整備」を実現するためには、障害のある人が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活または社会生活を営むことができるよう、障害福祉サービス等を充実することが重要です。 ○ 障害福祉サービス等の充実にあたっては、障害のある人が自ら選んだ地域で安心して生活することができるように、「保健・医療サービス」や「リハビリテーション」の充実とともに、「介護・外出支援」、「日中活動支援」や「生活環境」の充実が必要です。 また、障害のある人がより良いサービスを選択し、利用することができるよう「相談支援体制」を充実させるとともに、「障害福祉サービス等の質の向上」が必要となってきています。 (4)安全で安心して住みやすいまちづくり ○ 安全で安心して住みやすいまちづくりは、障害の有無や年齢に関わらず、全ての人に共通するテーマです。 ○ 障害のある人の社会参加活動を制約している社会的障壁を取り除く「バリアフリー社会環境の整備」や、障害のある人が地域で安全に安心して生活ができるように「防災・防犯対策」に取り組むことが必要となってきます。 2 施策体系 1 障害者の自立と社会参加の促進 (1) 障害に対する理解の促進 1) 広報・啓発の推進 2) 差別の解消、権利擁護の推進および虐待防止 3) 福祉教育の充実と交流活動の推進 (2) スポーツ・文化活動の促進 1) 障害者スポーツの振興とレクリエーション活動の充実 2) 芸術文化活動の推進 (3) ボランティア、NPOへの支援 1) ボランティアの養成と活動支援 2) NPO活動への総合的支援 (4) 教育の推進 1) 適切な就学支援と教育相談の充実 2) 教育(指導)内容と環境の整備 2 能力や適性を生かせる環境の整備 働く場の確保と生活の安定 1) 雇用の確保 2) 就労相談・支援の充実 3) 就労の場の整備と雇用、福祉、教育の連携強化 4) 職業能力の開発 5) 年金制度等 3 障害福祉サービス等の充実 (1) 保健・医療サービス等の充実 1) 障害の予防と早期発見、早期治療等 2) 障害に応じた療育の推進 3) 障害者に対する各種医療の確保 (2) リハビリテーションの充実 1) リハビリテーション提供体制の充実 2) 地域リハビリテーションの推進 3) 福祉用具の普及と支援体制の充実 4) 精神障害に対応した支援体制の充実 (3) 相談支援体制の充実 1) 地域における相談支援体制の充実 2) 発達障害、難病、高次脳機能障害等に対する専門的相談支援体制の充実 (4) 介護、外出支援等の充実 1) ホームヘルプ(居宅介護)等の充実 2) 外出支援等の充実 (5) 日中活動支援の充実 日中活動支援の充実 (6) 生活環境の充実 生活環境の充実 (7) 従事する人材の育成と障害福祉サービス等の質の向上 1) 障害福祉サービスの人材の育成・確保 2) 情報公表の推進と障害福祉サービス等の質の向上 3) 虐待の防止 4 安全で安心して住みやすいまちづくり (1) バリアフリー社会環境の整備 1) 公益的施設等の整備 2) 移動しやすい環境の整備 3) 住宅環境の整備 4) 情報バリアフリーと意思疎通支援の充実 5) ユニバーサルデザインに基づいた環境整備 (2) 防災・防犯対策 1) 防災対策の充実 2) 防犯対策の充実 3) 消費者トラブルの防止 第2章 施策の推進方策 1 障害者の自立と社会参加の促進 (1)障害に対する理解の促進 1)広報・啓発の推進 現状と課題 ○ 平成26年1月、国が締結した「障害者の権利に関する条約」(障害者権利条約)は、障害のある人に関する初めての国際条約であり、障害のある人の人権と基本的自由の享有を確保し、障害のある人の固有の尊厳の尊重を促進するための取り組みを締結こくに求めています。 ○ 平成28年4月に施行された「障害者差別解消法」は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することを目的としています。 ○ 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、障害者施策に対する意識の醸成が図られるとともに、共生社会に対する理解促進とその実現の重要性について、多くの人々が共有することが期待されています。 ○ 平成29年版の「障害者白書」では、平成28年7月に発生した神奈川県相模原市の障害者支援施設での殺傷事件を受けて、「共生社会の実現とそのための国民の理解促進の重要性が改めて認識されたものと考えられる。」として、共生社会の実現に向けた様々な啓発等の取り組みを着実に展開していくことが求められています。 ○ アンケート調査では、障害に対する周囲の理解について、前回調査(平成23年1月実施)と比較して全体として理解が進んでいるものの、障害を理由として差別されたことがあるとの回答も多数あり、障害や障害のある人への理解について、さらなる広報・啓発を進めていくことが必要です。 施策の推進方策 ○ 「障害者週間」、「障害者雇用支援月間」、「精神保健福祉普及運動週間」、「発達障害啓発週間」、「人権週間」などを通じ、障害及び障害のある人に対する正しい理解を深め、共生社会の実現に向けて、啓発・普及活動などに取り組みます。 ○ 障害者ふれあいフェスティバルや障害者スポーツに関するイベント等を通じ、障害のある人とない人がふれあう場を提供し、障害及び障害のある人に対する県民の理解の促進に努めます。 ○ 援助や配慮を必要としていることが外見からは分かりにくい人が、援助や配慮を必要としていることを周囲に知らせる「ヘルプマーク」を本県においても配布し、様々な場所で援助や配慮を得られるよう、認知度の向上と普及啓発に取り組みます。また、ヘルプカードの周知に努めます。 ○ 外見からは分かりにくい障害や理解されにくい障害など、その障害特性や必要な合理的配慮について、リーフレットや県政出前講座などを活用して、県民の理解の促進に努めます。 <<主要事業>> 障害者ふれあいフェスティバル 障害のある人とない人がふれあう機会を設け、障害のある人の社会・経済・文化活動等への参加意欲の向上と、県民の障害に対する理解を高めるため、障害者ふれあいフェスティバルを開催する。 身体障害者福祉大会の開催 障害者週間において、身体障害者福祉の充実と身体障害のある人に対する理解を深めるため、身体障害者福祉大会を開催する。 精神保健福祉普及運動週間 精神障害のある人の早期治療とその社会復帰、自立と社会参加を促進するため、広く県民に対し、精神障害を理解するための普及・啓発を行う。 ヘルプマーク普及推進事業 外見からは援助や配慮を必要とすることが分かりにくいかた等に対して、カバンに付ける等により周囲の支援を促す「ヘルプマーク」を配布するとともに、リーフレット等を作成し広く県民への周知を行い、生活の様々な場面で必要な支援を得られる環境を整備する。 2)差別の解消、権利擁護の推進及び虐待防止 現状と課題 ○ 平成28年4月に施行された「障害者差別解消法」は、社会のあらゆる場面において障害を理由とする差別の解消を進めるため、行政機関や事業者が講ずべき義務等を規定していますが、法律の周知度は低く、継続的な普及啓発の取り組みが必要です。 ○ 障害のある人に対する虐待の未然防止や早期発見・早期解決を図るために平成24年10月に施行された「障害者虐待防止法」は、法律の周知と理解が進んでいるものの、通報件数は増えており、困難事例に対応するための関係機関の連携と支援体制の整備が必要です。 ○ 知的障害や精神障害のある人など判断能力が十分ではない人へ、福祉サービスの利用や日常的金銭管理を行うための支援、自己決定を尊重する観点からの意思決定支援、成年後見制度の適切な利用など、障害のある人の権利擁護のための取り組みを着実に推進することが必要です。 ○ 障害福祉サービスに対する苦情については、障害のある人が弱い立場に立たされることのないように権利と人権の擁護に配慮し、第三者的立場から中立かつ公正に処理することが必要です。 施策の推進方策 ○ 「石川県障害者権利擁護サポートデスク」(県障害保健福祉課内に設置)において、通報・相談を受け付ける専門職員を配置し、障害者差別解消法や障害者虐待防止法に基づく相談業務を行うほか、法律の普及啓発活動を行います。 ○ 障害者差別解消法は、県の役割として、啓発活動や相談体制の整備など差別解消に向けた施策を実施することを求めていますが、本県独自の条例制定により、差別解消についての県民の理解を深め、差別解消をさらに推進するための施策に取り組みます。 ○ 虐待の未然防止、権利擁護の向上を図るため、市町職員や障害福祉サービス事業所の従業者等に対して障害者虐待防止・権利擁護研修を実施します。 ○ 解決困難な虐待事案に対応するため、弁護士や社会福祉士などで構成する虐待対応専門職チームへの相談や市町への派遣により、専門的な見地からの適切な支援につなげます。 ○ 知的障害、精神障害により判断能力が十分でない人の権利利益を適切かつ確実に保護するために、成年後見制度を活用することが重要であり、制度の利用促進に努めます。 ○ 市町社会福祉協議会など福祉サービス利用支援事業の相談を行う人への研修会を開催し、円滑な事業の推進に努めます。 ○ 利用者と障害福祉サービス事業者等の適正な契約の締結を進めるとともに、事業者自らの苦情受付窓口の設置等、苦情処理体制の整備・確立を引き続き進めます。 <<主要事業>> 障害者差別解消推進事業 平成28年4月に施行された障害者差別解消法に基づき、差別解消のための必要な体制を整備するとともに、普及啓発を推進する。 障害者虐待防止対策事業 障害のある人の虐待の防止や早期発見、早期対応を図るため以下の取り組みを実施する。 ・虐待防止・権利擁護研修の実施 ・障害者虐待対応専門職チームの配置 ・障害者権利擁護サポートデスクの設置 等 福祉サービス利用支援事業 知的障害や精神障害のある人等で判断能力が不十分な者に対し、適切な福祉サービスの利用や日常生活上の金銭管理を支援するため、市町社会福祉協議会に生活支援専門員・生活支援員を配置するとともに、研修会を実施する。 3)福祉教育の充実と交流活動の推進 現状と課題 ○ 障害者権利条約では、インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)の整備を求めており、障害の有無に関わらず共に教育を受けられる環境整備を進めるとともに、学校における教育活動を通して共生社会の実現を図る必要があります。 ○ 障害のある人とない人が地域社会の中で共に支え合いながら生活するノーマライゼーションの理念が進むなかで、障害のある人の自立や社会参加の意識も高まっています。こうした中、障害のある人に対する誤解や偏見をなくし、社会的障壁の解消に向けて取り組んでいくことが必要です。 ○ このため、日常生活の中で障害のある人とない人が相互にふれあう機会を持つとともに、学校教育においては、ボランティア活動をはじめ、継続的な交流及び共同学習を行うことによって、相互の理解を深める教育を推進することが必要です。 施策の推進方策 ○ 特別支援学校において、学校見学や文化祭などの行事を通して地域社会に開かれた学校づくりに取り組むとともに、学校間や地域の人々との交流及び共同学習を拡充し、豊かな教育活動を推進します。 ○ 介護・福祉の仕事に理解を深めてもらうための親子バスツアーの実施、学校等に介護・福祉の仕事の魅力伝道師を派遣し、福祉の仕事の重要性ややりがいを伝える事業などを通じて、児童生徒の福祉の理解を推進します。 ○ 児童生徒が障害のある人への理解を深めるため、学校においては、各教科、道徳の時間をはじめ、学校の教育活動全体を通してインクルーシブ教育の推進に努めます。 ○ 障害者ふれあいフェスティバルにおけるステージ発表や作品展の開催、障害者スポーツに関するイベント等を通じ、障害のある人とない人がふれあう場を提供し、障害及び障害のある人に対し、県民の理解の促進に努めます。 ○ 県民が参加する研修や県政出前講座を通じて、障害のある人や障害特性、障害者福祉について理解を深める取り組みを進めます。 <<主要事業>> ふれあい交流活動推進事業 特別支援学校と地域の人々や小中学校等との交流及び共同学習を実施し、相互理解を深めるとともに、石川県特別支援学校ホッと・アーッと展を開催する。 介護・福祉のおしごと親子体験バスツアー 小学生やその保護者の方が、介護・福祉の仕事を身近に感じ、介護・福祉の仕事に関心を持っていただくことを目的に、小学生の親子を対象としたバスツアーを開催する。 介護・福祉の仕事の魅力伝道師派遣事業 介護・福祉の仕事への情熱にあふれ職務経験豊富な方を魅力伝道師として委嘱し、高校等に派遣して介護・福祉の仕事の重要性ややりがいなどの魅力を伝える。 県政出前講座 地域の会合やグループの学習会など場に、職員を派遣し、県政に関する多彩な分野の中から、希望のテーマについて講座を実施する。 (2)スポーツ・文化活動の促進 1)障害者スポーツの振興とレクリエーション活動の充実 現状と課題 ○ 障害のある人が、平素からスポーツやレクリエーション活動に参加することは、健康・生きがいづくりの観点から大切なことです。 ○ 国際的にはパラリンピック競技大会、デフリンピック競技大会、スペシャルオリンピックス世界大会等が開催されており、ブラジルで開催された2016年リオデジャネイロ・パラリンピック競技大会における日本選手団の活躍により、ボッチャなどの障害者スポーツの認知度が高まり、2020年東京パラリンピック競技大会に向けての機運が高まっています。 ○ 国においては、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等を背景として、平成27年10月にスポーツ庁を創設し、障害者スポーツを含めたスポーツに関連する施策を総合的に推進しています。 ○ 本県の障害者スポーツの振興については、障害のある人の自立や社会参加の促進の観点から、障害者スポーツの裾野の拡大に引き続き取り組むとともに、障害者アスリートの競技力の向上にも取り組んでいます。 ○ 今後も、障害のある人が利用しやすいスポーツ施設の整備に努め、障害者スポーツの振興を図ることが必要です。また、スポーツや障害のある人向けのレクリエーションの普及、促進を図るため、指導者の養成や組織づくりなどに力を入れることが必要です。 施策の推進方策 ○ 障害者スポーツの振興を図るため、障害のある人が利用しやすいスポーツ施設の整備や身近な地域でスポーツを楽しむことのできる環境の整備に努めます。 ○ 県障害者スポーツ協会をはじめとした関係団体と連携し、障害者スポーツ教室やフォーラム等を開催することにより、県民に障害者スポーツの楽しさ、魅力を知ってもらうとともに、障害のある人のスポーツ活動の裾野拡大を図ります。 ○ また、多くの障害のある人がスポーツ競技に参加し、記録をきそい、交流を深めるばとして、障害者スポーツ大会を開催するほか、県大会の成績優秀者を全国障害者スポーツ大会に県代表選手として派遣します。 ○ 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の事前合宿誘致により、パラリンピアンと県民の交流機会を創出し、本県における障害者スポーツの裾野拡大と競技力向上を図ります。 ○ 障害のある人のレクリエーション活動や、スポーツ活動の振興を図るため、レクリエーション団体、障害者スポーツ関係団体、障害者団体、施設等の協力を得て、障害者向けのレクリエーションやスポーツを指導する人材の養成に努めます。 ○ 「いしかわスポーツ・レクリエーション交流大会」や「太陽と緑に親しむけんみん祭(体力づくり県民大会)」は、県民がスポーツ・レクリエーション活動を楽しみ、交流を深める機会であり、障害のある人の参加を促進するよう、普及啓発や配慮に努めます。 <<主要事業>> 石川県障害者スポーツ大会開催事業 障害のある人が、競技等を通じて、スポーツの楽しさを体験し、機能の回復と体力の維持増強を図るため、石川県障害者スポーツ大会を開催する。 全国障害者スポーツ大会選手派遣事業 障害のある選手が競技等を通じてスポーツの楽しさを体験するとともに、障害に対する国民の理解を深め、障害のある人の社会参加を推進することを目的とした全国障害者スポーツ大会に石川県選手団を派遣する。 障害者スポーツ普及促進事業 障害者スポーツの普及促進のため、スポーツの楽しさや魅力を伝える障害者スポーツフォーラムを開催するほか、障害のある人でも手軽に楽しめるニュースポーツや各種スポーツ教室の開催、指導員の養成などを行う。 いしかわスポーツ・レクリエーション交流大会の開催 広く県民がスポーツ・レクリエーション活動を楽しみ、その活動を通じて交流を深めるとともに、スポーツ・レクリエーション活動の輪を広げ、明るく生き生きとした県民生活の一層の充実に資する。 2)文化芸術活動の推進 現状と課題 ○ 平成30年6月に成立・施行された「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」は、文化芸術が障害の有無に関わらず、人々の心に豊かさや相互理解をもたらすものであることを鑑み、障害のある人による文化芸術活動を総合的かつ計画的に推進し、文化芸術活動を通じて、障害のある人の個性と能力の発揮及び社会参加の促進を図ることとしています。 ○ また、地域の特性に応じた文化芸術活動を推進するために、国が定める基本計画に基づいて、地方公共団体における計画を定めるよう努めなければならないと規定しています。 ○ 平成27年4月に施行された「いしかわ文化振興条例」は、障害のある人の文化活動の充実を図るため、障害のある人が文化活動を活発に行うことができるような環境の整備その他の必要な施策を講ずることとしています。 ○ オリンピック・パラリンピックは「文化の祭典」とも言われ、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、地域性豊かで多様性に富みレガシーの創出につながる文化プログラムを全国で実施していくこととしています。 ○ アンケート調査では、半数以上の人が過去1年間に文化芸術活動をしたことがないと回答しています。障害のある人が生活にうるおいを持つためにも、文化芸術を体験・発表する場や鑑賞する機会を幅広く提供する取り組みが必要です。 施策の推進方策 ○ 障害者ふれあいフェスティバルでの、障害のある人の絵画や書、手芸などの作品展示、ステージでのダンスや演奏の発表など障害のある人の作品や演劇等の文化活動の発表の機会を増やすとともに、施設における文化芸術活動を支援する事業を推進します。 ○ 障害のある人の芸術作品創作活動・音楽鑑賞等を支援します。 ○ 地域の文化的なしょぎょうじや文化活動に関する情報を、障害のある人に幅広く提供するように努めます。 ○ 国が定める基本計画に基づいて、本県において、障害のある人による文化芸術活動を推進するために、県の特長、地域性を活かした計画を策定し、文化芸術の振興に取り組むこととします。 <<主要事業>> 障害者文化芸術活動支援事業 障害のある人の自己表現による社会参加支援のため、文化芸術活動を取り入れることに関心のある施設が相互に相談や情報交換をできる体制を整備するとともに、発表機会の拡充のため展示会を開催する。 ふれ愛の文化推進事業 文化事業のソフト面におけるバリアフリー化を推進するため、障害のある人を含め広く県民に、石川の文化にふれる機会を提供する。 (3)ボランティア、NPOへの支援 1)ボランティアの養成と活動支援 現状と課題 ○ 障害のある人が地域でいきいきと生活するためには、地域の人々とのふれあいやボランティアによる支援が大切です。このため、地域の人々が福祉の行事やボランティア活動に気軽に参加できる体制を整備するとともに、ボランティア活動を積極的に支援することが必要です。 ○ 県では、点訳ボランティア、音訳ボランティア等の養成を行うとともに、県社会福祉協議会にボランティアコーディネーターを配置し、市町ボランティアセンター事業への支援を行っています。 ○ また、県民ボランティアセンターでは、ボランティア関係の情報提供や、ボランティア活動保険掛金助成等の事業を通じて、県民がボランティア活動に、より参加しやすい環境づくりを推進しています。 ○ 特に、障害のある人への理解を深めるためには、子どもの頃からボランティア活動の体験や、障害のある人との交流を推進することが大切です。 施策の推進方策 ○ こうえきざいだんほうじん石川県県民ボランティアセンターを活用し、県民に対するボランティア活動に関する相談や情報提供などの取り組みを推進します。 ○ 市町と協力し、精神障害のある人の社会復帰活動を援助するボランティア活動の支援に努めます。 ○ 企業・学生・地域団体に対して、地域支え合い活動に関する知識等の習得を目的とした出前講座等を実施し、福祉ボランティアの確保を図ります。 ○ 学校教育における特別活動等において、じったいけんを通してボランティア活動への理解を深めるとともに、学校の授業以外においても、福祉ボランティア体験を行うことや、障害のある人との交流を推進します。 ○ 障害者ふれあいフェスティバルや障害者スポーツに関するイベント等におけるボランティア活動を促進します。 <<主要事業>> 福祉ボランティアセンター事業 福祉ボランティア活動の活性化を図るため、県社会福祉協議会内ボランティアセンターにおいて、市町社会福祉協議会やボランティア団体に対するコーディネート等の支援を実施する。 ボランティア活動保険料の掛金助成 県民がボランティア活動に、より参加しやすい環境づくりを推進するため、保険料の掛金助成を実施する。 2)NPO活動への総合的支援 現状と課題 ○ NPO法人は、相談事業や在宅福祉サービス等の第二種社会福祉事業を行うなど、地域福祉の重要な担い手となっています。 ○ その他、バリアフリーまちづくり、精神障害のある人の地域生活支援、盲導犬の育成普及、障害者スポーツの振興、バリアフリーツアーの企画など、様々な分野において、障害のある人のニーズに寄り添った活動を担うことで、地域福祉全体の向上に貢献しています。 ○ 平成30年12月時点で、保健・医療または福祉の増進を図る活動分野におけるNPO法人の数は143団体となっています。 ○ 地域における障害福祉サービスの一層の充実を図るため、これらの事業を実施しようとするNPO活動への支援が必要です。 施策の推進方策 ○ 障害者福祉を担うサービスを実施しようとするNPO法人に対し、石川県NPO活動支援センター「あいむ」において、法人の設立や、事業の運営に対する相談などの支援を行うとともに、NPO法人が安定した運営を持続できるよう、情報提供や指導・助言、研修の機会の充実等に努めます。 ○ NPO法人と行政、企業等の協働を推進します。 (4)教育の推進 1)適切な就学支援と教育相談の充実 現状と課題 ○ 子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育支援のためには、乳幼児期を含め早期からの教育相談や就学相談を行うことにより、本人・保護者に十分な情報を提供するとともに、幼稚園等において、保護者を含め関係者が教育的ニーズと必要な支援について共通理解を深めることにより、保護者の障害受容につなげ、その後の円滑な支援につなげていくことが重要です。 ○ 平成25年9月の学校教育法施行令の一部改正により、障害のある児童生徒の就学先を決定する仕組みが改められ、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見などを踏まえて、総合的な観点から就学先を決定する仕組みとなったことから、より一層、適切な就学が行われるよう相談・支援体制の充実が求められます。 ○ 障害のある幼児・児童・生徒のライフステージ全体を見通して、一貫性のある支援を行っていくため、教育、保健、医療、福祉などの関係機関が、一層連携を深めて対応していく必要があります。 ○ 教育支援委員会は、適切な就学に向けて指導・助言・支援を行っており、就学後についても引き続きその支援等を行うことが求められています。 施策の推進方策 ○ 特別支援学校において、保護者のニーズに応じて早期からの相談・支援を充実します。 ○ 教育、保健、医療、福祉などの関係機関が一体となって、乳幼児期から学校卒業まで、一貫した相談と支援を行う体制を整備・充実します。 ○ 障害のある子どもたちがその能力・特性に応じた教育が受けられるよう、市町の就学支援の適切な指導・助言に努めるとともに、障害のある子どもに対する教育支援連絡協議会の開催や巡回教育相談の実施等により、市町における早期からの教育相談や就学支援の充実を図ります。 ○ 就学指導担当者の資質の向上を図るため、教育支援連絡協議会を開催するとともに、学校教育法施行令の趣旨及び内容等の周知を図り、就学に関わる必要な指導・助言に努めます。 ○ 市町教育支援委員会は、障害者基本法の規定を踏まえ、障害の状態、本人の教育的ニーズを把握するとともに、本人・保護者及び専門家の意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から、障害のある子ども一人ひとりの適切な就学先の決定に努めます。 ○ 市町教育委員会は福祉、医療等の関係機関と連携を図りながら、就学前の早期からの相談支援体制を整備し、個別の教育支援計画等を活用した継続的な支援をとおして適切な就学に努めます。 <<主要事業>> 障害のある子の早期教育相談室の開設 特別支援学校に幼児教育相談室を開設し、就学前の保護者のニーズに応じた早期からの相談・支援を実施する。 巡回教育・就学相談 障害のある、またはその疑いのある子どもの保護者を対象とした巡回教育・就学相談を県内13会場で実施する。 2)教育(指導)内容と環境の整備 現状と課題 ○ 障害者基本法や障害者権利条約を踏まえ、障害のある子どもない子どもが可能な限り、共に活動し、共に学ぶことを追求するとともに、障害のある子どもたちがその能力や特性に応じた指導・支援を受けられる「多様な学びの場」を用意するインクルーシブ教育の推進が求められています。 ○ 近年、特別支援教育対象の児童生徒数は増加傾向にあり、これまで以上に、障害のある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに対応した適切な支援が求められています。このため、きめ細かな質の高い指導・支援の充実と個別の教育支援計画等を効果的に活用した連続性のある一貫した教育支援体制の整備が必要となっています。 ○ 特別支援学校においては、地域の専門家との連携やアイシーティー等を活用した授業改善など、学校全体の専門性の向上と地域の特別支援教育のセンター的機能の一層の強化が求められています。 ○ 通常の学級においても、発達障害をはじめ、広い範囲で学習面や行動面、対人関係などに困難さがあるため、特別な教育的支援が必要であると判断された児童生徒は、平成27年度本県小中学校には3.4%在籍しているとの調査結果もあり、適切な指導・支援が必要となっています。 ○ 障害のある生徒の能力や適性に応じた進路実現を図るための、就労支援が求められています。 ○ 平成28年6月の児童福祉法の改正により、医療的ケアが必要な子どもが地域において適切な支援を受けられるよう新たに規定されるとともに、平成30年6月には「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議」中間まとめが文部科学省より通知され、医療的ケアの実施体制整備の推進が求められています。 施策の推進方策 ○ 将来の共に支え合う共生社会の実現に向けて、全ての学校・教員の適切な障害者理解を基盤として、児童生徒の相互理解や豊かな人間性を育むため、障害のある子どもとない子どもが共に活動し、共に学び合う交流及び共同学習などを積極的に行っていきます。 ○ 障害のある子どもとない子どもが、それぞれに授業内容が分かり、学ぶ喜びや充実感を実感できるよう、視覚教材の活用や授業内容のスケジュールを示すなどの授業のユニバーサルデザイン化を推進するとともに、障害のある子ども一人ひとりの合理的配慮の提供を行います。 ○ 特別支援学校においては、障害のある子ども一人ひとりの将来の自立と社会参加を目指し、地域の医療・福祉機関等と連携した個別の教育支援計画を作成・活用し、小学部から高等部までの連続性のある一貫教育を実施します。 ○ 小中学校において、発達障害など通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする子どもに対し、適切な指導支援が実施されるよう、校内委員会の活性化を図るとともに専門相談員の派遣や専門家チームの設置、通級指導教室の開設など支援の充実に努めます。 ○ 特別支援教育に関する研修の体系化を図る中で、研修を充実させ、指導の専門性を高めます。 ○ 特別支援学校高等部においては、地域のハローワーク及び協力企業との連携・協力のもとに、生徒の可能性を伸ばす新たな職種と職場実習先の開拓に取り組むとともに、一般就労を目指す生徒に対して、技能の向上と定着を図る作業能力技能検定を実施するなど、職業教育の充実と一般就労率の向上に努めます。 ○ 医療的ケアが必要な幼児・児童・生徒が、障害等の状況や教育的ニーズに応じた教育が受けられるよう、看護師を配置するなど、特別支援学校における医療的ケアの実施体制整備に努めます。 <<主要事業>> 特別支援教育体制整備推進事業 発達障害を含む障害のある幼児・児童・生徒を支援するため、小中学校等の要請を受けて、特別支援学校の専門相談員を派遣するとともに、専門家チームを設置する。 生徒指導・発達障害サポートチーム派遣事業 県立高校からの要請に応じて、生徒指導・発達障害サポートチームを派遣し、学校を支援するとともに、発達障害アドバイザーが定期的に学校を訪問し、相談・支援を行う。 障害のある生徒のインターンシップ促進事業 特別支援学校の進路指導の充実を図るため、地域の企業・関係機関と連携した雇用促進セミナーや職場実習を実施するとともに、就労サポーター及び外部講師を派遣する。 重度重複支援事業 日常的に医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍する特別支援学校に看護師を配置する。 いしかわばん特別支援学校技能検定事業 清掃等の作業能力技能検定を実施することにより、特別支援学校高等部生徒の就労への意欲や技能向上・定着を目指し、更なる職業能力の育成を図る。 2 能力や適性を生かせる環境の整備 ○ 働く場の確保と生活の安定 1)雇用の確保 現状と課題 ○ 平成28年4月、改正された「障害者の雇用の促進等に関する法律」の施行により、雇用の分野において障害のある人に対する差別が禁止され、合理的配慮の提供が義務となりました。 ○ また、平成30年4月から、障害者雇用義務の対象に、新たに精神障害のある人が追加され、民間企業の法定雇用率は2.0%から2.2%に引き上げられました。(2021年4月までには2.3%に引き上げになる予定) ○ 平成29年6月現在、県内の民間企業では、3437人の障害のある人が雇用されています。県内の民間企業における障害のある人のじつ雇用率は、いちてんきゅうはち%であり、調査時点の法定雇用率を下回っている状況となっています。 ○ ハローワークや障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなど地域の関係機関と密接に連携しながら、障害のある人の雇用拡大に向けた取り組みを強化することが必要です。 ○ 県の障害者雇用において、対象障害者の確認・計上方法に誤りがあり、法定雇用率を達成していない状況であったことが明らかとなりました。 施策の推進方策 ○ 障害のある人を対象とした合同就職面接会の開催等により、就職機会の拡大を図ります。 ○ 障害者職場実習制度、職場適応訓練制度等の活用により、就職率の向上を図ります。 ○ 障害者雇用に積極的な企業等を「いしかわ障害者雇用推進カンパニー」として認定しているほか、障害者雇用優良事業所や優秀勤労障害者を表彰することにより、障害者雇用に関する県民の関心と理解を深め、雇用の拡大と定着につなげます。 ○ 障害者雇用に向けたコンサルタント派遣や障害者雇用支援アドバイザーの配置、セミナー等の開催により、障害者雇用の意識の醸成、普及啓発を図ります。 ○ 県における障害のある人の雇用については、障害の特性に応じて、その能力や適性を生かせるよう職場環境の整備や積極的な採用に努めます。 <<主要事業>> 障害者雇用促進事業 障害者雇用に対する理解促進を図るため、障害のある人を多数雇用した事業所等の表彰、障害のある人を多数雇用している企業を広く周知するためのシンボルマークの交付、障害者雇用に積極的に取り組んでいる企業等の見学会を開催する。 障害者職場実習 障害のある人と事業主の相互理解を深め、障害のある人の雇用促進を図るため、本格的に雇用される前に、実際の職場で1ヶ月以内の実習を行う。 企業における障害者活躍支援事業 障害者雇用の意識の醸成、普及啓発を図るため、業務の切り出し等を助言するコンサルタントの派遣、障害者雇用支援アドバイザーの配置、セミナー等を開催する。 職場適応訓練 障害のある人などの就職困難者に対し、雇用見込みのある事業所で6ヶ月以内の訓練を行い、実際の作業環境に適応しやすくするとともに、事業主に対して理解を深めてもらうことにより、雇用促進を図る。 2)就労相談・支援の充実 現状と課題 ○ 障害のある人の就労相談としては、ハローワークにおいて、職業相談・紹介を行っています。また、障害者職業センターでは、ハローワークと連携しながら、障害のある人の就職あるいは職場適応に必要な能力・課題の評価や障害のある人及び障害のある人を雇用する企業等の相談・支援を行っています。 ○ さらに、障害者就業・生活支援センターにおいて、障害のある人からの就労相談に応じ、ハローワーク等と連携しながら、障害のある人の一般就労への移行を支援しています。 ○ 今後は、ハローワークなど関係機関と連携した就労相談・支援事業を充実していくことが必要です。 ○ 障害者総合支援法の改正により、平成30年度から新たな障害福祉サービスとして「就労定着支援」が創設されました。就労移行支援等の利用を経て一般就労した人を対象に、就労に伴う生活面の課題に対応できるよう、企業や関係機関等との連絡調整や相談等の必要な支援を行うものです。 施策の推進方策 ○ 障害のある人のための就労支援は、求職から定着まで一人ひとりの適性や障害の状態にあわせたきめ細かな支援が必要であることから、就労支援機関の連携を強化します。 ○ 一般の従業員を対象に、精神障害、発達障害について正しく理解し、職場における応援者(精神・発達障害者しごとサポーター)になってもらう養成講座を開催することにより、精神障害や発達障害のある人にとって働きやすい職場環境づくりを推進します。 ○ 県内3カ所にある障害者就業・生活支援センター、ハローワークと難病相談・支援センター等が連携し、障害のある人の就業及び生活に関する指導・助言、職業訓練のあっせんなどを行い、障害のある人の職業生活と地域生活の安定を図ります。 ○ 一般就労した人が安心して職場や地域生活に適応できるよう、新たな障害福祉サービスである「就労定着支援」の整備を促進します。 <<主要事業>> 障害者就業・生活支援センター運営事業 各地域に障害者就業・生活支援センターを設置し、企業等への就労を希望する障害のある人に対し、希望に合った職場探しや職場への定着、就労に伴う日常生活上の相談支援などの一体的な支援を実施する。 3)就労の場の整備と雇用、福祉、教育の連携強化 現状と課題 ○ 就労移行支援事業所、就労継続支援(Aがた・Bがた)事業所といった就労支援事業所では、障害者就業・生活支援センターやハローワーク等と連携しながら、一般就労への移行を支援することが必要です。 ○ アンケート調査では、就労の有無について、身体障害のある人が25.8%、知的障害のある人が46.1%、精神障害のある人が34.1%で働いていると回答しています。前回調査と比較すると、3障害いずれも働いている人の割合が増えており、なかでも精神障害は、19.9%から大きく増加しています。 ○ 一方、いちにちの平均就労時間を尋ねたところ、前回調査と比較して、知的障害、精神障害において、短時間の割合が増えており、就労時間が減少している傾向があります。 ○ 特別支援学校卒業者の進路に関しては、一般就労した生徒は約40%にまで上昇しているものの、引き続き個別の就労に関する課題や適性を把握し、在学中から雇用や福祉と連携した職業教育のさらなる充実を図ることが必要です。 ○ 就労継続支援Aがた事業所は、障害のある人に雇用契約に基づく就労の場を提供するものですが、平成29年の制度改正により、@生産活動に係る事業の収入から必要経費を控除した額に相当する金額が、利用者に支払う賃金の総額以上になること、A賃金を自立支援給付から支払うことを原則として禁止すること、などの見直しが行われました。 ○ 国は、障害のある人の新たな就労の場として農業分野に注目し、厚生労働省と農林水産省が連携して「農福連携」の取り組みを推進しています。 ○ 「石川県障害者就労施設工賃引上げ計画」に基づき、就労継続支援Bがた事業所等の工賃向上に向けた取り組みを進めており、一人あたりの平均工賃月額は、平成29年度実績で16552円となり、全国平均より高い水準にあります。 施策の推進方策 ○ 就労支援事業所、障害者就業・生活支援センター、ハローワーク、障害者職業センター及び特別支援学校との連携を強化します。 ○ 就労継続支援Aがた事業所については、改正後の基準を満たしている県内の事業所は少ない状況であり、今後、経営改善計画の作成など、改善に向けた指導を強化することで、事業の適正化を図ります。 ○ 「石川県障害者就労施設工賃引上げ計画」に基づき、就労継続支援Bがた事業所等で働く方々の工賃向上を図るため、大学や企業等との連携による商品開発・販売促進等への支援、施設が農家から農作業を受託する農福連携事業、高齢者施設から清掃やシーツ交換などの作業を受託する福福連携事業に取り組みます。 <<主要事業>> 地域との連携による授産商品開発事業 就労支援事業所の工賃水準の向上を図るため、施設が行う大学や企業等との連携による商品開発・販売促進等の取組に対し支援する。 農福連携による障害者就労支援事業 障害のある人の就労機会の拡大のため、施設が収穫期等の繁忙期に農家から農作業等を受託する取組のマッチングを支援する。 福福連携による障害者就労支援事業 障害のある人の就労機会拡大のため、施設が高齢者施設において、介護以外の一部業務(清掃・シーツ交換等)を受託する取組のマッチングを支援する。 4)職業能力の開発 現状と課題 ○ 県内には、障害者職業能力開発校のほか、障害者職業センターが設置されており、ハローワークとの連携により、職業能力の開発や職業準備支援等が行われています。 ○ 障害のある人にとって、個々の能力や障害の程度に応じた職種について基礎的な知識・技能を習得し、職業的自立を図るために、職業能力開発の機会が確保されることが重要です。 施策の推進方策 ○ 障害者職業能力開発校において、障害の特性と適性に応じた訓練科目の見直しや増加する精神障害のある人への対応の在り方を検討します。 ○ 障害のある人に対する職業能力開発の機会の拡大を図るため、障害のある人を対象として行う職業訓練を民間教育訓練機関に委託して実施し、就職を促進します。 <<主要事業>> 石川障害者職業能力開発校の運営 一般の職業能力開発校において職業訓練を受けることが困難な障害のある人に対し、その障害特性に応じた職業訓練を実施する。 5)年金制度等 現状と課題 ○ 障害のある人が、安定した生活を送るために、年金、手当制度、各種料金の減免等があります。 ○ アンケート調査によると、障害のある人の主な収入源は、年金の割合が最も高くなっています。また、年収については、80%以上が250万円未満と回答しています。 ○ また、障害のある人に必要な資金を低利で貸し付ける「生活福祉資金貸付制度」、保護者の相互扶助制度である「心身障害者扶養共済制度」、さらに税の減免及びバス運賃の割引制度等があり、生活の安定に寄与しています。 ○ 国や県の働きかけもあり、平成29年4月から県内の鉄道事業者において、平成30年10月から航空運送事業者において、それぞれ精神障害にも割引対象が拡大されました。 施策の推進方策 ○ これらの制度の対象となるかたが必要な時に利用することができるよう、制度の周知に努めます。 <<主要事業>> 特別障害者手当等給付事業 在宅の重度障害のある人に対して福祉の向上を図るため、各種手当を支給する。(特別障害者手当、障害児福祉手当、経過的福祉手当) 心身障害者扶養共済事業 障害のある人の保護者が死亡または重度障害になった場合、障害のある人の生活の安定のため、年金を支給する心身障害者扶養共済制度を運営する。 3 障害福祉サービス等の充実 (1)保健・医療サービス等の充実 1)障害の予防と早期発見、早期治療等 現状と課題 ○ 乳幼児期の障害の予防と早期発見のため、妊婦・乳幼児健康診査や新生児マス・スクリーニング検査等の母子保健施策に取り組んでいます。 ○ 県では重度の妊娠高血圧症候群や切迫流産などのリスクの高い妊婦に対し、高度周産期医療の提供と保健指導を実施することにより、障害の予防に努めてきており、今後ともさらなる充実が必要です。 ○ 脳血管疾患やしんしっかんなど生活習慣びょうを背景とした障害の発生等を予防するため、医療保険者は「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、40歳以上の被保険者を対象に特定健康診査・特定保健指導を行っています。 ○ これまでは、メタボリックシンドローム対策に重点的に取り組んできましたが、肥満を伴わない高血圧や脂質異常症、糖尿病等についても取り組みを進め、脳血管疾患やしんしっかんなど生活習慣びょうの重症化予防の徹底を図る必要があります。 ○ 県では、全ての県民が生涯にわたり健康で自立した生活ができる社会の実現を目指し、健康寿命のさらなる延伸のため策定した「いしかわ健康フロンティア戦略」に基づき、取り組みを進めています。 施策の推進方策 ○ 乳幼児期の疾病や障害を早期に発見し、その軽減や治癒を図るため、妊婦・乳幼児健康診査、訪問指導等の充実を図るとともに、健診精度の向上に努めます。 ○ 未熟児や障害のある子ども等の健康相談の充実と支援体制の強化を図ります。 ○ 平成30年1月に開院した新たな県立中央病院では、周産期医療を担う総合母子医療センターの機能を充実させており、安心して生み育てることができる環境整備に取り組みます。 ○ 脳血管疾患やしんしっかん等を予防するため、自分自身の健診データを科学的に理解し、主体的に生活習慣の改善ができるよう健康相談・支援体制の充実を図ります。 ○ 糖尿病は、新規人工透析導入の最大原因疾患であることから、糖尿病の発症予防、糖尿病性腎症等の合併症予防、重症化予防に重点を置いた対策に取り組みます。 <<主要事業>> いしかわ総合母子医療センターの運営事業 県立中央病院において、周産期における母体、胎児及び新生児の総合的かつ高度な治療を実施する。 周産期医療対策推進事業(周産期医療関係者研修会の開催) 周産期医療関係者の資質の向上、周産期医療体制の推進を図るため、研修会を開催する。 2)障害に応じた療育の推進 現状と課題 ○ 療育とは、障害のある子どもの特性に応じた治療訓練などの専門的な支援を行うことによって発達を促進することや、障害の軽減化を図ることです。療育の充実によって障害のある子どもの社会参加がより進められるため、障害の早期発見とともに療育の推進が必要です。 ○ 障害のある子どものライフステージに沿って、地域の保健、医療、福祉、教育、就労支援等の関係機関が連携を図り、切れ目の無い一貫した支援体制の構築が必要です。 ○ 障害のある子どもが身近な地域で、日常生活における基本動作の習得や、集団生活に適応するための訓練を提供する児童発達支援や放課後とうデイサービスの整備が進んでいます。 ○ 医療技術の進歩等を背景として、エヌアイシーユー等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引やけいかん栄養などの医療的ケアが必要な障害のある子ども(医療的ケアじ)が増加しています。 ○ 平成28年6月の児童福祉法の改正により、医療的ケアじが地域において適切な支援を受けられるよう、保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に努めなければならないこととされました。 ○ 平成27年度の厚生労働省の調査では、医療的ケアじの約6割が障害福祉サービス等を利用していない、介護者の8割が在宅生活の介護の負担感があると回答しており、医療的ケアじの適切な支援を充実させることが必要です。 ○ 発達障害者支援センターは、発達障害に関する相談の中心機関となっています。今後は地域の相談・療育機関に対して発達障害に関する技術支援の充実が求められています。 施策の推進方策 ○ 地域における中核的な療育施設として児童発達支援センターの圏域ごとの整備を進め、重層的な地域支援体制を確保するとともに、県内全域において、保育所等訪問支援を利用できる体制を構築します。 ○ 医療的ケアじが地域において適切な支援を受けられるように、保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関が連携を図るための協議の場を、県並びにかく圏域及び市町において設置することとします。 ○ 医療的ケアじに対する関連分野の支援を調整するコーディネーターを養成し、総合的な支援体制の構築に向けて取り組みます。 ○ 発達障害者支援地域協議会である発達障害者支援体制推進会議において、各ライフステージで発達障害のある人の支援が切れ目なく行われるよう、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連分野の連携強化を図ります。 <<主要事業>> 医療的ケアじ等支援事業 関係機関による協議の場の設置のほか、支援を調整するコーディネーターを養成する。 3)障害者に対する各種医療の確保 現状と課題 ○ 近年、医学の進歩や医療機器等の開発により、障害のある人に対する医療やリハビリテーションが充実されています。 ○ 障害のある人に対して、障害を軽減するために、専門医療機関で治療を受けやすくすることが必要です。 ○ また、在宅生活を継続しながら、生活の質を高めるため、通院や訪問診療、訪問看護を受けやすくすることと、状態に応じて、生活全般にかかる様々な支援につなぐことが必要です。 ○ 平成28年5月、県歯科医師会が開設した石川県こうくう保健医療センターでは、通常の歯科診療が困難な障害のある人に対して、障害に応じた適切な歯科治療を提供し、障害のある人の歯とこうくうの健康づくりを推進しています。 施策の推進方策 ○ 平成30年4月に策定した「第7じ石川県医療計画」に基づき、医療提供体制の整備や保健・医療従事者の確保・資質の向上などに取り組みます。 ○ 腎臓移植等の一層の推進を図るため、啓発活動やコーディネーターを通じ、ドナーの確保に努めます。 ○ 人工透析を受けている人の医療の確保や、災害時にも対応できる体制づくりについて検討します。 ○ 生涯にわたってこうくう機能を維持・向上することは、生活の質を保つことと深くかかわっているため、県歯科医師会をはじめ関係機関と連携しながら、障害のある人のこうくうケアを実施する体制整備に努めます。 ○ 身体障害を軽減するとともに、症状の進行を抑制するための人工透析療法、心臓移植じゅつなどを行う更生医療、育成医療及び精神疾患に対する通院による継続的な治療を行う精神通院医療といった自立支援医療を引き続き提供します。 ○ 精神障害のある人の救急医療の確保や、休日・夜間に緊急医療を必要とする在宅の精神疾患患者に迅速に対応するため、引き続き、精神科救急医療システムの運営について維持・充実を図ります。 ○ 精神障害のある人が、地域で安心して生活することができるよう医療機関と連携し、訪問支援の充実を図るとともに、保健・医療・福祉の連携を推進し、地域生活支援の充実に努めます。 <<主要事業>> 更生医療費給付事業 身体障害のある人(18歳以上)の障害を軽くしたり、回復させたりする手術を行った場合、医療費の自己負担を軽減するため、更生医療費を給付する。 育成医療費給付事業 身体に障害のある子どもの障害を軽くしたり、回復させたりする手術を行った場合、医療費の自己負担を軽減するため、育成医療費を給付する。 精神障害者通院医療費給付事業 精神医療機関に通院している精神障害のある人の医療費の自己負担を軽減するため、精神障害者通院医療費を給付する。 心身障害者医療費助成事業 重度障害のある人の経済的負担軽減を図るため、医療費自己負担分を助成する。 精神科救急医療体制整備事業 休日及び夜間等における緊急な精神医療を必要とする精神疾患患者に対応するため、精神科救急医療システムの運営を行う。 (2)リハビリテーションの充実 1)リハビリテーション提供体制の充実 現状と課題 ○ 医学的リハビリテーションは急性期、回復期、維持期に分けられ、急性期、回復期には集中的なリハビリテーション医療が提供されることが必要です。また、維持期においては障害者総合支援法や介護保険法を含めた地域でのリハビリテーション提供システムが必要です。 ○ 障害のある人が身近な地域で必要なリハビリテーションを受けられるよう、地域での支援体制等の充実が必要です。特に、高齢化等による障害の重度化・重複化の予防及びその対応に留意する必要があります。 ○ 全ての障害のある人のための医学的、教育的、社会的、職業的リハビリテーションが提供できる地域でのシステムづくりが必要です。 施策の推進方策 ○ 従来からの身体、知的、精神障害のある人に対するリハビリテーション支援に加え、発達障害、高次脳機能障害、難病患者、医療的ケアじ等を含めた総合的なリハビリテーション支援体制を整備します。 ○ リハビリテーションセンターにおいて、最新の診断・治療機器を導入し、在宅復帰に向けて、より効果的な急性期、回復期リハビリテーション医療を提供します。 ○ 障害のある人の自立を支援するため、社会のバリアフリー化、福祉用具の活用についての支援、研修体制を充実します。 <<主要事業>> リハビリテーションセンター企画運営費 医療・保健・福祉に従事する専門職員の技術向上を図り、医療機関、教育機関、施設、在宅等でのより効果的なリハビリテーションサービスの推進を目的に、リハビリテーションに関する情報提供や各種研修会を実施する。 2)地域リハビリテーションの推進 現状と課題 ○ 病気やけがにより障害を持った人が、病院での医学的リハビリテーションの後、地域で生活するためには、切れ目のないリハビリテーションをそれぞれの地域で提供できる体制が必要です。 ○ 障害のある人の日常生活、就学、就労、余暇活動の自立や社会参加の向上を図るとともに、福祉サービスの充実やバリアフリー化の推進など自立支援に向けた地域基盤の整備が必要です。 施策の推進方策 ○ 地域の医療、保健、福祉、教育、就労機関等に対してリハビリテーション技術の普及、リハビリテーション担当職員の人材育成のための研修等を実施します。 ○ 市町職員や障害福祉サービス事業所等の職員に対する研修を行い、障害のある人の在宅及び施設における日常生活動作のリハビリテーションに関する知識・技術の向上と、リハビリテーション専門職との身近な関係づくりの強化を図ります。 ○ 障害のある人が、医療機関からの退院後も地域で安心して生活できるよう、医療・保健・福祉関係機関のネットワークづくりを支援します。 ○ 社会のバリアフリー化に向けた相談、指導及び研修会を開催します。 <<主要事業>> 地域リハビリテーション推進事業地域の医療、保健、福祉、教育、就労機関に対して、リハビリテーション技術に関する相談・支援を実施する。 3)福祉用具の普及と支援体制の充実 現状と課題 ○ 身体障害者更生相談所やリハビリテーションセンターが連携し、市町や医療機関、福祉用具サービス事業所、補装具取扱業者等が調整困難な高度な福祉用具の適合相談を行なうとともに、バリアフリー体験住宅「ほっとあんしんの家」等の活用により福祉用具や住宅改修の技術普及に努めています。 ○ 補装具、日常生活用具等の福祉用具は、障害のある人の自立生活及び介護者の負担軽減を図るために必要不可欠です。その選定に当たっては、本人の心身状態はもとより、介護者、住環境、社会環境にも十分考慮した適合技術が必要です。 ○ 障害のある個々人への支援の蓄積から、リハビリテーション工学支援技術の体系化を図りつつ住宅改修や福祉用具適合等のテキストを作成し、市町の担当者や医療・福祉機関の専門職、建築業者、企業等の育成に広く活用しており、今後とも工学支援技術のさらなる普及拡大が必要です。 ○ さらに、障害のある人や介護者のニーズに対応した福祉用具や、住環境に関するリハビリテーション工学支援技術の専門体制整備を進めることにより、障害のある人の自立支援を図ることが必要です。 施策の推進方策 ○ リハビリテーションセンター・バリアフリー推進工房を拠点に、福祉用具の研究開発、技術普及、情報提供及び専門相談・技術支援体制を整備します。さらに、最新の福祉工学技術を活用し、重度障害のある人を中心に各々の身体特性に応じた、きめ細かな技術支援体制を整備します。 ○ 市町を中核として、県内各地に福祉用具等を用いたリハビリテーション技術支援のネットワークづくりを推進します。また、補装具等を活用したリハビリテーション技術支援ができる人材育成を図ります。 ○ リハビリテーションセンターに高度な福祉用具等を整備し、市町や関係施設の職員、リハビリテーション専門職、福祉用具専門相談員等に対して福祉用具活用のための知識・技術に関する研修を強化するとともに、福祉用具等の利用支援に積極的に取り組むよう働きかけを行っていきます。 ○ また、障害のある人の職場や学校等のバリアフリー化や、福祉用具を利用した就労、就学支援も進めます。 <<主要事業>> バリアフリー推進工房事業 既製品では対応できない福祉用具や住宅改修等に関する技術支援を通して、より確かなニーズを把握し、福祉用具、住環境、ユニバーサルデザイン製品の研究開発及び企業・行政等への技術支援を実施する。 福祉用具研修・普及事業 ほっとあんしんの家や最新の福祉用具を活用し、自立度の高い生活や介護者の負担軽減を促進するための技術研修を実施する。 4)精神障害に対応した支援体制の充実 現状と課題 ○ 国の精神保健医療福祉については、平成16年9月に精神保健福祉本部で策定された「精神保健医療福祉の改革ビジョン」において「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念が示されて以降、様々な施策が行われています。 ○ 平成29年2月の「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」報告書では、「地域生活中心」という理念を基軸としながら、精神障害のある人が、地域の一員として、安心して自分らしい暮らしができるよう、医療、障害福祉・介護、社会参加、住まい、地域の助け合い、教育が包括的に確保された地域生活支援の構築を目指すことを新たな理念として明確にされました。 ○ 平成30年3月に、精神障害のある人が退院後に継続的な医療等の支援を確実に受けられるよう、「精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」が国から発出されました。 施策の推進方策 ○ 障害保健福祉圏域ごとに設置する保健、医療、福祉関係者等による協議の場を通じて、精神科医療機関、その他の医療機関、地域援助事業者、市町などとの重層的な連携による支援体制を強化します。 ○ 精神障害のある人の地域における住まいの場としての共同生活援助(グループホーム)の整備を促進します。 ○ 退院後支援マニュアルを作成し、精神障害のある人で退院後に地域生活支援が必要な人には、各保健所においてマニュアルに基づき、支援計画を作成し支援を行います。 ○ 相談支援事業所や医療機関など関係機関と連携し、精神障害のある人の地域生活の支援を推進します。 ○ ピアサポーターの養成に努めるとともに、ピアサポーターが積極的に活動できるよう、その役割や活動内容の周知に努めます。 ○ 家族への支援については、家族が抱える課題等を共有できる場や、それぞれのニーズに合った支援体制づくりの促進に努めます。また、家族会等の関係者と連携し、必要なサービスについて情報提供します。 ○ 精神障害のある人の地域生活支援体制の構築についての理解促進のため、病院・障害福祉サービス事業所等の地域移行関係職員に対して、研修を実施します。 <<主要事業>> 精神障害者地域生活支援事業 精神障害のある人が、地域において安心して自分らしく暮らすことができるように、地域体制整備コーディネーターの配置、地域生活支援会議の開催、ピアサポーターの養成、配置などの支援体制の整備を行う。 (3)相談支援体制の充実 1)地域における相談支援体制の充実 現状と課題 ○ 障害のある人が、地域において自立した日常生活や社会生活を営むためには、障害福祉サービス等の提供体制を確保するとともに、これらのサービスの適切な利用を支え、各種ニーズに対応する相談支援体制の充実が不可欠です。 ○ 相談支援事業所の数は、サービス等利用計画の作成の義務化等により、平成30年4月時点で100事業所となり、過去5年間で約2倍に増加しています。地域における相談支援体制の量的な整備が進んでおり、今後、相談支援事業所の役割の強化、相談支援専門員の質の向上が求められています。 ○ 地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターは、相談支援体制を充実させるための重要な機関として、国は市町村での設置を働きかけています。県内では、金沢市、白山市などにおいてセンターが設置されています。 ○ 国は、相談支援専門員の確保と資質の向上に向け、研修制度の見直しをすることとしており、事業所や地域において指導的役割を担う「主任相談支援専門員」の育成を行うとともに、実地研修の実施を含めた新たなカリキュラムの創設を検討しています。 ○ 自ら意思を決定することに困難を抱える障害のある人が、日常生活や社会生活に関して自らの意思が反映された生活を送ることができるよう、国は平成29年3月、「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」を策定し、可能な限り本人が自ら意思決定できるよう支援することとしています。 ○ 矯正施設の入所者の中には、高齢でありまたは障害があるため、福祉的な支援を必要とするにも関わらず、福祉サービス等を受ける準備がないまま退所し、再び罪を犯してしまうことが指摘されています。県では、地域生活定着支援センターを設置し、福祉の支援が必要な退所予定者に対して、退所ごすぐに福祉サービス等が利用できるよう相談支援等を行っています。 ○ 身体障害者相談員及び知的障害者相談員は、市町が委嘱し、障害のある人や家族が有している様々な経験や情報を活かし、身近な地域で当事者や家族の目線に立った相談援助を行っています。 施策の推進方策 ○ 市町における障害のある人やその保護者からの相談に対し、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、リハビリテーションセンター、こころの健康センター等の機関において、専門的な立場で支援・協力を行うとともに、複数圏域にわたる困難事例の解決に対し、調整などの支援を行います。 ○ 地域の支援体制づくりに重要な役割を担う市町自立支援協議会の運営活性化につなげていくため、県自立支援協議会に相談支援部会をおき、地域における課題を把握し、市町もしくは市町自立支援協議会に対して助言を行います。 ○ 平成30年度障害福祉サービスとう報酬改定では、質の高い相談支援の実施や専門性の高い支援を行うための体制を評価する加算を創設しており、こうした報酬加算を通じて、相談支援事業所の体制整備の向上を促進します。 ○ 市町の基幹相談支援センターの設置を促進することで、相談支援体制の強化に努めます。 ○ 国から示される相談支援従事者養成研修の新カリキュラムに対応するため、相談支援専門員の資質向上に向けて県研修を充実させるよう、研修の企画と運営に取り組みます。 ○ 施設入所者や入院患者の地域移行を進めるため、地域移行支援を行う一般相談支援事業所の確保に努めます。 ○ 地域生活定着支援センターでは、矯正施設に入所している福祉の支援が必要な障害のある人などが、退所後、適切に福祉サービス等を利用し円滑に社会復帰が出来るよう、入所中から保護観察所や福祉関係機関等と連携して支援を行います。 ○ 身体・知的障害者相談員の相談対応能力の向上と、相談員間の連携を図るため、研修会を開催するとともに、市町と協力し身体・知的障害のある人の相談支援体制の充実に向けた支援に努めます。 2)発達障害、難病、高次脳機能障害等に対する専門的相談支援体制の充実 現状と課題 ○ 発達障害、難病、高次脳機能障害などの専門的相談・対応について、さらに充実させることが必要です。 @ 発達障害 ○ 発達障害は社会で理解されにくい障害であることから、早期に発見し、療育、教育、就労等様々な支援の体制をさらに充実させることが必要です。 ○ 平成28年5月、「発達障害者支援法」が一部改正され、発達障害のある人に切れ目ない支援を行うことが重要です。 ○ 発達障害を早期に発見し、速やかに相談支援などにつなげる機会として、市町が実施主体となった乳幼児健康調査があり、保護者への相談対応や専門機関への紹介などが行われています。 ○ 県では、こころの健康センターにある発達障害支援センターと、県の委託事業所である発達障害者支援センターパースの2カ所において、発達障害に関する相談等に対応しています。 ○ ペアレントメンターの養成や活動の支援、ペアレントプログラム、ペアレントトレーニングの導入及びピアサポートの推進等に取り組むことが求められています。 A 難病 ○ 平成25年4月に施行された障害者総合支援法では、障害福祉サービス等の対象として難病が加えられています。平成30年4月現在、国の指定難病は331疾病まで対象が拡大しており、福祉関係者による難病の特性の理解が求められるとともに、医療と福祉の両面から継続的な支援が求められています。 ○ 平成26年5月、「難病の患者に対する医療等に関する法律」が成立し、難病に係る新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立、難病の医療に関する調査及び研究の推進、などが規定され、県においても、難病に関する必要な施策を講ずるよう努めることとしています。 ○ 難病相談・支援センターにおいて、難病や小児慢性特定疾病の患者や家族の方の相談に応じ、安心して療養生活を送れるよう支援を行っています。 B 高次脳機能障害 ○ 高次脳機能障害相談・支援センターにおいて、当事者やその家族への相談対応や、関係機関と連携し、地域で安心して充実した生活を送ることができるよう必要な支援を行っています。 ○ 高次脳機能障害は、外見から障害が分かりにくい障害特性に加え、法的にも明確な位置づけがなされていないことから、既存の制度体系の中では、訓練や生活支援などの必要なサービスにつながりにくくなっています。 ○ 高次脳機能障害は、周囲に障害の特性が理解されにくく、就労などの社会参加や日常生活に困難を抱える人が多いため、障害の正しい理解を促進する普及啓発活動が必要です。 施策の推進方策 @ 発達障害 ○ 発達障害者支援体制推進会議において、より具体的な支援体制整備について検討を進め、発達障害者支援センターを中核に、身近な市町においても情報提供や助言など基本対応ができるよう、相談支援体制の整備に向けた取り組みを推進します。 ○ 早期発見や早期療育のための体制を整え、各ライフステージを通じて継続的な支援が可能となるように支援機関のネットワークを充実します。 ○ 一般県民を対象とした発達障害に関する講演会やパンフレットの作成による広報活動、研修会などを行い、障害に対する理解を深めるとともに、支援の人材を育成します。 ○ 県立金沢産業技術専門校では、発達障害のある人を対象とするワークサポート科を開設しており、障害の特性や能力に配慮した技能訓練や社会訓練を行うことで、それぞれに応じた就労と社会的自立を目指します。 ○ 当事者としての共感や傾聴、情報交換を行うペアレントメンタ―の育成等の家族支援の充実と相談体制の構築を図ります。 A 難病 ○ 難病相談・支援センターでは、難病や小児慢性特定疾病の患者や家族等からの相談対応のほか、難病に関する講演会・研修会の開催、ピアサポート支援、医療福祉情報の提供などを行っており、今後とも相談や支援の拠点としての充実強化を図ります。 ○ 難病の発見の機会を増やすため、市町等で実施する健康診査や健康相談時に難病が疑われる人がいた場合は、市町と保健福祉センター、難病相談・支援センターが連携して、相談や支援を行います。 ○ 「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づき、指定難病の患者に対して医療費助成を行っており、平成30年度に難病診療連携拠点病院を指定したほか、指定医療機関や指定医の指定・登録、指定医研修の実施などにより、難病患者が適切に医療を受けることができる体制整備に努めます。 ○ 医療機関、保健福祉センター、難病相談・支援センターなどでの情報提供により、難病患者に対して障害福祉サービス等の活用を促進するとともに、障害福祉サービス等の職員の研修を行う際には、難病の特性に応じた適切な支援について十分に理解が図られるようにします。 B 高次脳機能障害 ○ 高次脳機能障害の正しい理解を普及・促進するための講演会やシンポジウムの開催、ホームページやリーフレットによる情報発信などの普及啓発活動を行います。 ○ 高次脳機能障害相談・支援センターにおいて、当事者や家族向けの教室などの開催により当事者と家族が障害の特性を正しく理解するための取り組みを進めるとともに、医療、福祉サービス従事者等に対する研修会を開催することで、関係職員の資質の向上に努めます。 ○ 高次脳機能障害の支援関係者が集まる連絡会を開催し、各機関の役割や実態を理解し、支援上の課題や連携について検討することで関係機関のネットワークを強化します。 <<主要事業>> 発達障害者支援体制整備事業・発達障害等相談支援従事者育成事業 身近な市町で発達障害支援に関する情報提供や助言など基本的対応ができるよう、人材育成を含め県内の支援体制整備を推進する。 難病相談・支援センター事業 難病に関する総合的な相談・支援の拠点として、難病相談・支援センターを設置し様々な相談に応じるとともに、患者交流会等の活動支援や患者・関係者等に対する研修会の開催、啓発普及事業等を実施する。 難病患者地域療養支援事業 各保健福祉センターで相談や訪問指導、地域患者交流会等を実施する。 高次脳機能障害相談支援事業 高次脳機能障害に関する専門的な相談支援を行うため、高次脳機能障害相談・支援センターを設置し、情報発信の充実、高次脳機能障害の対応方法等に関する研修を実施する。 (4)介護、外出支援等の充実 1)ホームヘルプ(居宅介護)等の充実 現状と課題 ○ 障害のある人が入所施設や病院から地域移行し、自らが選択する場所で自立した生活を送るためには、いつでも必要な時に在宅支援を受けることができるよう、ホームヘルプサービス(居宅介護や重度訪問介護)を充実させる必要があります。 ○ アンケート調査では、日常生活において介助が必要と回答したのは、身体障害のある人が51.9%、知的障害のある人が70.8%、精神障害のある人が43.3%で、知的障害のある人の割合が高くなっています。必要な介助の内容を尋ねたところ、全体として「掃除、買物等の家事介護」、「外出支援」に多くの回答が見られました。 ○ 障害者総合支援法の改正により、平成30年度から新たな障害福祉サービスとして「自立生活援助」が創設されました。入所施設などから1人暮らしを希望する人に対して、定期的な居宅訪問や随時の対応により、日常生活での必要な支援を行うものです。 ○ また、四肢の麻痺等の最重度の障害があり、居宅で重度訪問介護を利用している人が、医療機関に入院した際に、利用者の状態などを熟知しているヘルパーを引き続き利用できるよう、重度訪問介護の訪問先が医療機関にも拡大されました。 施策の推進方策 ○ 障害のある人の社会生活を地域で支えるために、どの地域でも必要に応じたホームヘルプのサービスを受けることができるように、事業所整備を進めます。 ○ たんの吸引が必要な人に、適切なホームヘルプサービスを提供できるよう、喀痰吸引研修の実施によるヘルパーの養成、たんの吸引を行う事業者の登録などの体制整備に努めます。 ○ 介護人材を確保し、訪問系サービス事業所を充実させる観点から、市町と連携し、介護保険サービスである訪問介護事業所による居宅介護や重度訪問介護の提供を促進します。 ○ ホームヘルプサービスに係る利用経費については、国が負担上限となる基準額を定めており、長時間支援を必要とする重度障害のある人のサービス利用量を制約しないよう、負担基準額を上回る利用経費については、市町への補助金により訪問系サービスの利用を促進します。 ○ エーエルエス(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)等の重症難病患者やきんジストロフィー等の人は、介護の問題だけでなく、医療の対応が必要となることも多いため、24時間連絡体制のもとに、医療との連携を図るとともに、介護人材の確保・育成などにより支援体制の充実に努めます。 <<主要事業>> たんの吸引等を行うことができる介護職員の養成 福祉施設等において、喀痰吸引等の医療的なケアを実施できる介護職員の養成を目的とした研修を実施する。 重度訪問介護従業者養成研修 重度訪問介護サービスに従事するホームヘルパー等を養成する研修を実施する。 2)外出支援等の充実 現状と課題 ○ 障害のある人の外出時の支援については、重度の視覚障害のある人に対する同行援護や、重度の知的障害、精神障害により行動上の支援が必要な人に対する行動援護といった法定サービスのほか、地域の実情に応じて対象者を限定せず、市町が実施する移動支援サービスがあります。 ○ 同行援護については、従業者とサービス提供責任者の資格要件は経過措置が取られていましたが、平成30年4月から、同行援護従業者養成研修を修了しなければ、サービスを提供することができなくなり、同行援護を担う人材の育成と確保が必要となります。 ○ 盲導犬等の身体障害者補助けんの育成と使用等について規定された「身体障害者補助けん法」は平成14年5月の成立から十数年が経過しましたが、依然として、補助けん利用者のタクシー乗車拒否など補助けんの同伴を拒まれた事例が発生しており、事業者に対する継続的な普及啓発活動が必要です。 ○ その他の外出支援として、NPO法人や社会福祉法人が運営する福祉有償運送サービス、公共交通機関による運賃割引制度、自動車税の減免や自動車運転免許の取得・改造費の助成などが行われています。 施策の推進方策 ○ 外出支援の利用により、障害のある人の自立及び社会参加が進むことから、県内全域で利用者の障害特性に合わせた外出支援が行えるよう、事業者の確保と人材育成に努めます。 ○ 同行援護については、同行援護従業者養成研修を受講しやすくするよう、開催場所や日程について配慮するとともに、事業者には研修受講を促すことにより、利用者へのサービス提供に支障が生じないよう努めます。 ○ 身体障害者補助けんについては、必要な補助けんが給付されるように努めるとともに、補助けん利用者のうけいれ拒否が生じないよう、事業者に対する継続的な普及啓発活動を進めます。 <<主要事業>> 同行援護従業者養成研修 同行援護サービスに従事するホームヘルパー等を養成する研修を実施する。 もうどう・ちょうどうけん給付事業 重度視覚障害のある人や重度聴覚障害のある人の自立と社会参加を促進するため、必要なもうどう・ちょうどうけんを給付する。 (5)日中活動支援の充実 日中活動支援の充実 現状と課題 ○ 日中活動のサービスには、法定サービスとなる生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、障害児通所支援などの障害福祉サービス等のほか、市町が地域の実情や利用者のニーズに応じて実施する地域活動支援センターやにっちゅういちじ支援があります。 ○ 施設入所者や入院患者の地域移行を進めることが求められており、障害福祉サービスなど日中活動の場の充実が必要となっています。 ○ 近年、就労継続支援、放課後とうデイサービスの事業所数が大きく増えているものの、自立訓練、就労移行支援の数が減少傾向にあります。地域によっては就労移行支援の事業所が全くない、重症心身障害のある子どもや医療的ケアじが利用できる事業所が少ないなど、利用できるサービスの地域格差が拡大している傾向があります。 ○ アンケート調査では、障害福祉サービス等を利用していない人を対象に、利用しない・できない理由を尋ねたところ、最も多かったのが、近くにどのようなサービスがあるか分からないという回答となっています。 ○ 児童福祉法の改正により、平成30年度から新たな障害児通所支援として、重度の障害等のために外出することが著しく困難な障害のある子どもを対象に、居宅を訪問し、日常生活における基本的な動作の指導等の支援を行う「居宅訪問型児童発達支援」が創設されました。 ○ 介護保険法等の一部改正により、平成30年度から、地域共生社会の実現に向け、障害福祉と介護保険の両方の制度に「共生型サービス」が創設されました。障害のある人が介護保険の対象となった場合でも、引き続き、同一の事業所でサービスを受けやすくすることにより、地域における包括的な支援体制を構築するものです。 施策の推進方策 ○ 生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、障害児通所支援など法定サービスや、市町が地域の実情に応じて実施する地域活動支援センターなどの充実に努め、どのような地域でも障害のある人が日中活動の場を選べるように基盤整備を進めます。 ○ 日中活動のサービスを利用したい人やその家族等が、身近な地域において障害の内容に応じた最適なサービスと事業所を選択できるよう、事業所の情報公表に取り組みます。 ○ 児童発達支援センターの圏域ごとの整備を進めるとともに、県内全域において、保育所等訪問支援を利用できる体制を構築し、障害のある子どもが保育所や認定こども園、放課後児童クラブ、幼稚園、学校等の地域社会への参加、包容(インクルージョン)を推進します。 ○ 重症心身障害のある子どもが身近な地域で支援を受けられるように、主に重症心身障害のある子どもを支援する児童発達支援事業所と放課後等デイサービス事業所の圏域ごとの整備を進めます。 ○ 新たな障害児通所支援である「居宅訪問型児童発達支援」を整備するとともに、医療的ケアじの支援を行うために、事業所の看護職員の配置を促進します。 ○ 障害のある人が介護保険の対象となった場合でも、引き続き、同一の事業所でサービスを受けることができる「共生型サービス」については、地域共生社会の実現と地域における包括的支援体制の構築に向けた施策であり、市町と連携しながら、共生型サービス事業所の整備促進に努めます。また、介護保険の対象となる人に対し、利用者負担軽減制度により、介護保険サービスの円滑な利用を促進します。 (6)生活環境の充実 生活環境の充実 現状と課題 ○ 福祉施設の入所から地域生活への移行を促進することが求められていますが、入所者の高齢化・重度化により、地域移行が進んでいない状況にあります。 ○ 障害のある人の重度化、高齢化や「親亡きあと」を見据え、地域において様々な支援が切れ目なく提供されるよう、市町に「地域生活支援拠点等(※)」を整備し、障害のある人の生活を地域全体で支えるサービス提供体制を構築することが求められています。 (※)障害のある人の地域生活を支援するために必要となる機能(@相談 A緊急じの受け入れ・対応 B体験の機会・場 C専門的人材の確保・養成 D地域の体制づくり)を集約した拠点等 ○ また、障害者総合支援法の改正により、平成30年度から、障害のある人の重度化・高齢化に対応できる共同生活援助(グループホーム)の新たな類型として「日中サービス支援型共同生活援助」が創設され、従来のグループホームよりも手厚い支援体制にすることで、重度の障害のある人の地域移行を促進することとしています。 ○ アンケート調査によると、現在の生活場所は、持ち家、借家・アパートが8割以上を占めているものの、将来は、グループホーム、入所施設を希望する人が多い状況であり、特に知的障害のある人の希望が顕著となっています。 ○ また、日常生活での介助の必要性については、知的障害のある人が70.8%と最も割合が高くなっており、主に介助している人は「父母」と回答した人が81.4%と高い結果になっていることから、「親亡きあと」の支援体制が課題となっています。 ○ 平成27年度の厚生労働省の調査によると、医療的ケアじが在宅で生活を継続するために、特に必要だと感じるサービスとして、医療型短期入所等の家族のレスパイトのための施設の充実があげられています。 施策の推進方策 ○ 「地域生活支援拠点等」については、市町の連絡会議の開催や情報提供により、市町において整備ができるよう支援します。 ○ 障害のある人の地域移行を進める新たなサービスである「日中サービス支援型共同生活援助」の提供を拡大するよう、障害福祉サービス事業者への働きかけを進めます。 ○ 障害のある人が安心して暮らせる住まいの場として、グループホームの事業所数の拡大と利用促進に努めます。 ○ 短期入所(ショートステイ)は、障害のある人の日常生活を支えるサービスであり、家族のレスパイトのためにも整備促進に努めます。また、医療的ケアじが短期入所(ショートステイ)を安心して利用できる体制整備にも努めます。 <<主要事業>> 障害者支援施設等整備費補助金 地域のサービス基盤の強化を図るため、社会福祉法人等に対し、障害者総合支援法または児童福祉法に基づき設置する施設・事業所の施設整備に要する費用の一部を助成する。 (7)従事する人材の育成と障害福祉サービス等の質の向上 1)障害福祉サービスの人材の育成・確保 現状と課題 ○ しょうし高齢化による労働力人口の減少や、他の業種の求人状況の動向に影響されて、介護・福祉サービスの分野においては、産業全体と比較して有効求人倍率や離職率が高く、人材の確保・定着や計画的な人材育成が難しい状況にあります。 ○ 障害者総合支援法の求める利用者本位の質の高い福祉サービスの提供のため、利用者ニーズに的確に対応できる質の高い人材を安定的に確保し、育成していくことは喫緊の課題となっています。 ○ 介護・福祉サービスを支える人材をしっかりと確保し、養成していく必要から、県は「介護・福祉人材確保・養成基本計画」を平成27年3月に策定し、介護・福祉人材の確保と資質向上に向けて、計画的に取り組んでいます。 ○ 重度の障害のある人の在宅や施設での安定した生活を支えていくためには、強度行動障害、重症心身障害のある人、たんの吸引などの医療的ケアが必要な人など、多様な障害特性に対応した適切な支援を提供できる人材の育成が重要です。 ○ 障害福祉サービスにおける、相談支援専門員やサービス管理責任者等の重要性に鑑み、研修制度が見直される予定となっています。新カリキュラムについては、地域や事業所における支援向上の核となる人材の育成に向けて、計画的にキャリアアップする研修制度となる予定です。 施策の推進方策 ○ 介護・福祉の仕事の魅力発信ポータルサイト「いしふく」を活用し、介護・福祉の仕事の魅力を発信するとともに、就職セミナーや求人情報を掲載することで、人材の確保につなげます。 ○ 「石川県福祉の仕事マッチングサポートセンター」(福サポいしかわ)では、福祉分野への就職に関する相談や仕事の紹介、情報提供などを行っており、就職フェアや職場体験、各種講習会など就職支援を充実させることにより、人材の確保につなげます。 ○ 強度行動障害、重症心身障害のある人、医療的ケアが必要な人など、特別な支援が必要な人に適切なサービスが提供できるよう、専門的な知識や技能習得のための研修を行います。 ○ 相談支援専門員やサービス管理責任者等は、地域や事業所における障害者支援の核となる人材であり、新カリキュラムに対応した法定研修を充実させ、資質の向上に努めます。 ○ 障害福祉サービス等を提供する事業者に対し、労働法規の遵守を徹底するとともに、サービス従業者の処遇改善や職場環境の改善などに努めます。 <<主要事業>> 相談支援従事者研修事業 障害のある人の相談支援を行うための相談支援従事者の養成や質の向上を目的とした研修を実施する。 サービス管理責任者研修事業 障害福祉サービス事業所において、サービスの質の確保に必要な知識、技能を有するサービス管理責任者の養成や質の向上を目的とした研修を実施する。 2)情報公表の推進と障害福祉サービス等の質の向上 現状と課題 ○ 障害者総合支援法等の改正により、平成30年度から障害福祉サービス等の情報公表制度が創設されました。独立行政法人福祉医療機構が運営する総合情報サイト「WAM NET」において、「障害福祉サービス等情報公表システム」を立ち上げ、利用者やその家族等が、障害福祉サービス等を利用するために必要となる情報を、自由に閲覧することができるようになりました。 ○ 近年、障害福祉サービス事業所等の数が大きく増加しており、また、障害福祉分野に新規参入する法人も増加していることから、障害福祉サービス事業所等の情報公表を推進することで、利用者やその家族等が個々のニーズに応じた良質なサービス事業所を選択できるようにするとともに、事業所によるサービスの質の向上が期待されます。 ○ 児童発達支援や放課後等デイサービス事業所が増加しており、支援内容の適正化と質の向上を図る観点から、国ではガイドラインを作成し、事業者に自己評価と保護者による評価の実施を義務化しました。 ○ 福祉サービスの第三者評価は、事業者の実施するサービスの質を公正・中立な第三者機関が、専門的かつ客観的な立場から評価する制度であり、評価結果により、利用者の適切なサービス選択に資することと、質の向上にもつながりますが、第三者評価に取り組む事業所は少ないのが課題です。 施策の推進方策 ○ 障害福祉サービス事業者等に対して、不正防止の観点から、毎年開催している集団指導、2〜3年毎に現地訪問して行う実地指導、法定研修などにより、サービスの理解促進、自立支援給付費等の適正な請求等を促進し、事業所運営の適正化に努めます。また、自己評価等の促進によりサービスの質の向上を図ります。 ○ 独立行政法人福祉医療機構が運営する「障害福祉サービス等情報公表システム」に、障害福祉サービス事業所等が登録し、利用者やその家族が必要とする情報を公表するよう取り組みを進めます。 ○ 福祉サービス第三者評価制度の普及啓発による受審促進に努めるほか、評価調査者のスキルアップのための養成研修に取り組むことにより、障害福祉サービス等の質の向上につなげます。 3)虐待の防止 現状と課題 ○ 「障害者虐待防止法」は、平成24年10月の施行後、法律の周知と理解が進み、全体の虐待通報件数が増えています。今後も、虐待通報の窓口体制を充実させる必要があります。 ○ 施設・事業所内での虐待を防止するための措置として、虐待防止責任者の選定、苦情解決体制の整備、職員研修の実施などが求められています。県による実地指導では、虐待防止チェックリストで確認することで、体制整備の促進を図っています。 ○ 強度行動障害のある人は、じしょうや他害行為等の危険を伴う行為があり、支援の困難さが指摘されています。身体拘束や虐待をすることなく、適切に問題行動を防ぐ支援の方法が必要であり、職員の人材育成が重要となります。 施策の推進方策 ○ 市町の障害者虐待防止担当者による連絡会議を開催し、発生事案の情報共有、意見交換を通して、市町担当者の虐待防止対応のレベルアップを図ります。 ○ 市町職員や障害福祉サービス事業所の従業者等を対象とした障害者虐待の防止・権利擁護のための研修を開催し、虐待の未然防止、早期発見及び適切な対応のための人材育成や資質向上を図ります。 ○ 強度行動障害のある人に対し、適切な支援を行う職員の人材育成を目的とした強度行動障害支援者養成研修を実施します。 ○ 障害者権利擁護サポートデスクでの支援体制、関係機関とのネットワークを充実させることで、適切な被虐待者支援、事業所への指導に努めます。 <<主要事業>> 強度行動障害支援者養成研修事業 強度行動障害を有する重度の知的障害・精神障害のある人の適切な支援を行う人材育成を目的とした研修を実施する。 4 安全で安心して住みやすいまちづくり (1)バリアフリー社会環境の整備 1)公益的施設等の整備 現状と課題 ○ 障害のある人が、日常生活を営むうえで妨げとなる物理的障壁が存在しています。これらの障壁を取り除くため、施設等のバリアフリー化を推進しています。 ○ 平成9年3月に公布された「石川県バリアフリー社会の推進に関する条例」(以下「バリアフリー条例」という。)は、障害のある人を含む全ての県民が安全で快適な生活を営み、社会のあらゆる分野の活動に平等に参加することのできる障壁のない社会(バリアフリー社会)の実現に向けて、県民一人ひとりの協力と理解により、力を合わせて進めていくことを目指しています。 ○ バリアフリー条例に基づく整備基準に従い、これまで、福祉・医療施設やホテル、スーパーマーケット、デパートなどの公益的施設について、建築主や設計者に対し指導・助言を行っています。 ○ また、障害のある人を含め誰もが利用しやすい公園、河川のしんすい空間、レクリエーション施設等の整備にも取り組んでいます。 ○ 今後も、バリアフリー条例に基づく整備基準の趣旨や内容を広く県民に周知し、理解と協力を得ることが必要です。 施策の推進方策 ○ 公共建築物においては、多目的トイレや、音声や点字等を用いた案内表示の設置など、障害のある人が利用しやすい施設の整備を推進します。 ○ 不特定多数の人が利用する建築物をはじめ、民間建築物においては、障害のある人等が円滑に利用できるものとなるよう積極的に指導・助言を行います。 ○ 建築士、施工技術者及び民間事業者等に対して、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(以下「バリアフリー新法」という。)及びバリアフリー条例の内容や整備基準の積極的な周知に努めます。 ○ バリアフリーのまちづくりを進めるため、学識経験者、建築士、障害のある人等で構成するバリアフリーアドバイザーを派遣し、公益的建築物のバリアフリー化改修に対する支援をしていきます。また、施設等及び施設相互の移動円滑化にかかる計画策定等について、市町をサポートしていきます。 ○ 安心で快適な生活を送るため、障害のある人を含め誰もが利用しやすい公園、スポーツ・レクリエーション施設等の整備、改築に努めます。 ○ 県内の主要な生活関連施設における車いすトイレやスロープ、視覚障害者誘導用ブロック、エレベーターなどの整備状況を掲載した「バリアフリーマップいしかわ」を県ホームページ上で公開しており、目的に応じた施設情報をさらに充実させることにより、バリアフリーの街づくりを進めていきます。 <<主要事業>> バリアフリー住宅等改修支援事業 民間事業者や市町の要請に応じて、住宅や公益的施設のバリアフリー化に関する助言・指導を行うバリアフリーアドバイザーを派遣する。 バリアフリー施設整備促進融資資金 民間事業者がバリアフリー条例に基づき施設の整備を行う際に、整備に必要な資金を低利で融資する。 コミュニティ施設整備事業 健全なコミュニティの育成を図ることを目的に、バリアフリーに配慮しながら地縁による団体が行う集会所の整備に対し助成を行う。 2)移動しやすい環境の整備 現状と課題 ○ 国の「ユニバーサルデザイン2020行動計画」は、社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上を横断的視点の一つとして掲げており、公共交通機関のバリアフリー化を始めとする移動しやすい環境の整備や、障害に配慮したまちづくり等の取り組みを幅広く推進していくこととしています。 ○ 道路事業においては、バリアフリー条例を踏まえ、障害のある人を含む誰もが安心して社会参加できるよう、バリアフリーの視点に立った道路整備を進めており、段差解消や勾配の改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置などを行っています。 ○ 障害のある人等用の駐車スペースの適正利用を図るため、対象者に利用証を交付する「パーキングパーミット制度」の取り組みが全国の地方公共団体で進んでおり、本県では、平成27年11月から「いしかわ支え合い駐車場」として制度を導入するとともに、周知に取り組んでいます。 ○ 現状では、多くの人々が利用する鉄道駅周辺などにおいて、まだバリアフリー化されていない歩道が存在しており、今後とも道路のバリアフリー化を推進していくことが必要です。 施策の推進方策 ○ 全ての人々が安心して、快適に移動できる歩行空間を確保するため、利用者の多い主要な鉄道駅周辺などで、段差の解消や勾配の改善、幅広歩道の整備、歩道消融雪設備の設置、無電柱化を図り、歩道のバリアフリー化を推進します。 ○ 障害のある人など歩行が困難な人等に県内共通の利用証を交付する「いしかわ支え合い駐車場制度」の周知に取り組み、利用証の普及や協力施設の拡大を図ります。 ○ バリアフリー新法及びバリアフリー条例に基づき、県・市町が連携し、交通のバリアフリー化を推進します。 ○ ノンステップバスの導入について、積極的に推進を図るとともに、バス停の整備等について支援します。 ○ 障害のある人が交通関連施設を容易に利用できるようにするため、JRなどの交通事業関係機関に対し、点字案内板、電光表示板等を設置するよう理解と協力を求めていきます。 ○ バリアフリー新法に基づき市町が定める重点整備地区において、歩行者・自転車と車両が通行する時間を分離するほしゃ分離式信号、音響により歩行者用青信号の表示を知らせるバリアフリー対応型信号機等の整備を推進するほか、市街地等の生活道路における歩行者等の安全な通行を確保するための区域(ゾーン)を設定して速度の抑制や通過交通の抑制・排除を図ります。 <<主要事業>> あんしん歩行空間整備事業 歩道の設置、既設歩道の段差解消、視覚障害者誘導用ブロックの設置などにより、道路のバリアフリー化を促進する。 あんしん歩行エリア整備事業 死傷事故発生割合の高い生活地域・商業地域における信号機の高度化、ほしゃ分離式信号機、信号とうきのLED化などを整備する。 バリアフリー化整備事業 高齢者、障害のある人等が道路を安全に横断できるよう、市町が定める重点整備地区の旅客施設周辺などにバリアフリー対応信号機を整備する。 公共交通利用環境改善設備整備費補助金 鉄道駅のバリアフリー化設備整備、ノンステップバスの導入促進、バス停の整備等に対し、助成する。 ゾーン30 区域(ゾーン)を定めて最高速度じそく30キロメートルの速度規制を実施するとともに、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における速度抑制や抜け道として通行する車両の抑制等を図る。 3)住宅環境の整備 現状と課題 ○ 住宅は、障害のある人が地域で自立した生活を営む基盤であり、生涯を通じ安定したゆとりある住生活を実現するため、障害のある人にとって住みよい住宅を整備することが必要です。 ○ このため、バリアフリー条例において、バリアフリー住宅の整備基準を定めてその普及に努めています。 ○ 現在、県営住宅等の公的賃貸住宅のバリアフリー化はもとより、民間の持家について補助制度を設けて改修等の推進を図っています。 ○ また、バリアフリーアドバイザーを民間住宅のバリアフリー改修の相談に対して派遣し、身体能力や住み方に応じたバリアフリー改修の普及に取り組んでいます。 ○ 住宅セーフティネット法の改正法が平成29年10月に施行され、障害のある人など住宅確保よう配慮者を対象に、入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を開始するなど、民間賃貸住宅や空き家を活用した「新たな住宅セーフティネット制度」が本格的に始まりました。 ○ 今後も、住宅のバリアフリー化や住宅セーフティネット制度の普及など、障害があっても安心して生活しつづけることができる住宅環境を整備することが必要です。 施策の推進方策 ○ 障害のある人にとって、安全で住みよいものとなるよう、公営住宅等の公的賃貸住宅の整備を進めるとともに、既存公的賃貸住宅のバリアフリー改善に努めます。 ○ バリアフリー条例で定める住宅整備基準について、民間住宅への普及に努めます。 ○ バリアフリー体験住宅「ほっとあんしんの家」では、実際の住環境を体験しながら、障害に応じた最適な生活空間を確認できるものであり、こうした支援を充実させることにより、本人に適した自立度の高い住宅環境の整備に努めます。 ○ 住宅セーフティネット制度については、障害のある人が自らが望む地域において安心して生活できるよう、登録賃貸住宅の拡大に努めます。 ○ 住宅のバリアフリー化の推進のため、バリアフリーアドバイザー派遣をはじめ、個々の障害に応じた多様な改造事例などの情報の提供体制の充実に努めます。 <<主要事業>> 自立支援型住宅リフォーム推進事業 重度身体障害のある人等が居住する住宅のリフォームに要する費用を補助する。 4)情報バリアフリーと意思疎通支援の充実 現状と課題 ○ 障害のある人が必要な情報を円滑に取得できるよう、情報バリアフリーの環境整備をすることや、障害のある人が円滑に意思表示やコミュニケーションを行うことができるよう、意思疎通支援を担う人材の育成・確保等、意思疎通支援を充実させることが必要です。 ○ 障害者基本法や障害者権利条約は、手話を言語の一つとして位置づけており、全国では、手話の普及を目的とした手話言語条例を制定する動きができています。本県においても平成30年4月に「石川県手話言語条例」を施行し、手話普及に向けた取り組みを進めています。 ○ 手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員等の派遣による支援や、点訳、代筆、代読、音声訳等による支援により、情報バリアフリーや意思疎通支援を充実させる必要があります。 ○ 行政情報など公共の情報を提供するにあたっては、それぞれの障害特性を踏まえた配慮や提供手段の充実が必要です。また、情報の内容を理解することが困難な人に対しては、必要な情報を分かりやすいかたちで提供するなどの対応を図る必要があります。 ○ 警察の各種手続きにおいて、障害があるためにコミュニケーションの理解の面で制約を受けることがあります。このため、障害特性を踏まえた適切な配慮が必要です。 施策の推進方策 ○ 視覚障害のある人の活動拠点である視覚障害者情報文化センターの活動を支援するとともに、点訳ボランティア、音訳ボランティアの養成研修等により、視覚障害のある人の点訳、代筆、代読、音声訳等による情報バリアフリーや意思疎通支援の充実に努めます。 ○ 視覚障害のある人のために点字図書の貸出等を行う点字図書館の運営を支援するとともに、公立図書館との連携により、視覚障害のある人等が読書しやすい環境の整備に努めます。 ○ 聴覚障害のある人の活動拠点である聴覚障害者センターの活動を支援するとともに、聴覚障害のある人のコミュニケーションの確保のため、手話通訳士、手話通訳者や要約筆記者の養成に努めます。 ○ 県のホームページにおいて、手話通訳動画を挿入するなど、県政情報のバリアフリーに努めます。 ○ 県民の誰もが手話に親しみ、手話に対する理解を深めてもらうよう、県民・事業者向けの手話講座の開催など、手話を使いやすい環境整備に取り組みます。 ○ 聴覚障害のある人の相談窓口である市町において手話通訳者が配置されるよう、未配置市町に対して設置を働きかけます。 ○ 重度・重複のコミュニケーション障害のある、盲ろう者のコミュニケーション及び外出を支援するため、通訳介助員の派遣に努めます。 ○ 障害者アイティーサポートセンターにおける、パソコン研修やパソコンボランティア養成、派遣の取り組みに努めます。 ○ 選挙公報や政見放送等の選挙に関する情報提供については、障害のある人の投票に資するよう、障害特性に応じた情報提供に努めます。 ○ 警察の各種手続き等において、障害があるためにコミュニケーションの理解の面で制約を受けることがないよう、障害特性に応じたコミュニケーション手段を確保し、適切な対応を図ります。 《主要事業》 障害者社会参加促進事業(視覚・聴覚) 視覚・聴覚障害のある人の自立と社会参加を図るため、機能訓練・歩行訓練の実施や手話通訳者等の派遣、点字広報制作による情報提供等を行う。 各種奉仕員等養成事業 視覚、聴覚その他の障害により、意思疎通を図ることに支障がある人への支援を行うため、点訳ボランティア、音訳ボランティア、手話通訳士、手話通訳者、要約筆記者及び盲ろう者通訳介助員の養成を行う。 視覚障害者情報文化センターの運営 視覚障害のある人のために情報提供や生活相談等を行う視覚障害者情報文化センターの運営に対し助成し、視覚障害のある人の自立と社会参加を図る。 点字図書館運営事業 視覚障害のある人のために点字図書や録音図書の制作・貸出等の業務を行う点字図書館の運営に対し助成し、視覚障害のある人の自立と社会参加を図る。 聴覚障害者センターの運営 聴覚障害のある人のために情報提供や生活相談等を行う聴覚障害者センターの運営に対し助成し、聴覚障害のある人の自立と社会参加を図る。 字幕入りビデオカセットライブラリー事業 聴覚障害のある人に対する情報提供のため、テレビ番組等に字幕挿入したDVDの制作を行う。 障害者アイティーサポートセンター事業 上肢・視覚・聴覚障害のある人に対して、アイティーに関する利用相談、パソコン操作指導、パソコンボランティアの派遣等を行う。 手話言語条例普及啓発事業 手話を学ぶ機会の確保のため、県民・事業者向け手話講座を県内各地域で開催するほか、広く県民に手話及び条例に対する理解を深めるため、プロスポーツを活用した普及啓発を実施する。 5)ユニバーサルデザインに基づいた環境整備 現状と課題 ○ 「ユニバーサルデザイン」は、障害の有無、年齢、性別、人種等に関わらず多様な人々が利用しやすいようあらかじめ都市や生活環境をデザインする考え方であり、国の「ユニバーサルデザイン2020行動計画」では、「心のバリアフリー」と「ユニバーサルデザインの街づくり」をふたつの柱として、共生社会の実現に向けて取り組むこととしています。 ○ 障害のある人だけでなく、誰もが使いやすいユニバーサルデザインによる製品開発には、リハビリテーション専門職や工学、建築、デザインなど多くの専門家のチームワークが必要です。 ○ 県内企業がユニバーサルデザイン製品を開発するには産学官の協力体制づくりが必要です。 ○ 選挙や国民審査等において障害のある人が円滑に投票できるようにするため、合理的な配慮を行うことが必要です。 施策の推進方策 ○ ユニバーサルデザインによる製品の普及や環境の整備が進められるよう、様々な機会を捉え、ユニバーサルデザインの考え方の普及啓発に努めます。また、ものづくり、まちづくりなどの施策の推進にあたって、ユニバーサルデザインの考え方を基本とします。 ○ バリアフリー推進工房では、障害のある人へのテクニカルエイド(道具や環境の適合・改良に関する技術支援)、企業等への福祉用具・ユニバーサルデザイン製品開発に関する技術支援、公的施設等のバリアフリー化に関する技術支援の取り組みを推進します。 ○ 障害のある人の自立支援や介護者の負担軽減につながる福祉用具やユニバーサルデザイン製品の研究開発を推進するため、県内の産学官連携の強化を進めます。 ○ 投票所及び期日ぜん投票所のバリアフリー化を推進するほか、障害のある人の利用に配慮した投票設備の設置を行うなど、障害のある人が投票しやすい環境を整備するよう市町に働きかけます。 (2)防災・防犯対策 1)防災対策の充実 現状と課題 ○ 平成28年4月の熊本地震、平成30年9月の北海道胆振東部地震のほか、平成29年7月の九州北部豪雨、平成30年7月の西日本豪雨など近年、大きな自然災害が増えており、障害のある人の避難支援や避難所での受け入れ体制が大きな課題となっています。 ○ 障害のある人が、地域で安心して生活するためには、災害などの緊急じに備え、市町の避難行動よう支援者に係る全体的な考え方を全体計画として定めるとともに、避難行動よう支援者一人ひとりの具体的な避難支援等についての個別計画を作成することが大切です。 ○ 平成25年6月の「災害対策基本法」の改正により、障害のある人を含む避難行動よう支援者の安全を確保するため、「避難行動よう支援者名簿」の作成等が市町村長に義務づけられるなど避難支援等の強化が図られました。 ○ 今後とも、障害の特性に応じた情報伝達機器の活用により、防災等の情報が、障害のある人等に対し、早急かつ的確に伝達されることが必要です。 ○ 平成25年2月の長崎県の認知症高齢者グループホームの火災等の発生を受けて、障害者支援施設での防火対策や、グループホームでのスプリンクラー設置が求められています。 ○ また、平成27年4月に消防法が改正され、入居者の概ね8割以上が重度の障害のある人であるグループホームは、スプリンクラーの設置が義務づけられるとともに、全てのグループホームで自動火災報知設備の設置が義務づけられました。 ○ アンケートでは、災害発生時に一人で避難できるか尋ねたところ、避難できると回答したのは、身体障害のある人が47.6%、知的障害のある人が22.6%、精神障害のある人が61.1%となっており、避難支援の体制強化が求められます。 施策の推進方策 ○ 障害のある人が安心して日常生活を送れるよう、「石川県地域防災計画」に基づき、市町や各施設に働きかけ、在宅や施設における避難体制や支援体制の整備を図ります。 ○ 市町において避難行動よう支援者名簿の作成に合わせて、個別計画を策定することで、障害のある人等の避難支援体制を整備するよう推進します。 ○ 市町の地域防災計画の策定に当たり、障害のある人の意見が反映されるように働きかけます。 ○ 障害のある人等のよう配慮者に、トイレや段差のバリアフリー化など避難所での良好な生活環境を提供できるように避難所運営計画等の策定を市町に働きかけます。 ○ 市町に対して、障害のある人に避難場所などを周知したり、定期的に防災訓練を実施するように働きかけます。 ○ 緊急じにおいて、障害のある人が消防署等へ容易に連絡できて、また防災・避難情報を的確に得るために障害の特性に応じた多様な情報伝達手段を用いることができるように、市町に助言します。 ○ 防災に対する対策について、市町広報等を通じて広く周知し、また、防災の日等の行事を通じて県民の意識の啓発に努めるとともに、防災についての体験学習の場を広く県民に提供するため、地震体験しゃや体験型防災学習設備の積極的な活用の促進に努めます。 ○ 洪水や土砂災害の危険情報が障害のある人に的確に伝わるよう、県河川総合情報システムや県土砂災害情報システムの充実に努めるとともに、市町が作成する「ハザードマップ」を活用し、避難に関する情報が的確に伝達され、迅速な避難ができる体制を整備するよう努めます。 ○ 災害時に障害のある人に対する災害ボランティア活動が適切に行われるようにするため、災害ボランティアコーディネーターに対する研修の充実を図ります。 ○ 施設・事業所での耐震性の確保と防火対策は、利用者の命にかかわる極めて重要な課題であることから、今後とも、国庫補助制度などを活用した防災対策の強化を働きかけていきます。 ○ 県が策定した「障害者施設における防災計画作成指針」に基づいて、施設・事業所が個別に防災計画を作成し、必要な防災対策に取り組むよう働きかけていきます。 2)防犯対策の充実 現状と課題 ○ 平成28年7月に神奈川県の障害者支援施設において多くの入所者が殺傷された事件を踏まえ、施設や事業所において、不審者の侵入を防ぐための防犯対策の強化が求められています。 ○ 県警察では、聴覚や音声言語機能の障害のある人がイーメールやファクシミリの送信により警察に緊急通報できるようにしており、これらの通報手段について周知を図る必要があります。 ○ 県警察では、IP防犯ネット登録している機関、団体に対し、防犯情報メールの配信を行っています。障害のある人への防犯情報の提供の強化を図る必要があります。 施策の推進方策 ○ 施設・事業所に対して、国庫補助制度を活用して防犯カメラや非常通報装置等の整備費を助成し、防犯対策の強化を推進します。 ○ 「メールひゃくとおばん」、「ファックスひゃくとおばん」により、聴覚や音声言語機能の障害がある人からの緊急の通報手段を確保します。 ○ 施設・事業所に対し、防犯情報メールを配信するとともに、配信先の拡充に努めます。 <<主要事業>> 「メールひゃくとおばん」、「ファックスひゃくとおばん」の設置 聴覚障害・音声言語そしゃく機能障害等のある人が事件や事故に遭遇した場合に、文字によるひゃくとおばん通報を行えるよう、メールやファックスを活用したひゃくとおばん通報システムを設置する。 障害者ひゃくとおばん運営事業 障害のある人が安心して生活を送れるよう、障害のある人やその家族の今後の生活設計や財産管理、雇用等に関する問題について相談窓口を設置する。 3)消費者トラブルの防止 現状と課題 ○ 障害のある人が被害にあうことがないように、日頃から消費者トラブルに関する情報や知識を得ることが大切です。また、判断力が不十分である知的障害のある人などが、不当な訪問販売などの消費者被害にあわないようにするため、障害のある人を見守る人への消費者教育が必要です。 施策の推進方策 ○ 障害のある人が消費者被害にあわないように、必要な情報提供を行うとともに、セミナーや講座の開催により、障害のある人を見守る人への教育を推進します。また、地域における見守りネットワークの設置を促進し、消費者被害の防止を図ります。 ○ 判断能力が十分でない人が消費者被害にあわないように、本人の法律行為を助ける成年後見制度の普及に努めます。 ○ 県・市町の消費生活相談窓口や「障害者ひゃくとおばん」などにおいて、障害のある人の消費者トラブルに関する相談に対応します。また、メールやファックス等による消費生活相談の受付など、障害のある人の特性に配慮した消費生活相談体制の整備を図ります。 第4部 プランの数値目標・見込量 第1章 障害者を取り巻く現状と課題 1 概要 障害者総合支援法第89条及び児童福祉法第33条の22に基づき、2018年度から2020年度までの障害福祉サービス、地域生活支援事業及び障害児通所支援等の数値目標及び見込量を定めるものです。なお、数値目標及び見込量については、市町の見込の積み上げと、国の指針や県の方向性を踏まえて定めたものです。 2 数値目標 これまでの実績等を踏まえて、以下のとおり2020年度の数値目標を定めます。 なお、2021年度以降の数値目標については、2020年度以降に検討することとしています。 (1)施設入所者の地域生活への移行 地域生活への移行を進めるため、施設入所者のうち、今後、グループホーム、一般住宅等に移行する者の数について次のとおり数値目標を定めます。 施設入所者数 2017年度末実績 1618人、2020年度末目標 1568人。 施設入所者数の削減見込数 2020年度末目標 50人、割合 3.1%(割合については削減見込数を2017年度実績で除した値)。 地域生活への移行者数 2020年度末目標 105人、割合 6.5%(施設入所者のうち、グループホーム等へ地域移行した者の数の累計) (2)精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 精神障害のある人が、地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、精神障害(発達障害及び高次脳機能障害を含む。)にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向け、保健、医療、福祉関係者による協議の場について、2020年度末までに全ての圏域及び市町において設置することとします。 また、精神科病院からの早期退院及び地域移行を進めるため、次のとおり数値目標を定めます。 精神病床における入院後3ヵ月時点の退院率(精神科病院に新規入院した者で、3ヵ月以内に退院した者の割合) 2016年度末実績 60.8%、2020年度目標 69.0%。 精神病床における入院後6ヵ月時点の退院率(精神科病院に新規入院した者で、6ヵ月以内に退院した者の割合) 2016年度末実績 82.1%、2020年度目標 84.0%。 精神病床における入院後12ヵ月時点の退院率(精神科病院に新規入院した者で、1年以内に退院した者の割合) 2016年度末実績 90.4%、2020年度目標 91.0%。 精神病床における1年以上長期入院患者数(精神科病院への入院期間が1年以上である者の数) 65歳以上 2016年度末実績 1266人、2020年度目標 1175人、65歳未満  2016年度末実績 728人、2020年度目標 514人。 (3)福祉施設から一般就労への移行等 福祉施設における就労支援を強化するため、福祉施設から一般就労に移行する者等について、次のとおり数値目標を定めます。 福祉施設から一般就労への移行者数(福祉施設を退所し、一般就労した者の数) 2017年度末実績 144人、2020年度末目標 138人。 就労移行支援事業の利用者数 2017年度末実績 208人、2020年度末目標 323人。 就労移行支援事業所のうち、就労移行率が3割以上の事業所の割合(就労移行率とは、4月1日時点の就労移行支援事業の利用者数のうち、当該年度中に一般就労へ移行した者の割合です。) 2016年度実績 32.3%、2020年度末目標 50.0%。 就労定着支援事業による支援開始1年後の職場定着率(一般就労に移行した者に対する支援を開始した時点から1年後の職場定着率) 2019年度末目標及び2020年度末目標 80.0%。 (4)就労継続支援(Bがた)事業の工賃月額引き上げ目標 就労継続支援(Bがた)事業利用者の工賃水準を高めるため、2018年度に「石川県障害者就労施設工賃引上げ計画」を見直し、工賃目標を以下のとおり設定しています。 工賃平均月額 2017年度実績 16552円、2020年度目標 18500円。 (5)地域生活支援拠点等の整備 障害のある人の地域生活を支援するために必要となる機能(@相談 A緊急じの受け入れ・対応 B体験の機会・場 C専門的人材の確保・養成 D地域の体制づくり)を集約した拠点等について、2020年度末までに、かく圏域に少なくとも1ヵ所整備することとします。 (6)障害児支援の提供体制の整備等 児童発達支援センターを中核とした重層的な地域支援体制の構築を目指すため、2020年度末までに、児童発達支援センターを各圏域に少なくとも1ヵ所整備するとともに、県内全域において、保育所等訪問支援を利用できる体制を構築することとします。 また、重症心身障害のある子どもが身近な地域で支援を受けられるように、2020年度末までに、主に重症心身障害のある子どもを支援する児童発達支援事業所及び放課後等デイサービス事業所を各圏域に少なくとも1ヵ所整備します。 そのほか、人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引やけいかん栄養などの医療的ケアが必要な障害のある子ども(医療的ケアじ)が適切な支援を受けられるように、2018年度末までに、保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関等が連携を図るための協議の場を県並びに全ての圏域及び市町において設置し、体制の整備を図っています。 3 サービス見込量 (1)障害福祉サービス等の見込量 障害福祉サービス及び相談支援のサービス見込量について、これまでの利用実績の伸び等をもとに市町の見込量を積み上げ、次のとおり定めます。 ○障害福祉サービス等の種類 居宅介護 自宅で、入浴、排せつ、食事の介護等を行う 重度訪問介護 重度の肢体不自由者で常に介護を必要とする人等に、自宅で、入浴、排せつ、食事の介護、外出時における移動支援などを総合的に行う 同行援護 視覚障害により、移動に著しい困難を有する人に、移動に必要な情報の提供(代筆・代読を含む)、移動の援護等の外出支援を行う 行動援護 自己判断能力が制限されている人が行動するときに、危険を回避するために必要な支援、外出支援を行う 重度障害者とう包括支援 介護の必要性がとても高い人に、居宅介護等複数のサービスを包括的に行う 生活介護 常に介護を必要とする人に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、創作的活動または生産活動の機会を提供する 自立訓練(機能訓練) 自立した日常生活または社会生活ができるよう、一定期間、身体機能の向上のために必要な訓練を行う 自立訓練(生活訓練) 自立した日常生活または社会生活ができるよう、一定期間、生活能力の向上のために必要な訓練を行う 就労移行支援 一般企業等への就労を希望する人に、一定期間、就労の必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う 就労継続支援(Aがた) 一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う(雇用がた) 就労継続支援(Bがた) 一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う(非雇用がた) 就労定着支援 一般就労に移行した人に、就労に伴う生活面の課題に対応するための支援を行う 療養介護 医療と常時介護を必要とする人に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、介護及び日常生活の世話を行う 短期入所 自宅で介護する人が病気の場合などに、短期間、夜間も含め施設で、入浴、排せつ、食事の介護等を行う 自立生活援助 一人暮らしに必要な理解力・生活力等を補うため、定期的な居宅訪問や随時の対応により必要な支援を行う 共同生活援助 夜間や休日、共同生活を行う住居で、入浴、排せつ、食事の介護、日常生活上の援助等を行う 施設入所支援 施設に入所する人に、夜間や休日、入浴、排せつ、食事の介護等を行う 以上のサービスは、障害福祉サービスです。 計画相談支援 障害のある人の心身の状況、置かれている環境、サービスの利用意向その他の内容を記載したサービス等利用計画の作成及び見直しを行う 地域移行支援 施設に入所する人等に、住居の確保その他地域における生活に移行するための活動に関する相談支援を行う 地域定着支援 居宅において単身等で生活する人に、常時の連絡体制を確保し、障害の特性に起因して生じた緊急じに相談支援を行う 障害児相談支援 障害のある子どもの心身の状況、置かれている環境、サービスの利用意向その他の内容を記載した障害児支援利用計画の作成及び見直しを行う 以上のサービスは、相談支援です。 児童発達支援 未就学の障害のある子どもに、日常生活における基本的な動作指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練を行う 放課後とうデイサービス 学校就学中の障害のある子どもに、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力向上のための訓練等を行う 保育所とう訪問支援 保育所等を現在利用中の障害のある子ども等に、訪問により、保育所等における集団生活の適応のための専門的な支援を行う 居宅訪問型児童発達支援 重度の障害等があり外出が著しく困難な子どもに、居宅訪問により、日常生活における基本的な動作指導、知識技能の付与、生活能力向上のための訓練等を行う 以上のサービスは、障害児通所支援です。 福祉型障害児入所施設 障害のある子どもを入所させ、日常生活の指導、独立自活に必要な知識技能の付与を行う 医療型障害児入所施設 障害のある子どもを入所させ、日常生活の指導、独立自活に必要な知識技能の付与、治療を行う 以上のサービスは、障害児入所支援です。 @ サービス見込量(県全域) 単位について。 時間は月間のサービス提供時間、人は月間の利用人数、にんにちは「月間の利用人数」に「一人が1月に利用する平均日数」をかけたものです。 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者とう包括支援 2017年度実績 23221時間、1311人、2018年度見込 26282時間、1414人、2019年度見込 27591時間、1484人、2020年度見込 28959時間、1558人。 生活介護 2017年度実績 54982にんにち、2703人、2018年度見込 54339にんにち、2760人、2019年度見込 55468にんにち、2814人、2020年度見込 56614にんにち、2870人。 自立訓練(機能訓練) 2017年度実績 1058にんにち、82人、2018年度見込 1180にんにち、96人、2019年度見込 1244にんにち、102人、2020年度見込 1309にんにち、109人。 自立訓練(生活訓練) 2017年度実績 1211にんにち、91人、2018年度見込 1468にんにち、107人、2019年度見込 1633にんにち、119人、2020年度見込 1844にんにち、132人。 就労移行支援 2017年度実績 3332にんにち、208人、2018年度見込 4249にんにち、250人、2019年度見込 4966にんにち、285人、2020年度見込 5640にんにち、323人。 就労継続支援(Aがた) 2017年度実績 22334にんにち、1107人、2018年度見込 22997にんにち、1134人、2019年度見込 24215にんにち、1200人、2020年度見込 25427にんにち、1264人。 就労継続支援(Bがた) 2017年度実績 44342にんにち、2517人、2018年度見込 45697にんにち、2570人、2019年度見込 47422にんにち、2663人、2020年度見込 48988にんにち、2753人。 就労定着支援 2018年度見込 46人、2019年度見込 51人、2020年度見込 58人。 療養介護 2017年度実績 304人、2018年度見込 312人、2019年度見込 323人、2020年度見込 330人。 短期入所 2017年度実績 2741にんにち、492人、2018年度見込 2795にんにち、617人、2019年度見込 3165にんにち、685人、2020年度見込 3529にんにち、749人。 自立生活援助 2018年度見込 27人、2019年度見込 40人、2020年度見込 53人。 共同生活援助 2017年度実績 1195人、2018年度見込 1249人、2019年度見込 1318人、2020年度見込 1413人。 施設入所支援 2017年度実績 1618人、2018年度見込 1612人、2019年度見込 1593人、2020年度見込 1568人。 計画相談支援 2017年度実績 1774人、2018年度見込 1813人、2019年度見込 1936人、2020年度見込 2066人。 地域移行支援 2017年度実績 17人、2018年度見込 32人、2019年度見込 32人、2020年度見込 36人。 地域定着支援 2017年度実績 63人、2018年度見込 84人、2019年度見込 93人、2020年度見込 104人。 児童発達支援 2017年度実績 2983にんにち、316人、2018年度見込 3177にんにち、324人、2019年度見込 3536にんにち、363人、2020年度見込 3874にんにち、401人。 放課後とうデイサービス 2017年度実績 19118にんにち、1344人、2018年度見込 20404にんにち、1489人、2019年度見込 22421にんにち、1624人、2020年度見込 24588にんにち、1765人。 保育所とう訪問支援 2017年度実績 5にんにち、5人、2018年度見込 22にんにち、18人、2019年度見込 29にんにち、24人、2020年度見込 41にんにち、30人。 居宅訪問型児童発達支援 2018年度見込 34にんにち、9人、2019年度見込 36にんにち、10人、2020年度見込 41にんにち、13人。 福祉型障害児入所施設 2017年度実績 37人、2018年度見込 41人、2019年度見込 41人、2020年度見込 41人。 医療型障害児入所施設 2017年度実績 85人、2018年度見込 87人、2019年度見込 87人、2020年度見込 87人。 障害児相談支援 2017年度実績 412人、2018年度見込 421人、2019年度見込 459人、2020年度見込 500人。 A サービス見込量(南加賀) 単位について。 時間は月間のサービス提供時間、人は月間の利用人数、にんにちは「月間の利用人数」に「一人が1月に利用する平均日数」をかけたものです。 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者とう包括支援 2017年度実績 2271時間、230人、2018年度見込 2670時間、237人、2019年度見込 2752時間、245人、2020年度見込 2815時間、252人。 生活介護 2017年度実績 11669にんにち、581人、2018年度見込 11934にんにち、588人、2019年度見込 12242にんにち、602人、2020年度見込 12578にんにち、617人。 自立訓練(機能訓練) 2017年度実績 15にんにち、2人、2018年度見込 33にんにち、3人、2019年度見込 42にんにち、4人、2020年度見込 51にんにち、5人。 自立訓練(生活訓練) 2017年度実績 66にんにち、4人、2018年度見込 99にんにち、6人、2019年度見込 114にんにち、7人、2020年度見込 149にんにち、9人。 就労移行支援 2017年度実績 144にんにち、10人、2018年度見込 275にんにち、19人、2019年度見込 405にんにち、26人、2020年度見込 505にんにち、32人。 就労継続支援(Aがた) 2017年度実績 4537にんにち、231人、2018年度見込 4997にんにち、249人、2019年度見込 5258にんにち、262人、2020年度見込 5519にんにち、275人。 就労継続支援(Bがた) 2017年度実績 9237にんにち、517人、2018年度見込 9892にんにち、543人、2019年度見込 10454にんにち、570人、2020年度見込 10933にんにち、598人。 就労定着支援 2018年度見込 8人、2019年度見込 10人、2020年度見込 12人。 療養介護 2017年度実績 83人、2018年度見込 85人、2019年度見込 87人、2020年度見込 88人。 短期入所 2017年度実績 435にんにち、71人、2018年度見込 524にんにち、102人、2019年度見込 568にんにち、110人、2020年度見込 610にんにち、117人。 自立生活援助 2018年度見込 4人、2019年度見込 6人、2020年度見込 8人。 共同生活援助 2017年度実績 246人、2018年度見込 262人、2019年度見込 274人、2020年度見込 281人。 施設入所支援 2017年度実績 345人、2018年度見込 333人、2019年度見込 331人、2020年度見込 326人。 計画相談支援 2017年度実績 373人、2018年度見込 372人、2019年度見込 394人、2020年度見込 414人。 地域移行支援 2017年度実績 11人、2018年度見込 7人、2019年度見込 5人、2020年度見込 5人。 地域定着支援 2017年度実績 9人、2018年度見込 13人、2019年度見込 15人、2020年度見込 17人。 児童発達支援 2017年度実績 548にんにち、89人、2018年度見込 588にんにち、84人、2019年度見込 616にんにち、87人、2020年度見込 636にんにち、89人。 放課後とうデイサービス 2017年度実績 3820にんにち、254人、2018年度見込 3689にんにち、267人、2019年度見込 3903にんにち、283人、2020年度見込 4105にんにち、298人。 保育所とう訪問支援 2017年度実績 3にんにち、3人、2018年度見込 5にんにち、4人、2019年度見込 8にんにち、6人、2020年度見込 10にんにち、7人。 居宅訪問型児童発達支援 2018年度見込 4にんにち、3人、2019年度見込 6にんにち、4人、2020年度見込 8にんにち、5人。 障害児相談支援 2017年度実績 91人、2018年度見込 94人、2019年度見込 102人、2020年度見込 110人。 B サービス見込量(石川中央) 単位について。 時間は月間のサービス提供時間、人は月間の利用人数、にんにちは「月間の利用人数」に「一人が1月に利用する平均日数」をかけたものです。 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者とう包括支援 2017年度実績 18323時間、869人、2018年度見込 20480時間、924人、2019年度見込 21595時間、974人、2020年度見込 22695時間、1023人。 生活介護 2017年度実績 29819にんにち、1464人、2018年度見込 28664にんにち、1483人、2019年度見込 29182にんにち、1508人、2020年度見込 29710にんにち、1535人。 自立訓練(機能訓練) 2017年度実績 310にんにち、27人、2018年度見込 293にんにち、30人、2019年度見込 319にんにち、33人、2020年度見込 346にんにち、36人。 自立訓練(生活訓練) 2017年度実績 847にんにち、65人、2018年度見込 934にんにち、71人、2019年度見込 983にんにち、75人、2020年度見込 1018にんにち、78人。 就労移行支援 2017年度実績 2720にんにち、173人、2018年度見込 3354にんにち、198人、2019年度見込 3813にんにち、222人、2020年度見込 4325にんにち、251人。 就労継続支援(Aがた) 2017年度実績 15546にんにち、765人、2018年度見込 15830にんにち、771人、2019年度見込 16463にんにち、806人、2020年度見込 17121にんにち、841人。 就労継続支援(Bがた) 2017年度実績 24682にんにち、1422人、2018年度見込 25034にんにち、1419人、2019年度見込 25751にんにち、1460人、2020年度見込 26499にんにち、1502人。 就労定着支援 2018年度見込 30人、2019年度見込 32人、2020年度見込 36人。 療養介護 2017年度実績 144人、2018年度見込 148人、2019年度見込 155人、2020年度見込 158人。 短期入所 2017年度実績 1558にんにち、340人、2018年度見込 1546にんにち、430人、2019年度見込 1782にんにち、478人、2020年度見込 2004にんにち、523人。 自立生活援助 2018年度見込 15人、2019年度見込 22人、2020年度見込 29人。 共同生活援助 2017年度実績 662人、2018年度見込 685人、2019年度見込 728人、2020年度見込 799人。 施設入所支援 2017年度実績 749人、2018年度見込 749人、2019年度見込 744人、2020年度見込 737人。 計画相談支援 2017年度実績 961人、2018年度見込 1049人、2019年度見込 1120人、2020年度見込 1197人。 地域移行支援 2017年度実績 5人、2018年度見込 13人、2019年度見込 15人、2020年度見込 18人。 地域定着支援 2017年度実績 41人、2018年度見込 49人、2019年度見込 55人、2020年度見込 62人。 児童発達支援 2017年度実績 2244にんにち、210人、2018年度見込 2434にんにち、220人、2019年度見込 2755にんにち、253人、2020年度見込 3050にんにち、286人。 放課後とうデイサービス 2017年度実績 12643にんにち、926人、2018年度見込 14139にんにち、1039人、2019年度見込 15675にんにち、1142人、2020年度見込 17332にんにち、1252人。 保育所とう訪問支援 2017年度実績 2にんにち、2人、2018年度見込 17にんにち、14人、2019年度見込 21にんにち、18人、2020年度見込 27にんにち、21人。 居宅訪問型児童発達支援 2018年度見込 30にんにち、6人、2019年度見込 30にんにち、6人、2020年度見込 31にんにち、7人。 障害児相談支援 2017年度実績 268人、2018年度見込 276人、2019年度見込 301人、2020年度見込 327人。 C サービス見込量(能登中部) 単位について。 時間は月間のサービス提供時間、人は月間の利用人数、にんにちは「月間の利用人数」に「一人が1月に利用する平均日数」をかけたものです。 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者とう包括支援 2017年度実績 2090時間、145人、2018年度見込 2132時間、167人、2019年度見込 2175時間、172人、2020年度見込 2237時間、179人。 生活介護 2017年度実績 8065にんにち、386人、2018年度見込 8145にんにち、400人、2019年度見込 8370にんにち、411人、2020年度見込 8512にんにち、418人。 自立訓練(機能訓練) 2017年度実績 710にんにち、52人、2018年度見込 726にんにち、56人、2019年度見込 744にんにち、57人、2020年度見込 762にんにち、59人。 自立訓練(生活訓練) 2017年度実績 127にんにち、11人、2018年度見込 227にんにち、16人、2019年度見込 268にんにち、19人、2020年度見込 334にんにち、22人。 就労移行支援 2017年度実績 374にんにち、20人、2018年度見込 520にんにち、28人、2019年度見込 602にんにち、30人、2020年度見込 646にんにち、32人。 就労継続支援(Aがた) 2017年度実績 1419にんにち、66人、2018年度見込 1411にんにち、68人、2019年度見込 1649にんにち、79人、2020年度見込 1864にんにち、89人。 就労継続支援(Bがた) 2017年度実績 6459にんにち、351人、2018年度見込 6767にんにち、372人、2019年度見込 7003にんにち、384人、2020年度見込 7164にんにち、393人。 就労定着支援 2018年度見込 6人、2019年度見込 6人、2020年度見込 7人。 療養介護 2017年度実績 50人、2018年度見込 51人、2019年度見込 51人、2020年度見込 52人。 短期入所 2017年度実績 438にんにち、48人、2018年度見込 408にんにち、46人、2019年度見込 429にんにち、49人、2020年度見込 439にんにち、50人。 自立生活援助 2018年度見込 5人、2019年度見込 6人、2020年度見込 7人。 共同生活援助 2017年度実績 175人、2018年度見込 183人、2019年度見込 187人、2020年度見込 193人。 施設入所支援 2017年度実績 312人、2018年度見込 313人、2019年度見込 306人、2020年度見込 298人。 計画相談支援 2017年度実績 209人、2018年度見込 188人、2019年度見込 201人、2020年度見込 217人。 地域移行支援 2017年度実績 1人、2018年度見込 8人、2019年度見込 8人、2020年度見込 9人。 地域定着支援 2017年度実績 13人、2018年度見込 18人、2019年度見込 19人、2020年度見込 21人。 児童発達支援 2017年度実績 146にんにち、13人、2018年度見込 120にんにち、16人、2019年度見込 130にんにち、19人、2020年度見込 153にんにち、22人。 放課後とうデイサービス 2017年度実績 2100にんにち、129人、2018年度見込 2002にんにち、145人、2019年度見込 2238にんにち、159人、2020年度見込 2497にんにち、172人。 保育所とう訪問支援 2017年度実績 0にんにち、0人、2018年度見込 0にんにち、0人、2019年度見込 0にんにち、0人、2020年度見込 2にんにち、1人。 居宅訪問型児童発達支援 2018年度見込 0にんにち、0人、2019年度見込 0にんにち、0人、2020年度見込 2にんにち、1人。 障害児相談支援 2017年度実績 36人、2018年度見込 31人、2019年度見込 34人、2020年度見込 39人。 D サービス見込量(能登北部) 単位について。 時間は月間のサービス提供時間、人は月間の利用人数、にんにちは「月間の利用人数」に「一人が1月に利用する平均日数」をかけたものです。 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者とう包括支援 2017年度実績 537時間、67人、2018年度見込 1000時間、86人、2019年度見込 1069時間、93人、2020年度見込 1212時間、104人。 生活介護 2017年度実績 5429にんにち、272人、2018年度見込 5596にんにち、289人、2019年度見込 5674にんにち、293人、2020年度見込 5814にんにち、300人。 自立訓練(機能訓練) 2017年度実績 23にんにち、1人、2018年度見込 128にんにち、7人、2019年度見込 139にんにち、8人、2020年度見込 150にんにち、9人。 自立訓練(生活訓練) 2017年度実績 171にんにち、11人、2018年度見込 208にんにち、14人、2019年度見込 268にんにち、18人、2020年度見込 343にんにち、23人。 就労移行支援 2017年度実績 94にんにち、5人、2018年度見込 100にんにち、5人、2019年度見込 146にんにち、7人、2020年度見込 164にんにち、8人。 就労継続支援(Aがた) 2017年度実績 832にんにち、45人、2018年度見込 759にんにち、46人、2019年度見込 845にんにち、53人、2020年度見込 923にんにち、59人。 就労継続支援(Bがた) 2017年度実績 3964にんにち、227人、2018年度見込 4004にんにち、236人、2019年度見込 4214にんにち、249人、2020年度見込 4392にんにち、260人。 就労定着支援 2018年度見込 2人、2019年度見込 3人、2020年度見込 3人。 療養介護 2017年度実績 27人、2018年度見込 28人、2019年度見込 30人、2020年度見込 32人。 短期入所 2017年度実績 310にんにち、33人、2018年度見込 317にんにち、39人、2019年度見込 386にんにち、48人、2020年度見込 476にんにち、59人。 自立生活援助 2018年度見込 3人、2019年度見込 6人、2020年度見込 9人。 共同生活援助 2017年度実績 112人、2018年度見込 119人、2019年度見込 129人、2020年度見込 140人。 施設入所支援 2017年度実績 212人、2018年度見込 217人、2019年度見込 212人、2020年度見込 207人。 計画相談支援 2017年度実績 231人、2018年度見込 204人、2019年度見込 221人、2020年度見込 238人。 地域移行支援 2017年度実績 0人、2018年度見込 4人、2019年度見込 4人、2020年度見込 4人。 地域定着支援 2017年度実績 0人、2018年度見込 4人、2019年度見込 4人、2020年度見込 4人。 児童発達支援 2017年度実績 45にんにち、4人、2018年度見込 35にんにち、4人、2019年度見込 35にんにち、4人、2020年度見込 35にんにち、4人。 放課後とうデイサービス 2017年度実績 555にんにち、35人、2018年度見込 574にんにち、38人、2019年度見込 605にんにち、40人、2020年度見込 654にんにち、43人。 保育所とう訪問支援 2017年度実績 0にんにち、0人、2018年度見込 0にんにち、0人、2019年度見込 0にんにち、0人、2020年度見込 2にんにち、1人。 居宅訪問型児童発達支援 2018年度見込 0にんにち、0人、2019年度見込 0にんにち、0人、2020年度見込 0にんにち、0人。 障害児相談支援 2017年度実績 17人、2018年度見込 20人、2019年度見込 22人、2020年度見込 24人。 (2)地域生活支援事業の見込量 障害のある人が地域で生活を営むことができるように、市町は地域の実情に応じて、相談支援やコミュニケーション支援といった地域生活支援事業を実施しています。 県では、専門性が高い相談支援や広域的な対応が必要な事業を実施することとなっていることから、次のとおり専門性が高い相談支援の利用見込量を定めます。 発達障害者支援センター 2017年度実績 実施箇所数2箇所、利用者数1948人、2018年度見込 実施箇所数2箇所、利用者数2155人、2019年度見込 実施箇所数2箇所、利用者数2200人、2020年度見込 実施箇所数2箇所、利用者数2245人。 障害者就業・生活支援センター 2017年度実績 実施箇所数3箇所、利用者数1753人、2018年度見込 実施箇所数3箇所、利用者数1745人、2019年度見込 実施箇所数3箇所、利用者数1900人、2020年度見込 実施箇所数3箇所、利用者数2069人。 高次脳機能障害相談・支援センター 2017年度実績 実施箇所数1箇所、利用者数127人、2018年度見込 実施箇所数1箇所、利用者数120人、2019年度見込 実施箇所数1箇所、利用者数125人、2020年度見込 実施箇所数1箇所、利用者数130人。 (3)障害者雇用の推進に関する活動指標 就労支援機関と連携して障害者雇用を推進するため、次のとおり障害者雇用に関する事業の見込量を定めます。 就労移行支援事業及び就労継続支援事業の利用者の一般就労への移行者数(就労移行支援、就労継続支援Aがた、就労継続支援Bがた利用者のうち、一般就労した者の数(以下「一般就労者数」という。)) 2017年度実績 144人、2020年度見込 138人。 職業訓練の受講者数(一般就労者数のうち、県、国の職業訓練を受講した者の数) 2017年度実績 37人、2020年度見込 81人。 福祉施設から公共職業安定所への誘導者数(一般就労者数のうち、公共職業安定所を利用した者の数) 2017年度実績 101人、2020年度見込 138人。 福祉施設から障害者就業・生活支援センターへの誘導者数(一般就労者数のうち、障害者就業・生活支援センターの支援を受けた者の数) 2017年度実績 24人、2020年度見込 39人。 福祉施設利用者のうち公共職業安定所の支援を受け就職する者の数( 一般就労者数のうち、公共職業安定所の支援を受け就職した者の数) 2017年度実績 55人、2020年度見込 121人。 (4)発達障害者・発達障害児に対する支援に関する活動指標 発達障害のある人・発達障害のある子どもが可能な限り身近な場所において必要な支援を受けられるよう、次のとおり発達障害のある人・発達障害のある子どもに対する支援に関する事業の見込量を定めます。 発達障害者支援地域協議会の開催回数 2017年度実績 1回、2018年度見込 1回、2019年度見込 1回、2020年度見込 1回。 発達障害者支援センターによる相談支援件数 2017年度実績 9880件、2018年度見込 10995件、2019年度見込 11160件、2020年度見込 11325件 発達障害者支援センターの関係機関への助言件数 2017年度実績 2954件、2018年度見込 3040件、2019年度見込 3225件、2020年度見込 3410件。 発達障害者地域支援マネージャーの関係機関への助言件数 2017年度実績 61件、2018年度見込 70件、2019年度見込 70件、2020年度見込 70件。 発達障害者支援センター及び発達障害者地域支援マネージャーの外部機関や地域住民への研修、啓発件数 2017年度実績 110件、2018年度見込 115件、2019年度見込 120件、2020年度見込 125件。 (5)医療的ケアじに対する支援に関する活動指標 医療的ケアじに対する総合的な支援体制の構築に向けて、次のとおり医療的ケアじに対する関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置人数に係る見込量を定めます。 医療的ケアじに対する関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置人数 2018年度見込 5人、2019年度見込 7人、2020年度見込 15人。 第2章 その他の数値目標 第1章の数値目標の他に、障害者施策を効果的に推進するため、これまでの実績を踏まえ、以下の目標を設定します。 障害者スポーツ指導員養成者数 2017年度実績 519人、2023年度目標 650人。 県障害者スポーツ大会参加者数 2017年度実績 1131人、2023年度目標 1300人。 身体障害者補助けん延べ給付とうすう(盲導犬等) 2017年度実績 81とう、2023年度目標 94とう。 いしかわ支え合い駐車場登録駐車区画数 2017年度実績 1183区画、2023年度目標 1400区画。 手話通訳者登録数 2017年度実績 93人、2023年度目標 120人。 公益的建築物のバリアフリー化率 2017年度実績 67%、2023年度目標 80%。 ほしゃ分離、高齢者感応、歩行者感応、視覚障害者付加装置、音響式視覚障害者誘導装置、LEDとうきを交通環境に応じて整備した信号機など、障害者に配慮した信号機の整備 2017年度実績 53%、2023年度目標 65%。 参考資料 石川県障害者アンケート調査結果 1 調査の概要 (1)調査時期 平成29年9月 (2)調査対象 県内に居住する障害者を「身体障害」「知的障害」「精神障害」の種類別に区分し、市町ごとに5%を無作為抽出 身体障害・・・身体障害者手帳所持者 知的障害・・・療育所持者 精神障害・・・精神通院公費負担対象者及び精神科病院入院者 (3)調査方法 郵送による配付と回収(無記名による) なお、施設入所者、病院入院者については、当該施設等に送付し、配付を依頼 (4)標本数・回収実績 身体障害 配布数 2199人、有効回答数 1238人、有効回答率 56.3%。 知的障害 配布数 430人、有効回答数 243人、有効回答率 56.5%。 精神障害 配布数 918人、有効回答数 460人、有効回答率50.1%。 合計 配布数 3547人、有効回答数 1941人、有効回答率 54.7%。 2 調査結果@(生活関係抜粋) (1)現在の生活場所 身体障害、知的障害、精神障害のいずれも「持ち家」が最も多く、次いで「借家・アパート」となっており、両者で8割以上を占めている。 「グループホーム」は、精神障害が4.6%、知的障害が2.5%となっており、「入所施設」は、知的障害が6.6%、身体障害が5.7%、精神障害が4.3%となっている。 (2)将来、希望する生活場所 (1)の「現在の生活場所」と比較して、身体障害、知的障害、精神障害のいずれも「持ち家」「借家・アパート」の割合が減少し、「グループホーム」「入所施設」の割合が増加している。 特に、知的障害の変化が顕著であり、「持ち家」が70.4%から44.4%に減少しているのに対し、「グループホーム」は2.5%から15.6%に、「入所施設」が6.6%から18.9%に大きく増加している。 (3)同居者 生活場所における同居者を複数回答で尋ねた。 身体障害は「配偶者」が56.0%と最も多く、「子供」が31.6%、「父母」が14.2%の順になっている。 知的障害は「父母」が73.3%と全体のなかで最も多く、「兄弟姉妹」が45.3%、「祖父母」が18.1%の順になっている。「配偶者」や「子供」は他と比較して低い割合になっている。 精神障害は「父母」が36.1%と最も多く、次いで「配偶者」が25.9%となっている。「同居者がいない」(一人暮らし)が22.6%、「入所・入院中」が12.8%と、他と比較して高い割合となっている。 (4)日常生活での介助の必要性 「介助は必要」と回答したのは、身体障害が51.9%、知的障害が70.8%、精神障害が43.3%となっており、知的障害が最も割合が高くなっている。 (5)日常生活で必要な介助の内容 介助が必要であると回答した人を対象に、必要な介助の内容を複数回答で尋ねた。 「掃除、買い物等の家事介護」、「外出支援」の割合が高くなっているが、用意したいつつの選択肢である、入浴、食事、トイレ、着替え等の身体介護、掃除、買い物等の身体介護、外出支援すべてにおいて多くの回答が見られる。 障害別では、入浴やトイレ、着替え等の身体的な介助は、身体障害が必要性が高く、精神障害は低くなっている。 (6)主に介助している人 介助が必要であると回答した人を対象に、主に介助している人を複数回答で尋ねた。 身体障害は、「配偶者」が43.5%と最も多く、「施設職員」が22.7%、「子供」が22.4%の順となっている。 知的障害は「父母」が81.4%と全体の中で最も多く、「施設職員」が26.7%、「祖父母」「兄弟姉妹」が9.9%の順となっている。 精神障害は「父母」が27.6%と最も多く、「施設職員」が26.1%、「配偶者」が17.6%の順となっている。「看護師」が16.6%、「ホームヘルパー」が13.6%であり、施設・病院関係の割合が多い。 調査結果A(スポーツ、文化芸術関係抜粋) (1)過去1年間にスポーツ・レクリエーションをしたか 過去1年間にスポーツ・レクリエーションをしたと回答したのは、身体障害が50.9%、知的障害が65.0%、精神障害が62.8%となっており、知的障害が最も高い割合となっている。 (2)過去1年間にしたスポーツ・レクリエーションの種類 過去1年間にスポーツ・レクリエーションをしたと回答した人を対象に、その内容を複数回答で尋ねた。 身体障害、知的障害、精神障害に共通して「ウォーキング・散歩」が最も多く、次いで「体操」となっている。 知的障害は「水泳」が33.5%、「陸上」が8.9%、「サッカー」が7.6%と、他と比較して高い割合となっている。 (3)過去1年間に文化芸術活動をしたか 過去1年間に文化芸術活動をしたと回答したのは、身体障害が27.1%、知的障害が39.9%、精神障害が44.6%となっており、精神障害が最も高い割合となっている。 (4)過去1年間にした文化芸術活動の種類 過去1年間に文化芸術活動をしたと回答した人を対象に、その内容を複数回答で尋ねた。身体障害、知的障害、精神障害に共通して「音楽」が最も多い。 知的障害は「絵画」が35.1%、「演劇」が24.7%と、他と比較して高い割合となっている。 精神障害は「手芸」28.8%、「詩・作文」が18.0%と、高い割合となっている。 調査結果B(収入・就労関係抜粋) (1)主な収入の内容 どのような収入があるかを複数回答で尋ねた。身体障害、知的障害、精神障害に共通して「年金」が最も多く、次いで「就労収入」が多い。 知的障害は「特別児童扶養手当」の割合が多い。 (2)就労の有無 就労の有無について、身体障害が25.8%、知的障害が46.1%、精神障害が34.1%で働いていると回答しており、知的障害の割合が最も高い。 7年前の平成22年度の調査と比較すると、身体障害が21.9%から25.8%に、知的障害が42.3%から46.1%に、精神障害が19.9%から34.1%でいずれも「働いている」割合が増えており、精神障害の増加率が大きい結果となっている。 (3)就労先 働いていると回答した人を対象に、その就労先を尋ねた。 身体障害は「会社」が42.2%と最も多く、「自営」が34.4%となっている。 知的障害は「就労支援事業所」が63.4%と、他と比較して最も高い割合となっている。 精神障害は「会社」(36.3%)に次いで、「就労支援事業所」が31.4%と高い割合になっている。 7年前の平成22年度の調査と比較すると、「就労支援事業所」の割合が、知的障害が55.9%から63.4%に、精神障害が19.8%から31.4%で大きく増加している。 (4)働いていない理由 働いていないと回答した人を対象に、働いていない理由を尋ねた。 身体障害は「高齢のため」が35.1%、「障害が重度のため」が17.3%と多い理由になっている。 知的障害は「その他」が56.9%となっているが、就業年齢でないことが多数の回答理由であった。 精神障害は「病気のため」が36.6%と最も多い理由となっている。 調査結果C(悩み・不安関係抜粋) (1)悩みや不安の有無 悩みや不安があると回答したのは、身体障害が64.4%、知的障害が58.0%、精神障害が75.4%となっており、精神障害の割合が最も高い。 7年前の平成22年度の調査と比較して、身体障害が60.6%から64.4%に、知的障害が46.1%から58.0%に、精神障害が69.7%から75.4%でいずれも悩みや不安があると回答した人の割合が増加している。 (2)障害に対する周囲の理解度 障害に対する周囲の理解が進んでいるかを尋ねた。 7年前の平成22年度の調査と比較して、「進んでいる」と回答している割合は、身体障害が17.6%から24.6%に、知的障害が5.0%から12.8%に、精神障害が12.9%から16.1%で、3障害のいずれも増加している。 逆に、「まったく進んでいない」と回答している割合は、身体障害が7.9%から6.3%に、知的障害が14.9%から10.3%に、精神障害が21.2%から11.1%と、3障害のいずれも減少しており、全体として、理解が進んでいる傾向があると考えられる。 用語の解説 ◇アイシーティー(Information and Communication Technology) 情報通信技術のこと。コンピュータを利用して情報の処理を効率化する技術全般を指す。 ◇アスペルガー症候群 他人との社会的関係の形成に困難があり、興味関心が狭く特定のものにこだわる等の特徴があるが、言語や認知の発達に遅れがみられないもの。 ◇石川県障害者就労施設工賃引上げ計画 就労継続支援Bがた事業所等の工賃水準の引き上げを目指し、平成20年10月に策定した計画。 ◇インクルーシブ教育システム 障害の有無に関係なく、全ての子どもを対象として、学校や地域社会が個々の子どものニーズに対応して行う教育。 ◇エヌアイシーユー(Neonatal Intensive Care Unit) 早産や低体重、先天性の障害などにより集中治療を必要とする新生児のために、必要な設備と医療スタッフを備えた集中治療室。 ◇学習障害(LD) 全般的な知的発達に遅れはないが、読む、書く、計算するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難がある状態。 ◇教育支援計画 福祉、医療、労働等の関係機関との連携を図りつつ、長期的視点で乳幼児期から学校卒業後までを通じて一貫して的確な教育的支援を行うために、障害のある児童生徒一人ひとりについて作成した計画。 ◇強度行動障害 生活環境への著しい不適応状態で、激しい不安、興奮、混乱などを示し、結果的に多動、じしょう、異食、固執などの行動が日常生活の中で高い頻度と程度で出現するため、現在の環境での対応に著しい困難がある状態。 ◇周産期医療 妊娠まん22週から生後1週間未満の期間を周産期といい、母体、胎児や新生児の生命に関わる事態が発生する可能性があるため、この時期に、母体、胎児、新生児を総合的に管理し、高度、専門的な医療を提供することにより、母子の健康を守る医療のこと。 ◇障害者雇用支援アドバイザー 企業等を訪問し、障害者の職業能力への理解不足、受け入れの際の不安等に対し、個々の企業に応じた情報提供や助言を行うもの。 ◇身体障害者更生相談所 身体障害者福祉法第11条に基づき、身体障害のある人の医学的、心理学的及び職能的判定を行うなど、身体障害者の福祉に関する業務を行う機関。 ◇自閉症 次のみっつの特徴があり、3歳までには何らかの症状がみられる。 ・ 他人との社会的関係の形成に困難があること ・ 言葉の発達に遅れがあること ・ 興味や関心が狭く特定のものにこだわる 最近では、症状が軽くても自閉症と同じような特徴がある場合、自閉症スペクトラムと呼ばれることがある(スペクトラムとは「連続たい」の意味)。 ◇重症心身障害 重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態のこと。 ◇成年後見制度 認知症、知的障害、精神障害などの理由で、判断能力が不十分な成年者が財産を管理したり、福祉サービスの契約を結んだりすることが困難な場合、裁判所が選任する成年後見人などが、代理で契約を行うなどにより、本人を保護・支援をするための制度。 ◇自立支援協議会 地域における障害者等への支援体制に関する課題について情報を共有し、地域の実情に応じた体制の整備について協議を行うため、県・市町が設置する、地域の関係機関で構成される協議会。 ◇地域包括ケアシステム 住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される体制。 ◇知的障害者更生相談所 知的障害者福祉法第12条に基づき、知的障害者の医学的、心理学的及び機能的判定を行うなど、知的障害者の福祉に関する業務を行う機関。 ◇注意欠陥多動性障害(ADHD) 注意持続の欠如もしくは、その子どもの年齢や発達レベルに見合わない多動性や衝動性、あるいはその両方が特徴。 ◇内部障害 身体障害のうち、心臓、腎臓、呼吸器、ぼうこう、直腸、小腸、免疫及び肝臓の機能障害 ◇ピアサポート 障害のある人が自らの経験に基づき、同じ障害の仲間である人からの相談に応じ、支援を行うこと。 ◇法定雇用率 「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、民間企業、国、地方公共団体において、一定の割合以上、障害者を雇用しなければならないと定められた雇用率。 ◇新生児マス・スクリーニング検査 先天的な病気を早期発見するために、新生児に対して行われる検査。 ○策定委員 石川県障害者施策推進協議会委員(20名) 学識経験のある者 9名 石川県医師会会長 やすだ けんじ 石川県社会福祉協議会専務理事 にし わきお 石川県婦人団体協議会会長 のきば ゆきこ 石川県民生委員児童委員協議会連合会会長 やまもと たつこ 金沢医科大学教授 かげちか けんじ 金沢大学名誉教授 かわかみ みつひこ 金沢市福祉局長 やまだ ひろゆき 石川県立ろう学校長 まつばら じゅんこ 公募委員 たかぎ ふみよ 障害者団体 8名 石川県身体障害者団体連合会理事 ふくむら としのぶ 石川県肢体障害者福祉協会かいちょう すぎもと あきお 石川県視覚障害者協会理事長 よねしま よしふみ 石川県聴覚障害者協会理事 ふじひら じゅんいち 石川県きんジストロフィー協会副支部長 しのはら かずこ 石川県手をつなぐ育成会会長 ひさき よしのり 石川県精神障害者家族会連合会会長 なかたに けんそう 石川県OPLL友の会顧問 まきの あきゆき 障害者福祉に関する事業に従事する者 3名 石川療育センター院長 やぎした みちこ 青山さいこうえんライフサポートセンター施設長 いまでら ちゅうぞう 日本精神科病院協会石川県支部長(医療法人社団せいじゅかいせいわ病院長) あおき たつゆき ○策定経過 平成30年11月12日 第1かい石川県障害者施策推進協議会 議題 ・いしかわ障害者プラン2014の進捗状況について ・いしかわ障害者プラン2014概要と環境変化について 平成31年1月21日 第2かい石川県障害者施策推進協議会 議題 ・いしかわ障害者プラン2019(案)について 平成31年2月14日〜3月13日 パブリックコメントの実施