県議会の議案説明要旨 - 平成18年2月6日 - 8 良質な社会資本の整備

◎  主な施策の概要について

8 良質な社会資本の整備

第八は、「良質な社会資本の整備」についてであります。

小松・ソウル便につきましては、先日、運航会社である日本航空から、経営状況に対応して事業のスリム化を進めるため、この春から運休せざるを得ないとの申し出を受けました。この路線に関しては、大韓航空が就航を検討しており、日本航空としても「大韓航空に円滑に引継ぎたい」との話でありましたので、そのような前提であれば、申し出は受け入れざるを得ないものと考えております。県にとっては、利用者数の多い重要な路線であることから、今後、引継ぎが円滑に進むよう、両社との連絡を密にしながら、適切に対処してまいりたいと考えております。

経済界などから増便の要望がありました上海便につきましては、昨年十二月六日から週三便となり、短期のビジネス出張の利便性が向上するとともに、中国各地を巡る観光ツアーの幅も拡がりました。昨年末からの大雪の影響もあり、やや利用が追いついていない面もありますが、県といたしましては、福井県とも連携を図りながら、経済界や県民の方々に上海便のなお一層の利用を呼び掛けているところであります。また、中国人観光客の誘客についても、本県と上海市内の大手旅行会社などで組織する「石川県・上海観光交流促進連絡協議会」を組織したところであり、今後、本県への具体的な旅行商品づくりなどについて検討していくこととしております。

来年度中には、小松空港の本滑走路の嵩上げ工事が完成する予定であります。また、国際旅客便の利用促進は重要な課題であり、上海便、ソウル便の利用状況はもとより、台湾の需要動向についても調査することとしております。さらに、ルクセンブルグでのアンテナショップの開設など、国際貨物の需要拡大を図る取り組みと併せ、国際線の充実に取り組んでまいります。今後とも、小松基地並びに空港周辺住民の皆様方のご理解とご協力を得ながら、日本海側の拠点空港として、また、北陸の国際空港としての発展に向けて努力してまいる所存であります。

能登空港につきましては、加賀方面との間の広域観光の流れが定着してきたものの、国内旅行が愛知万博や世界遺産となった知床半島などに集まったこともあり、現時点での利用状況は、目標に対して厳しい状況にあります。県といたしましては、新たな需要の掘り起こしや能登のファンづくり、リピーターづくりを進めるため、首都圏に向けて豊かな自然や温泉、能登ならではの食材といった魅力をアピールするなど、積極的に利用促進策を展開することとしております。また、地元の利用を担っていただいている市や町においても、これまで以上に関係団体と一丸となった空港の利用促進策を進めていただくことを期待しているところであります。

また、台湾等からの国際チャーター便利用客の円滑な受け入れを図るため、能登空港ターミナルビルが進めているボーディング・ブリッジの増設整備については、本年中に完成する予定となっております。

北陸新幹線につきましては、国の平成十八年度予算案において、厳しい財政事情の中、本年度を四十億円上回る八百五十六億円が確保され、金沢・石動間には前年同額の四十億円が、また、新規着工区間の富山・石動、金沢・白山総合車両基地間には二十億円増の五十億円が配分されております。

今後は、用地取得に万全を期すため、担当職員を増員するほか、並行在来線対策など開業に向けた取り組みを進めながら、金沢までの一日も早い開業と白山総合車両基地以西の早期全線整備に向けて、沿線各県と連携を密にし、県議会及び関係各位のご支援をいただきながら、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

また、昨年四月に庁内プロジェクトチームを組織し、開業先行県の調査等を行ってきたところでありますが、来年度は、開業により想定される観光客の増加予測や二次交通利用予測などの具体的な影響予測調査を行い、交流人口の拡大やまちづくりなどの課題解決に向けた対応を検討していくことといたしております。さらに、県と沿線市町、経済関係団体で組織する実務者連絡会を新たに設置し、情報の共有化や連携強化に努め、開業効果を最大限に活かした振興方策の検討を行ってまいりたいと考えております。また、引き続き、開業を見据えた小松・能登両空港の今後の課題についての検討を行うこととしております。

道路網の整備につきましては、今春には金沢外環状道路山側幹線が全線完成供用するほか、能越自動車道の穴水道路が供用開始することとなっており、来年度以降も、引き続き県土ダブルラダー構想を着実に推進してまいります。

 

以上

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