県議会の議案説明要旨 - 平成16年2月24日 - 5 豊かで暮らしやすい地域づくりと個性を活かした交流の拡大

◎  主な施策の概要について

5 豊かで暮らしやすい地域づくりと個性を活かした交流の拡大

第五は、「豊かで暮らしやすい地域づくりと個性を活かした交流の拡大」であります。

本県の誇りであり、多くの方々から親しまれている兼六園につきましては、名木の健全育成や夕顔亭の保全修理を行うなど、特別名勝庭園の保全管理に万全を期してまいります。また、金沢城とともに四季折々の魅力を再発見するイベントを開催するなど、加賀百万石の風格ある「城と庭」の佇まいを広く堪能していただけるよう、一層の魅力向上に取り組んでいくこととしております。

金沢城公園につきましても、県民共有の貴重な文化的財産として、将来の史跡指定を視野に入れながら、引き続き、城郭の整備に取り組むこととしております。先般、専門家や有識者などの方々からなる「金沢城復元基本方針検討委員会」を設置し、復元整備に関する基本方針などについて検討を開始いたしました。今後はこの結果を踏まえ、着実な公園整備に努めていきたいと考えております。

なお、懸案でありました国の重要文化財金沢城石川門の保存修理につきましては、国の事業採択の見通しが得られたことから、老朽化により傷みの著しい附属太鼓塀等の保存修理に着手することといたしました。

金沢城に関する調査研究については、絵図・文献の解明や発掘調査などを鋭意進め、順次その成果を公表しておりますが、新たに、平易な解説書「金沢城史（仮称）」の刊行作業に着手し、金沢城の歴史や魅力を広く県民の方々に紹介していくこととしております。

なお、白山については、新たに、その眺望等の保全に向けた調査を行うこととしており、今後、制度面などの検討を進めてまいります。

県庁移転跡地は、兼六園周辺文化ゾーンの一角を成す貴重な都市空間であり、本県の豊富な文化資産の蓄積を活かしつつ新たな文化を創造する緑豊かな文化ゾーンとして、都心部における格調高い賑わいを創出していきたいと考えております。このため、いしかわ文化・情報の総合センターについて、引き続き、「文化・情報フオーラム」において、旧県庁舎本館の保存活用のあり方を含め、基本構想の策定に向けた検討を行ってまいります。今後とも、金沢市と連携し、県議会や県民の皆様方のご意見をいただきながら、県庁跡地にふさわしい整備を着実に進めていきたいと考えております。

旧県庁舎新館等の暫定利用につきましては、既にご承知のとおり「若者しごと情報館」、「生涯学習センター」などとともに、「いしかわシティカレッジ」を開設しているところでありますが、より多くの学生や県民の方々に参加していただくため、各大学の特色ある授業科目の提供や社会人が容易に利用できる聴講生制度の新設などを行うこととしました。

小松駅付近連続立体交差事業につきましては、これまで順調に整備を進めてまいりました。本年三月には、「石川県こまつ芸術劇場うらら」や東西の土地区画整理事業など一連の小松駅周辺整備事業が完成することとなっております。今後、南加賀の拠点都市に相応しい小松市の発展が期待されるところであります。

次に、文化の振興についてであります。

県立音楽堂では、これまで多彩な事業を実施し、優れた演奏や公演等を堪能していただいております。来年度は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を招聘し、県民の皆様方に世界最高峰といわれる演奏を鑑賞していただきたいと思っております。

また、オーケストラ・アンサンブル金沢が、本年四月二十日から二十日間にわたり、欧州八カ国、十二都市で海外公演を行いますが、この活動を支援することにより、本県の新たな文化の世界発信と文化交流を一層進めてまいることとしております。

観光の振興についてであります。

体験、交流型観光の拡大に見られる観光客の動向変化、能登空港開港による一県二空港体制による広域・周遊観光基盤の整備や国際観光の拡大など、最近の観光を取り巻く状況は大きく変化をしております。このような現状に的確に対応し、効果的な観光振興施策を進めていくため、今般、「ほっと石川観光プラン」の見直しを図ることとし、県、市町村、民間事業者の役割分担と連携、協力による新しい時代にふさわしい観光戦略を構築していくことといたしました。また、観光振興のための地域リーダーの育成や観光地等再生計画の策定助成など、新しいプランを先取りする施策にも積極的に取り組んでまいります。

加賀百万石の歴史と文化、温泉といった本県固有の観光素材を活用した「加賀百万石誘客キャンペーン」につきましては、引き続き、市町村、関係機関と一体となり取り組んでいくこととしております。また、海外からの誘客を図るため、国のビジット・ジャパン・キャンペーン事業とも連携し、韓国、中国、台湾で開催される国際旅行博への出展をはじめ、江蘇省や上海への観光ミッションの派遣や中国・台湾のテレビドラマロケの誘致などにも取り組んでまいります。なお、来月一日から、韓国人に対するビザ（査証）が修学旅行に限り免除されることから、そのような対応が中国でも可能となるよう様々な機会を通じて国に働きかけていきたいと考えております。

さらに、新たな観光需要として注目されているグリーン・ツーリズムを推進するほか、インターナショナルスクールとの交流による本県文化の発信にも努めていくこととしております。

国際化の推進につきましては、これまでの実績や施策の評価も踏まえ、今後の本県の新たな国際化戦略の策定に向けた検討に着手いたします。

 

以上

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