－シンガポール駐在員便り　2017年1月－

シンガポールでの「石川フェア」について

石川フェア

　石川県ではカニなど冬の食材が旬を迎えていますが、シンガポールの日本料理店でも石川県の冬の旬な食材を提供するお店が増えています。

　平成二十八年十二月一日から、シンガポールの有名リゾートホテル「マリーナベイ・サンズ」にある高級日本料理店「Hide Yamamoto」で石川フェアが行われています。フェアでは、「香箱ガニ」をはじめ「ブリ」や「ノドグロ」のお刺身など石川県の冬の旬で新鮮な食材が提供されています。また、「いしる鍋」や「治部煮」、「かぶら寿司」など石川県ならではの郷土料理がメニューとして用意されており、シェフの石川県の食材や料理に対するこだわりが窺えます。石川県の地酒も「山中漆器」や「九谷焼」のぐい飲みでいただくことができ、お酒のおつまみとして、能登の海鼠の「このわた」や金沢の「胡桃の甘露煮」など珍味も用意されており、日本食ブームが続くシンガポールのお客に好評を得ています。

　訪れたお客によれば、「香箱ガニはシンガポールでは珍しく、カニ味噌や内子など味が濃厚で甘みがある」と絶賛していました。また、当店のシェフも「石川県には海や山から四季折々の食材がたくさんある。今回のフェアだけでなく、今後も、季節ごとに、石川県の旬な食材をシンガポールのお客様に提供できればと思う。」と高い評価をいただきました。フェアは平成二十九年一月末まで行われます。

　さらに、シンガポールのミシュラン二つ星の有名寿司店「Shoukouwa」でも石川県の食材を使った料理が提供されています。こちらも平成二十八年十二月一日から、石川県の「香箱ガニ」を使った料理を石川県の「山中漆器」や「九谷焼」などの器を使って、シンガポールの食通の富裕層たちに提供されています。また、地酒にもこだわっており、石川県だけで六種類もの地酒がこのお店に置いてあります。当店のマネージャーによれば、「シンガポールの富裕層たちは何度も日本に旅行しており、日本で出会った本場の美味しい料理をシンガポールでも食べてみたいという要望が強く、食材やお酒はもちろんのこと、料理の味付けから盛り付ける器まで、日本と同様のお料理を提供することを心がけている。」とのことでした。こちらのフェアは平成二十九年一月一日まで行われています。

　この他、先月十一月からパンパシフィックホテル日本料理店「Keyaki」でも「加能ガニ」をつかったコース料理や地酒が提供されていることから、この冬にかけてシンガポールでは、石川県の旬な食材や地酒が人気を集めており、今後さらに、シンガポールのレストランで石川県の食材の活用が広がってゆき、販路拡大につながっていくよう期待しております。

　　石川フェアのお客　　石川フェアの料理

　　　　　　　　　　　　　　　　　石川フェアのお客　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　石川フェアの料理

輪島塗デザインコンペ

シンガポール学校テマセクポリテクニックのデザイン学科において、輪島塗デザインコンペが行われました。

デザインコンペを開催したのは石川県輪島市の「藤八屋」さんで、このデザインコンペを通じて輪島塗の認知度向上を図るとともに、シンガポールのニーズにあわせた輪島塗の新商品をつくりたいという思いから、デザインコンペが開催されました。デザインコンペの説明会には、たくさんの学生たちが参加し、輪島塗の工程の説明を受けたり、実際の輪島塗の商品を手にとったりして、輪島塗を勉強していました。学生たちによれば、「輪島塗の鮮やかな漆の美しさや職人の技の素晴らしさに感動した」など輪島塗に非常に興味を示しました。その後、学生たちから、ネックレスやペンダント、指輪、髪飾りなど様々デザイン案が提案され、十一月十日に、優秀なデザインを提案した四名の学生たちが表彰され発表会が行われました。発表会にもたくさんの学生が訪れ、表彰された学生たちを祝福するとともに、表彰されたデザインを鑑賞しました。

　最優秀に選ばれた学生は、実際に石川県の輪島市に招かれ、職人の工房などを見学して、表彰されたデザイン案の商品化に向けて取り組むことになっております。また、最優秀の学生のデザイン以外にも、表彰された学生たちのデザイン案も「藤八屋」さんによって商品化され、平成二十九年にはシンガポールにおいて、展示や販売する予定と聞いています。

　今回のデザインコンペを通じて、シンガポールで輪島塗の認知度が高まり、また将来のシンガポールのデザイナーとなりうるテマセクポリテクニックのデザイン学科の学生たちの協力も得て、輪島塗の販路開拓につながっていくことを期待しております。

　　デザインコンペ説明会　　デザインコンペ表彰式