県議会の議案説明要旨 - 平成12年2月28日 - 7  個性豊かな地域の創造について

◎  重要施策への取り組み

○  新たな時代を拓く施策の展開について

7  個性豊かな地域の創造について

第七は、個性豊かな地域の創造であります。

まず、魅力にあふれた文化の国づくりについてであります。石川の長い伝統に培われた邦楽文化と新しい音楽文化の複合施設となるコンサートホール・邦楽会館につきましては、十三年秋の開館に向け整備に努めているところであります。

なお、開館後の管理運営につきましては、財団法人石川県音楽文化振興事業団を活用することとし、その体制を充実するとともに、約半年間にわたり実施する開館記念事業の準備に本格的に取りかかることとしております。

加えて、九谷焼の歴史をたどる加賀陶芸美術館の整備を引き続き進めるほか、本県が全国に誇る数々の伝統工芸の新たな振興指針となるべき伝統工芸ルネッサンス基本構想の策定にも取りかかることとしております。

国際交流や国際貢献の一環として実施している海外の大学生を対象とした本県独自の日本語・日本文化研修プログラムである石川ジャパニーズセミナーにつきましては、これまでも参加大学から高い評価をいただいておりますが、本年四月からはさらなる内容の充実を図り、日本語・日本文化研修センターに改編することといたしました。日本の伝統文化が色濃く残るこの石川の地でその神髄に触れ合うなど、石川の持ち味を生かした国際交流をより一層推進してまいりたいと考えております。

観光立県を目指す取り組みといたしましては、まず温泉地活性化の観点から地域を挙げたまちづくり計画や温泉旅館等の個性づくりに対し引き続き支援するとともに、今回まちづくりと一体となった温泉旅館の意欲的な設備投資の取り組みにこたえるため、新たに補助と保証を組み合わせて支援する制度を関係市町と連携して創設をしたところであります。

また、北陸三県、地元経済界と大手旅行エージェント等がタイアップして北陸の魅力を発信するためのキャンペーンを展開し、広域観光の推進に資することとしております。

加えて、市町村が取り組む観光利便施設の整備を支援し、観光地のより一層の魅力アップを図るほか、空き旅館の景観対策についても地元市の取り組みに対して支援することといたしました。

なお、のとじま臨海公園につきましては、本年七月新たに日本海側で初めて人とイルカとのスキンシップが体験できるイルカとのふれあいビーチをオープンすることとしており、また同公園内の水族館でも新たな魅力づくりとして幻想的な雰囲気を備えたクラゲの展示施設の整備に取りかかりたいと考えております。

次に、心豊かで創造力あふれる人づくりについてであります。

現在、国においては、二十一世紀の情報化や経済のグローバル化など社会の変化に対応できる人材の育成を目指し、教育改革を推進しております。本県におきましても、二十一世紀石川の学校教育推進会議等において幅広い御意見をいただきながら、個性を伸ばし多様な選択ができる教育の推進や心の教育の充実に取り組んでいるところであります。

こうした中、本年四月から能都北辰高等学校の新設や加賀、寺井、松任各高等学校の総合学科への改編、翠星高等学校、金沢向陽高等学校並びにすべての定時制・通信制高等学校の単位制の導入など、一人一人の生徒が夢を持ち、個性や進路に対応した学習ができるよう再編整備をスタートさせることとしました。

心の教育の推進につきましては、豊かな心を育む教育推進県民会議において、昨年十一月に心の教育石川の提言を採択し、社会全体にアピールしたところであります。この提言を踏まえ、家庭や地域における教育力の向上を目指し、普及啓発に努めていくこととしております。

学校施設の整備につきましては、高等学校再編整備計画に基づき能都北辰高等学校の校舎増築、総合学科等に改編する加賀高等学校ほか四校の既存校舎改造を初め、新設予定の能登青翔高等学校の増築実施設計及び七尾東雲高等学校の整備構想策定に着手することとしております。また、老朽化が著しい小松高等学校の改築を計画的に進めるほか、七尾高等学校及び金沢錦丘高等学校についても改築構想の策定などを行うこととしております。

加えて、障害のある子の教育につきましては、相談体制の充実を図るとともに、校外活動用の車両整備のほか、養護学校等の体育館に暖房機器を設置するなど、快適な校舎づくりを進めてまいります。

体育・スポーツの振興につきましては、現在、中学校、高等学校の運動部活動のより一層の活性化が求められており、このため若手教員指導者を県外に派遣し、その資質の向上を図ることとしております。また、本県駅伝競技の底辺拡大を図るため、日本海側各府県の参加のもと、中学生駅伝金沢城址・兼六園大会の十三年度開催に向け諸準備を進めることとしております。

男女共同参画社会づくりにつきましては、その取り組みを一層推進するため、新たに男女共同参画推進室を設置し、基本的な計画の策定やトップセミナーの開催などを通じ、意識啓発に努めます。

NPO活動の促進につきましても、NPO推進室を新設し、新たな推進体制のもとNPOの活動環境の整備を推進することといたしました。

本年九月三十日から十月三日までの四日間、「石川でふれあう元気・夢・未来」のスローガンのもと開催される第十三回全国スポーツ・レクリエーション祭につきましては、西暦二〇〇〇年という節目の年に開催される祭典であることから、石川の魅力にあふれ、交流の輪が広がる意義深い祭典にしたいと考えております。

 

以上

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