県議会の議案説明要旨 - 平成11年2月25日 - 6 県民生活の安心・安全の確保と環境施策の推進について

◎  主な施策の概要

6  県民生活の安心・安全の確保と環境施策の推進について

第六は、県民生活の安心・安全の確保と環境施策の推進であります。

ロシア船籍タンカー「ナホトカ号」の沈没による油流出災害から二年余が経過いたしました。石川のかけがえのない自然が汚され、漁業、観光を初め多方面にわたり深刻な打撃を受けましたが、県内外の多くの方々の人的・物的支援や励ましに支えられ立ち直ることができました。この災害を教訓にこれまでの危機管理体制の充実強化に努めてまいったところでありますが、これからも石川の地をみずからの手で守る気概を持って、手抜かりのないよう種々の必要な措置を講じてまいる所存であります。

次に、ダイオキシン類、環境ホルモン対策につきましては現在、大気、水質等の環境調査を行い、実態把握に努めております。特にダイオキシン類につきましては、主な発生源となっている一般廃棄物焼却施設の適正管理や設備改造を進めるとともに、産業廃棄物焼却施設についても排ガス対策の監視指導を行い、発生抑制に着実に取り組んでまいることといたしております。

あわせて、これらの施設の排出抑制基準の適合状況を監視指導するため、ダイオキシン分析施設を県保健環境センターに整備することといたしました。また、トリクロロエチレン等の有機塩素系化合物による地下水汚染についても、周辺地域の追跡調査を行うとともに、事業者に対しては化学物質の適正管理や浄化対策について引き続き指導してまいります。

能登地区のRDF──ごみ固形燃料化構想の中核施設である専焼炉の立地につきましては、昨年来、志賀町の協力を得ながら立地環境に恵まれている同町矢駄地区の住民の方々に説明会を重ねるなど、地元関係者の御理解がいただけるよう鋭意努めているところであります。地元では委員会を設け先進施設の調査を行うなど、現在真剣に検討いただいているところであり、県としては地元の合意形成がなされることを切に願い、能登地区全市町村とともに誠意を持って対応してまいる所存であります。

産業廃棄物処理対策につきましては、現在国において廃棄物処理の実施体制のあり方、有害物質の無害化処理等の技術開発などについて検討がなされており、県としても国の動向や県内産業廃棄物の実態を踏まえながら、本県における産業廃棄物処理のあり方について、学識経験者、排出事業者及び処理事業者、そして県民の皆様にも御参加いただき、オープンな形で議論していただく産業廃棄物処理対策懇話会を設置することといたしました。また、産業廃棄物のリサイクルを促進するため、需給情報ネットワークを構築いたします。

次に、地球温暖化防止につきましては、昨年三月に策定した本県の地域推進行動計画に基づき、エコドライブの普及やフロン回収システムへの支援などを通じて、広く県民に資源・エネルギーの有効活用とむだな消費の抑制を呼びかけてまいりたいと考えています。

震災対策への取り組みでありますが、地震発生時に防災拠点の役割を担う県有施設の耐震診断や補強工事、さらに地震被害想定調査の結果を踏まえた地震被害緊急推定システムの作成などを引き続き推進してまいります。

循環型社会システムへの転換を目指し、産学官連携でリサイクル技術の高度化による製品開発の研究を進めるとともに、石川県リサイクル製品認定制度を設け、これまでに十一品目を認定したところであり、これらの製品につきましては県内外のビジネスメッセへの出展支援など積極的にPRすることとしております。

また、道路事業において瓦廃材を歩道舗装の材料として試験的に再利用するなど、リサイクル製品の積極的利用を図ることとしております。

次に、自然環境の保全についてでありますが、白山緑のダイヤモンド計画の中核施設である室堂ビジターセンターの大規模改修に着手するほか、医王山県立自然公園についても大池平ビジターセンター等の整備を着実に進めることといたしました。また、このような施設を利用した魅力ある自然体験を通じて、多くの県民に自然の大切さを認識していただくことを目的として、新たにいしかわ自然学校を開設することとし、その推進構想を策定することといたしております。さらに、水耕植物を活用した住民利用型水質浄化施設を今回新たに木場潟に設置することといたしました。

 

以上 

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