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更新日:2016年3月8日

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-シンガポール駐在員便り  2016年5月-

シンガポール生徒たちの石川県教育旅行

  4月5日(火曜日)から9日(土曜日)まで、シンガポールテマセクポリテクニックの生徒たち40名が石川県へ教育旅行に訪れました。2015年3月から、毎年春と秋に石川県への教育旅行を実施しており、今回で3回目になります。

  テマセクポリテクニックは、日本の専門高校にあたる学習を行う学校であり、16歳から19歳の生徒が在籍しており日本では高校2年生から大学1年生の学年に相当します。ビジネス研究や会計をはじめ、観光、デザイン、マスコミ、料理、看護、工学、バイオテクノロジー、応用化学、情報科学などさまざまな産業教育に関する多くのコースが用意されており、卒業生はシンガポールの各産業分野の中核をなしています。今回の教育旅行にも様々な分野を専攻している学生が石川県を訪れました。

  まず1日目は、テマセクポリテクニックと交流している金沢商業高校を訪問し、生徒たち同士の交流を行いました。同校において日本式のお茶や習字を一緒に体験したり、また、同校の生徒たちの案内で兼六園や金沢城公園を訪れました。言葉が通じなくても生徒たち同士はすぐに友達になりました。兼六園はちょうど桜が満開だったため、その美しさにシンガポールの生徒たちはとても感動していました。シンガポールでは、桜は特に人気で、この時期4月には、日本へ多くの観光客が訪れますが、まだ若い生徒たちにとっては初めての体験であり、シンガポール人が日本をイメージする、その象徴とも言える桜を実際に見て日本へ来たのだと実感したのではないかと思います。その後、金沢21世紀美術館を訪れたり国際交流ラウンジで着物を体験しました。 

 桜を楽しむ生徒たち

国際交流ラウンジでの着物体験

  2日目は、石川県庁に訪れ教育委員会への表敬、観光戦略推進部で石川県の国際観光行政について担当者から話を聞きました。それから観光物産館で和菓子づくりを体験した後、県内企業を訪問して社内での高齢者の活躍について学びました。シンガポールも日本と同様に急速に高齢化社会が進んでいることから、生徒たちにとっても有意義な訪問でした。シンガポールでは、昨年、建国50周年を迎え、これまでの発展を支えてきた高齢者の人たちはとても敬われていますが、これから社会の中で高齢者の人たちがどのような役割を果たしていくのか、シンガポールにとっても重要な課題であり、これから社会に旅立っていくシンガポールの生徒たちにとって非常に参考になったのではないかと思われます。2日目はその後、ひがし茶屋街や長町の武家屋敷を散策し金沢の古い伝統的な街並みを堪能しました。

  そして3日目は、午前中に忍者寺を訪れてから、金沢を離れ能登に向かいました。忍者寺はシンガポールをはじめ東南アジアでも人気の観光スポットであり、特に、いろいろな言語で観光案内してくれるところも人気のひとつであるようです。忍者寺の後は、七尾市に向かって、温泉旅館の加賀屋さんを訪問しました。テマセクポリテクニックには観光や料理の専門コースがありトラベルエージェント、ホテルやレストランに就職する生徒たちも多く、訪問することになりました。シンガポールでは観光産業は主力産業の一つであり、シンガポールの観光庁としても観光人材の育成に力を入れており、東京オリンピックの開催決定で有名となった日本のおもてなしはシンガポールでも有名であり、加えて日本一のサービスを誇る加賀屋さんのお客様へのおもてなしについて生徒たちは非常に興味をもっていました。テマセクポリテクニックの先生たちによれば、同内のレストランにおいて、将来シンガポールでサービス業に就職する生徒たちに、そのレストランで実際にサービススタッフとなり実習を行っているとのことであり、加賀屋さんの仲居さんたちのおもてなしを間近に見て、生徒たちのこれからの実習に非常に参考になったと喜んでいました。

  4日目は、春蘭の里で山菜の収穫体験です。シンガポール人にとって、日本に旅行すると言えば、やはりお寿司やお刺身などシーフードは人気がありますが、山菜についても興味があります。シンガポールには日本のように高い山がなく、一番高い山でも163メートルしかないことから山で採れる野菜は物珍しく、またシンガポールには年中夏のような暖かさで四季が感じられないことから、春ならではの日本の山菜は非常に新鮮に感じられたのではないでしょうか。

山菜の収穫体験

  そして最終日の5日目は輪島市で輪島塗の体験です。テマセクポリテクニックにはデザイン学科もあり、生徒たちも日本の伝統工芸、日本のクラフトのすばらしさについては既に学校で学んでおり、輪島塗の箸への沈金体験は生徒たちにも非常に人気がありました。今回訪れた生徒たちの中で将来デザインやクラフト分野に携わり石川県の伝統工芸とシンガポールのデザインをコラボレーションした新しい作品が生まれるきっかけになればと思います。

  今回、5日間の石川県訪問は、生徒、先生方からも、非常に中身の濃い有意義な教育旅行だったと高い評価をいただきました。今回ご協力をいただきました訪問先の石川県内のご関係者の皆様に深く感謝いたします。また、テマセクポリテクニックにはこれからも石川県への教育旅行を継続していただき、将来シンガポールを支える若者たちに石川県の魅力を知ってもらい経済や文化などさまざまな分野で国際交流が進んでいくことを期待しております。

 

日本貿易振興機構(JETRO)シンガポール事務所

石川県駐在員  成田満
16 Raffles Quay #38-05 Hong leong Building Singapore 048581 JETRO singapore

TEL:(65)-9008-3297   FAX:(65)-6224-1169

E-mail:Mitsuru_Narita@jetro.go.jp

お問い合わせ

所属課:商工労働部産業政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1511

ファクス番号:076-225-1514

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