県議会の議案説明要旨 - 平成17年2月22日 - 1 いしかわの個性を活かした交流人口の拡大

◎  主な施策の概要について

1 いしかわの個性を活かした交流人口の拡大

以下、平成十七年度当初予算における主な施策につきまして、その概要をご説明申し上げます。

第一は、「いしかわの個性を活かした交流人口の拡大」についてであります。

交流人口拡大の中核を担うのは観光であり、とりわけ観光立県を標榜する本県においては、大きな役割が期待されております。

一方、観光に対するニーズは、近年、本物志向による精神的な満足を求める方向に急速に変化しており、また、交通基盤やインターネットなど情報通信基盤が整備されてくる中、海外からの誘客促進が国を挙げての重要な課題となるなど、観光を取り巻く状況は大きく変わりつつあります。幸い、本県は小松、能登二空港を始めとした多様な交流基盤の整備が進み、北陸新幹線の金沢延伸も決定されました。これらのインフラと本県の豊富な観光資源を活用し交流人口の増大を図るとともに、裾野が広く波及効果の大きい観光産業を基幹産業として成長させていくことが、本県の発展にとって重要なことであると考えております。「新ほっと石川観光プラン」では、このような時代の変化を踏まえ、新たな視点と発想で、観光に関する施策を再構築していきたいと考えております。

まず、観光など交流人口拡大に向けた取り組みを、戦略的かつ一元的に進めるため「観光交流局」を新たに設置いたします。また、各分野の第一人者で構成する観光創造会議において観光施策に対する大所、高所からのご指導をいただくとともに、民間から総合プロデューサーを招き、総合的な事業展開を図っていきたいと考えております。さらに、インターネットを活用したウェブリサーチや有識者のネットワーク構築など、ニーズ把握のための先駆的な取り組みも進めてまいります。

国内からの誘客対策としては、北陸新幹線の開通も視野に入れ、新たに「三大都市圏誘客一千万人構想」を掲げて、戦略的、効率的な情報発信を行うこととしております。そのため、観光石川を代表するにふさわしい自然、文化、物産などを「観光いしかわ百選」として公募、選定することにより、新たな魅力づけを図るとともに、三大都市圏へのトップセールスにより旅行代理店などへの商品化を働きかけてまいります。また、温泉地などにおける、市町と温泉地が一体となった個性的、魅力的なまちづくりの取り組みに対し、ハード、ソフト両面から新たな支援をしていきたいと考えております。

さらに、首都圏における本県の工芸品や物産品の販路拡大と観光情報の発信拠点として、現在、東京の有楽町に開設している能登空港PRセンター「能登ふるさと館」を、全県的なアンテナショップとして拡充してまいります。

なお、来月に開幕する日本国際博覧会「愛・地球博」の場においても、積極的に本県の魅力を発信するとともに、旅行代理店に対し、博覧会に併せて本県を巡る旅行商品の造成を促すなど、さまざまな誘客策を展開いたします。

一方、海外からの誘客については、「海外誘客三倍増構想」の実現に向け、中国などでのトップセールスを行うほか、外国人向けの観光DVDの制作や本県ゆかりの海外進出企業が行う石川の観光資源を活用したカレンダー作成への助成など、海外における本県の認知度向上と誘客対策を進めてまいります。また、本県観光の拠点施設である兼六園、金沢城公園に、外国語表記の観光案内板を整備することといたしました。

本県の個性とも言える伝統的工芸品産業については、海外市場での販路拡大を図るため、引き続き、欧州における世界的見本市への出展など海外進出に意欲ある企業に対する支援を行っていきたいと考えております。また、全国の伝統的工芸品関係者が一堂に集い、受け継がれた技と魅力を披露する業界最大のイベントである全国大会が、平成十八年秋に本県で開催されることとなりました。伝統工芸王国としての本県にふさわしいものであり、関係団体と連携を図りながら、大会の成功に向け積極的に取り組んでまいる所存であります。

のとじま水族館については、活性化のための改革に鋭意取り組んでおり、新たな展示物の導入などにより、入館者が六年ぶりに増加に転じております。さらに、立体展示ができる円柱水槽を整備するほか、既存施設を活用した総合リニューアル計画の策定を進めるなど魅力ある観光資源としての活性化に努めてまいります。

国際化の推進については、本県の特色ある自治体外交をさらに進めていくため、これまでの施策の評価を踏まえ、新たな国際化戦略を策定したいと考えております。また、ブラジル石川県会館が開館十周年を迎えるに当たり、同県人会からの強い要請により、県議会などとともに訪問団を派遣することとしております。

 

以上

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