ホーム > 連絡先一覧 > 商工労働部産業政策課 > 石川県シンガポール事務所 Ishikawa Prefectural Government Singapore Representative Office > ―シンガポール駐在員便り 2017年11月―
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石川県シンガポール事務所の田原です。今回も石川県シンガポール事務所の活動をご紹介します。
タイ・バンコクで最も賑わう商業施設「サイアム・パラゴン」にて、訪日個人旅行者にターゲットを絞った国際観光見本市「Visit Japan FIT(Foreign Independent Tour)Travel Fair」が開催され、そこに石川県ブースを出展して本県観光地をPRしてきました。
タイ人は、お国柄のせいか、笑顔でパンフレットを渡すと必ず受け取ってくれますし、どんなパンフレットでもとりあえず集めて、会場外や帰宅後にゆっくりと中身を確認し、次の旅行先を決めるようです。来場者には、これからの時期の本県の魅力をPRするため、「雪景色の兼六園」や「加能ガニ・香箱ガニ」を中心に説明したところ、特に雪に関して「あまり寒いのは嫌」とか、「運転するのが怖い」などといったネガティブな意見を多く耳にしました。勝手に東南アジアの人達は雪が好きなんだろうと思い込んでいた自分の認識違いに少し反省しました。
タイでは、「Kanazawa」に対する知名度はあるようですが、「Ishikawa」に対する知名度はあまりありません。兼六園の写真を見せても金沢とはリンクしますが、石川とはリンクしないのが実情です。独自の魅力が今尚残る加賀及び能登地域のさらなる情報発信も勿論のこと、本県全体の認知度向上にもより一層努めてまいります。
余談ですが、この展示会の来場者は、何度も日本に行ったことのある玄人が多く、時々ニヤニヤした来場者がブースにやって来て「日本に行ってこんな体験をした」、「俺は日本の電車が大好きだ」などと自慢話を聞かされることもありました。タイ人はこうした話を通訳やパートスタッフとではなく、日本人と直接話したいようで、これも仕事だと思い、耐えて話を聞き続けた3日間でした。
石川県ブース 盛り上がる会場内 タイ版AKB??正直一番賑わっていた(笑)
シンガポールにおいても、日本の銀座のようなストリート・オーチャードロード沿いにある「高島屋」にて、一般消費者を対象にした訪日旅行促進イベント「Japan Travel Fair 2017」が開催されました。そこにも石川県ブースを出展して、本県PRに取り組みました。
シンガポーリアンは、タイ人と違って興味のないパンフレットを手に取ったり、持って帰ろうとはしません。こうした来場者に対して、満面の笑顔で見つめて、パンフレットを差し出すと大体の方は受け取ってくれますが、それがどれほど効果のあることか分かりません。ただ、パンフレットを1部でも多くの方々に渡すことが使命と思い、一日12時間×3日間笑い続けていました。これも立派な仕事です。
聞けば12月に多くのシンガポーリアンが旅行に出掛けるようです。シンガポールは、外から見たら魅力的な都市に見えるかも知れませが、いざ住んでみたら休日にやることがありません。なので、多くのシンガポーリアンはまとまった休みが取れる12月に国外旅行を計画するらしく、タイ人と違って、シンガポーリアンからは12月に石川で雪を見ることができるのかとよく聞かれました。
私の仕事の一つに、シンガポールでの県産食材・加工食品や伝統的工芸品の販路開拓支援がありますが、超激戦区であるシンガポールの食品市場で県産品を継続的に販売していくためには、どんなに高品質でも、「Ishikawa」というブランドに一般消費者がどれだけお金を払うかがとても重要なポイントになってきます。現に北海道は当地でしっかりとブランディングされ、多少高くても 「Hokkaido」というブランドだけで消費者を納得させ、購入に繋げます。ブランディングは一朝一夕で出来るものではなく、食品だけ、伝統工芸だけ、観光だけと、一つの側面から行うものでもありません。やはり理想は、バランスよく全てを組み合わせてPRていくことが必要だと考えています。私の目標は、それをシンガポールだけでなく、東南アジア全域に効率的に展開することです が、シンガポール展開に取り組む県内企業が多い現状を鑑みて、当面はここシンガポールでのブランディングにしっかりと取り組んでまいります。
これぞ日本・・・先日、石川県鉄工機電協会が、ベトナム・ホーチミンで開催された同国最大の機械総合見本市「METALEX VIETNAM 2017」に県内企業を取りまとめてブース出展しました。協会ブースには県内企業5社が参加して、現地企業が真似できない高品質で付加価値の高い工作機械及びその周辺部品等を展示・PRして いました。
昨今、ベトナムではバイク産業が盛んで、出展企業の方々はバイク関連等のティア2(日系に限らず)の需要を獲得しようと頑張っておられました。出展企業からは「こうした展示会に出展することで、(現地で販促活動を頑張る姿勢や積極性が評価され)現地代理店からの引き合いが増えたり、現地で販路拡大に取り組む工作機械メーカーへのアピールになる」とのことで、直ぐに成約というよりは息の長い、地道な販売活動のワンピースとして捉えているようでした。また、「成約を直ぐに出すことは難しいが、出ないと別の機会での成果を逃してしまうかもしれない」、「本当は単独出展したいが、コストもかかり、市場成熟度の低いベトナムで費用対効果を問われると辛いので中々踏み切れない」とのコメントもあり、こうした共同出展は費用を抑えて参加できる良い機会な のだと感じました。
これからベトナムにトヨタが進出するなどの話もある中、裾野産業の集積が増し、魅力的な市場に成長することで、今大変でも頑張って市場開拓に取り組む、この5社に今後恩恵があればと願っています。 そして、展示会終了後には出展企業とともに、ホーチミン石川県人会に参加させてもらい、現地にいる石川県の応援団の方々と楽しく懇談させていただきました。引き続き、皆さんとともにベトナム市場を盛り上げていけたらと考えています。
鉄工機電協会ブース 高松機械工業ブース、流石です
今回の駐在員だよりは以上となります。最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
日本貿易振興機構(JETRO)シンガポール事務所
石川県駐在員 田原 雅比古
16 Raffles Quay #38-05 Hong leong Building Singapore 048581 JETRO singapore
TEL:(65)-9008-3297 FAX:(65)-6224-1169
E-mail:Masahiko_Tahara@jetro.go.jp
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