議案説明要旨（平成30年第4回県議会定例会） - 平成30年9月6日 - 3.「地域の強みを活かし成長する産業づくり」について

◎9月補正予算の編成について

3.「地域の強みを活かし成長する産業づくり」について

  第三は、「地域の強みを活かし成長する産業づくり」についてであります。

  最近の本県経済は、去る七月に発表された日銀金沢支店の金融経済月報では、昨年十二月以降、八カ月連続で景気が「拡大している」とされ、勢いが持続している一方で、七月の有効求人倍率は約二倍となっているなど、依然として企業の人手不足感が強まっております。

  企業の生産性向上につきましては、企業の競争力強化のみならず、人手不足対策にも資するものであり、先の六月補正予算において、企業のAI・IoTの導入に向けた総合的な支援策を講じ、現在、その執行に全力で取り組んでいるところであります。技術面での支援拠点として工業試験場内に設置する「いしかわAI・IoT技術支援工房」については、来月九日に開所するとともに、外部の専門家を「石川県AI・IoT技術アドバイザー」に委嘱するなど、県内企業に対する支援体制を強化してまいります。

  企業の人材確保に対する支援につきましては、県外からのUIターンや学生の県内就職の促進に取り組んでおり、関西圏における常設の相談拠点として、大阪事務所内に新たに設置する「ILAC大阪」については、現在、開設に向けた準備を進めているところであります。また、女性や高齢者等の人材の確保・活用については、今年度創設した、新規採用者に対する研修への助成事業を通じて、女性や高齢者等の職場定着を支援してまいります。

  企業の販路開拓の支援につきましては、技術提案型の展示商談会を去る七月に、ダイキン工業(株)との間で開催し、県内企業二十三社が高度な技術力を積極的にアピールしたところであります。さらに、大手発注企業を招へいした受注開拓懇談会を十一月二十二日に、東京で開催することとしており、こうした取り組みを通じ、今後とも、県内企業の販路や受注の開拓を推進してまいります。

  企業の海外展開への支援につきましては、去る七月、(株)北國銀行と共催で、香港において初めてとなるビジネス商談会を開催いたしました。商談会では、百三十七社の現地バイヤーと県内企業三十七社との間で商談が行われ、本県の魅力ある食品や伝統的工芸品などに高い評価をいただきました。また、来月三十日には、シンガポールにおいても、三回目となるビジネス商談会を開催することとしております。

  さらに、欧州において、食品や伝統的工芸品等の販路開拓を進めるため、ドイツに、本県産品の受注開拓を担う代理人、いわゆる「海外セールスレップ」を配置することとし、一昨日、その委嘱を行ったところであります。

  今後とも、現地バイヤーとのネットワークの拡大に努め、県内企業の海外販路開拓を後押ししてまいりたいと考えております。

  また、県産品を取り扱う海外の小売店舗において、特設コーナーを設け、本県の伝統的工芸品の展示や観光情報を発信する「いしかわサポーターズショップ」については、来月から、シンガポール、上海、ニューヨーク、フランクフルトの各一店舗において開設し、モデル事業として、約二カ月間にわたり、現地の消費者に向けて本県の魅力をPRすることとしております。

  炭素繊維分野の取り組みにつきましては、去る七月、革新複合材料研究開発センター（ICC）内に、研究成果の実用化に向けた実証開発拠点が開所したほか、ICCと連携した県内企業の取り組みでは、炭素繊維による建物の耐震補強用製品が、本年度中に、炭素繊維関連製品としては国内で初めてJIS規格に認定される見通しとなるなど、研究開発の段階から事業化の段階へと移行しつつあります。

  こうした中、ICCと連携協定を締結している欧州の研究開発拠点であるCFKバレーが県内企業の取り組みを高く評価し、海外の展示会への出展を薦めていることから、来月、ドイツで開催される炭素繊維複合材料に関する国際展示会に、県内企業が日本企業として初めて出展することとしております。県内企業の高い技術力を海外市場にPRする好機であり、県としてもこれを支援することといたしました。

  去る七月、本県に研究開発拠点を置く(株)JOLEDから、六月末に取得した(株)ジャパンディスプレイの旧能美工場を、(株)JOLEDの能美事業所として開設し、二〇二〇年に、有機ELパネルの量産を開始する旨の報告をいただきました。

  また、(株)穴水村田製作所が穴水町において、鹿島興亜電工(株)が中能登町において、それぞれ、自動車向け電子部品等の需要に対応するため、生産スペースを拡充するほか、長津工業(株)が小松市内に、新たに工作機械部品の製造工場を建設する旨の表明がなされたところであります。

  今後とも、本県の立地の優位性や充実した支援体制などを積極的にPRし、さらなる企業誘致に取り組んでまいります。

 

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