県議会の議案説明要旨 - 平成16年9月15日 - 1 中小企業・雇用対策について

◎  9月補正予算の編成について

1  中小企業・雇用対策について

さて、本年度の当初予算は、厳しい財政環境下で、歳入、歳出両面にわたる様々な工夫を凝らし、年間予算として編成をしたところであります。現在、全力を挙げてその執行に取り組んでいるところでありますが、今般の補正予算においては、災害復旧などの緊急を要する対策や当初予算編成以降における事業の進捗や情勢の変化などにより、現時点で新たな対応が必要となったものを中心に編成をいたしました。以下、主な施策につきまして、当初予算の取り組み状況と併せ、その概要をご説明申し上げます。

第一は、中小企業・雇用対策についてであります。

最近の本県経済は、個人消費が持ち直しつつあり、生産面では、業種による跛行性はあるものの、旺盛な内外の需要を背景に一般機械やIT関連分野を中心に堅調に推移し、設備投資についても製造業を中心に増加が続いております。また、雇用面でも七月の有効求人倍率が〇・九八倍にまで改善するなど、製造業の好調さに支えられ、全体として着実に回復していると考えております。 このような地域経済の回復基調を本格的なものとするため、県としては、制度金融の積極的な活用を促進するとともに、地区別金融円滑化懇談会の開催や「中小企業再生・事業転換支援プログラム」の推進などにより中小企業に対する支援を強化しております。

今後の本県の産業振興の基本指針となる「石川県産業革新戦略（仮称）」については、技術の高度化、マーケティング、人材育成等十五のテーマ別にワーキンググループを設置し検討を重ねております。十月には中間報告を取りまとめ、タウンミーティング等を通じて幅広いご意見をお聴きしながら、本年度末の策定を目指し努力してまいる所存であります。

県内企業の海外における販路開拓等を支援する「国際ビジネスサポートデスク」には、すでに中国を中心として五十五件の相談が寄せられており、上海、ニューヨークの両海外事務所などと連携しながら、市場調査や法律的な助言等を行っております。また、国の対日投資促進招聘事業により、十二月に海外のIT関連企業を本県に招聘することとしており、県内の企業や研究者との交流を通じ、国際ビジネスや共同研究の促進を図ってまいりたいと考えております。

本年六月に開所したベンチャー企業等への賃貸施設「いしかわフロンティアラボ」に、新たに四企業が入居する見込みとなりました。また、本年度から本格的に開始した産学官大型プロジェクトである「脳機能計測診断支援システムの開発研究」についても、事業化に向けた研究会を発足し、新産業創出に向けた取り組みを加速することとしております。

雇用対策についてであります。

県内の雇用情勢は、県独自に実施した労働力調査によれば、本年第二・四半期の県内失業率は四パーセントと、全国平均の四・八パーセントを下回っているものの、若年者は八パーセントと高い水準でありました。このような状況の下、県としては「ヤングハローワーク」及び「ジョブカフェ石川」を併設した「若者しごと情報館」を活用し、若年者対策に鋭意取り組んでいるところであります。この三機能を一体化したこともあり、利用者は大きく増加しており、特に、七月に開設した「ジョブカフェ石川」は、これまでの一カ月余りで、就職相談やセミナーへの参加を中心に約三千名の利用があったところであります。今後とも、若年者に対するマンツーマンの就業支援や企業ニーズを踏まえた人材育成に積極的に取り組むとともに、近く、七尾市及び小松市にサテライトセンターを設置し、よりきめ細かな支援体制を整えることとしております。

また、今後大規模な求人需要が期待されるコールセンター業務の訓練とともに、就職が困難な中高年齢者や障害者の就業支援に努めるほか、緊急雇用創出特別基金を活用した委託事業の増額も図ったところであります。

なお、県独自の労働力調査については、引き続き実施をしていくこととし、本県の雇用対策に役立ててまいりたいと考えております。

 

以上 

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