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更新日:2021年3月12日

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「石川県白山自然保護センター研究報告」(第43集)要約

論説

石川県のブナ科樹木3種の結実予測とクマの出没状況,2016

野上達也・中村こすも・北本美砂・小谷二郎・野崎英吉

ツキノワグマ出没予測のためのブナ、ミズナラ、コナラの各種約20か所の雄花序落下量調査では、2016年の石川県内のブナは大凶作、ミズナラは豊作、コナラは並作と予測された。また、着果度調査では、2016年の石川県内のブナは凶作、ミズナラ、コナラは豊作と予測された。この結果から、ブナの結実は悪いものの、ミズナラの結実が良いと予想され、2012年と同じような状況で、2004年及び2006年、2010年に発生したような平野部へのツキノワグマの大量出没の可能性は低いとしながらも、キノコ採りなどで山に入る場合やツキノワグマ出没が見られている地域での人身被害防止のため、ツキノワグマの出没注意情報の発令を行った。しかしながら、出没件数は大きくは増加せず、大量出没は起こらなかった。一方、2016年のマイマイガによる被害は、2014年、2015年に比べ大きく低減し、県内の被害は、ほとんど沈静化したと考えられた。

石川県のブナ科樹木3種の結実予測とクマの出没状況,2016」(PDF:1,068KB) 

 

白山公園線(石川県)におけるセイタカアワダチソウ(Solidago altissima)の分布と除去(5)

野上達也・宮腰政男・西田睦男・池内  裕・宮下幸夫

白山公園線(風嵐~市ノ瀬までの約10.6km)及び白山公園線から枝分かれする工事用道路、市ノ瀬園地においてセイタカアワダチソウの分布調査と除去作業を行った。その結果、分布地点は道路沿い39地点、工事用道路93地点、市ノ瀬園地1地点の計133地点で、工事用道路で分布地点が増加していた。除去作業では53.25kgのセイタカアワダチソウを除去した。これまでの除去で1集団で5kgを超えるような集団がほとんどなくなり、1.0kg以下、特に0.5kg以下の集団の数が多かった。また、開花茎数は922本、非開花茎は3,296本、全部で4,218本で、2015年に比べると減少していた。これまでの除去で、茎数が減少し、個体サイズは小さくなっているものの2年目以降の除去量はあまり減少していない。根絶するためには、今後も数年間に渡って除去作業を継続していく必要がある。

「白山公園線(石川県)におけるセイタカアワダチソウ(Solidago altissima)の分布と除去(5)」(PDF:1,202KB) 

 

「砂防新道迂回路に出現したオオバコ(Plantago asiatica)とフキ(Petasites japonicus)の分布と個体サイズ(2)」

野上達也

白山の登山道、砂防新道の甚之助避難小屋下の迂回路迂回路で侵入が確認された植物の種類と位置を確認し、GPSにより位置を記録した。その結果、オオバコ、フキ、スズメノカタビラが確認され、オオバコは2011年の調査と比較すると、個体数は減少し、個体サイズは小さくなっていた。また、フキについては2011年の調査と比較すると、個体サイズは小さくなっていたものの個体数は大きく増加していた。一方、スズメノカタビラについては、確認地点は多くはないが、確認地点数は増加してきている。侵入後、外来植物の個体数が増加していくこともあることから各登山道でのモニタリングを継続して実施し、特に高山帯などで影響が大きいと考えられる場合や他の植物の生育に大きな影響を与えるような侵略的な外来種が侵入した場合には拡散防止のため、早急に除去するなどの対策を取る必要がある。

「砂防新道迂回路に出現したオオバコ(Plantago asiatica)とフキ(Petasites japonicus)の分布と個体サイズ(2)」(PDF:1,650KB)  

 

「石川県加賀地方で記録されたマダニ類」

平松新一・及川陽三郎

2016年度に動物に付着したマダニ類について調査を行い,動物の体表から6種67個体,野外調査後の衣服から2種5個体のマダニ類が採集された。これらのうち,最も多く採集されたのはタカサゴキララマダニの30個体,次いでタイワンカクマダニの22個体だった。これら2種は南方系の種とされ,分布範囲を北方に広げていることが推察された。石川県では,南方から侵入したニホンイノシシやニホンジカが分布を拡大し,その数も増加してており,これら動物の分布域の変化がマダニ類の分布拡大に寄与していることが予想された。

「石川県加賀地方で記録されたマダニ類」(PDF:417KB)  

 

「ブナオ山におけるツキノワグマの遅い観察記録」

南出 洋・谷野一道・甲部芳彦・安田雅美・平松新一

2016年12月から2017年1月にかけて,ブナオ山南斜面でツキノワグマの活動が確認された。観察されたツキノワグマは岩のすき間を冬眠穴として利用し、親子2頭で行動していた。ツキノワグマが観察できたのは2016年12月18日から2017年1月10日までの間の8日間で、これまでのブナオ山での最も遅い観察だった。1月10日の観察以降は多量の雪が降り,ツキノワグマは観察されなかった。観察期間中,ツキノワグマが観察された日の最高気温の平均は8.4℃,観察されなかった日は5.4℃で,両者の間には有意差があり、気温の高さがツキノワグマの活動条件になると考えられる。

「ブナオ山におけるツキノワグマの遅い観察記録」(PDF:592KB)  

 

「自動撮影カメラで確認された加賀地域におけるニホンジカの生息状況」

小谷直樹・野崎亮次・小倉光貴・江崎功二郎

2014から2016年に加賀地域の森林内36台の自動撮影カメラを設置し、ニホンジカの生息状況について調査した。撮影頻度指数RAIは3か年に共通して10月にピークに達し、オスジカがメスジカを求めて活動を活発にしたことが影響したと考えられる。また、年によって昼間にも撮影回数の割合が高い場合があり、調査地域内のニホンジカは人による影響をあまり受けていないことが推察される。2014年、2015年および2016年のメスジカが撮影された割合は2.1%、5.4%および13.4%と緩やかに増加しており、調査期間内でニホンジカの定着が進んだと推察される。

「自動撮影カメラで確認された加賀地域におけるニホンジカの生息状況」(PDF:398KB)  

 

「白山自然保護調査研究会」平成27年度委託研究事業成果要約

白山自然保護センターが白山自然保護調査研究会に委託している委託研究事業の平成27年度分成果要約。

「白山自然保護調査研究会」平成27年度委託研究事業成果要約(PDF:194KB)

 

 

ダウンロード

「石川県白山自然保護センター研究報告」(第43集)(PDF:4,968KB)

 

お問い合わせ

所属課:生活環境部白山自然保護センター 

石川県白山市木滑ヌ4

電話番号:076-255-5321

ファクス番号:076-255-5323

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