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更新日:2010年4月1日

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県議会の議案説明要旨 - 平成11年2月25日 - 時代認識と予算編成の基本的な考えについて

◎  時代認識と予算編成の基本的な考えについて

本日、ここに、平成十一年第一回県議会定例会が開かれるに当たり、提案いたしました平成十一年度一般会計予算及び特別会計予算並びにその他の諸議案につきまして、その大要を御説明申し上げます。

私たちが生きている二十世紀は、工業化の世紀と言われています。先進諸国は国富の増大を工業化に託し、企業家はよいものを安く大量に市場へ送り出しました。そして、人々は全体として物質的な豊かさを享受することができました。新しい二十一世紀は、ポスト工業化の世紀であり、私たちの価値観は物質的な豊かさから多様化、個性化、そしてソフト重視へと変化していくでしょう。九〇年代の米国経済の繁栄は、高度情報化社会への挑戦というポスト工業化へのいち早い取り組みの成果であり、新しい価値を創造していく知恵と勇気の勝利ともいうことができます。

目を我が国に転ずれば、二十一世紀まであと二年となりましたが、厳しい景況の中、経済再生に向けて懸命に模索が続けられております。また、本県経済も例外ではありません。このような状況を克服し、希望に満ちた輝ける二十一世紀の扉を開くためには、過去の成功体験から決別し、危機を飛躍のバネに変え、変革への明確な意志を官民共有することが求められております。それぞれの分野において、これまで長い間なれ親しんできた社会システムを変革するための大胆な目標を示し、その目標の達成に向け互いが信頼し合いながら責任を分かち合う新しいシステムをつくり上げる必要があります。

四季折々の豊かな自然の営み、長い歴史にはぐくまれた伝統文化の集積や高い水準の生活文化、そして元気な中小企業が本県のアイデンティティーであり、誇りです。私は、石川県の誇りをこれからも大事にしていきます。そして同時に、本県の二十一世紀を創造するための新しい産業文化として科学技術文化を根づかせ、はぐくむことを新たな石川県の個性にしていきたいと考えています。

私の申し上げるこの産業文化とは、本県の人材やものづくり技術、研究機関や産業の集積などを有効に活用し、科学技術の手法により環境や福祉など現代社会が直面する諸課題を解決し、あわせて新しいビジネスチャンスを呼び起こす文化であります。

昨年一月、本県産学の英知を結集した石川県産業科学技術会議を設置し、新世紀を展望した産業科学技術の振興方策について御検討いただいてまいりましたが、その検討結果が先月、石川県産業科学技術振興指針としてまとまりました。これを受け、本年四月には中小企業情報センター、創造的企業支援財団、石川トライアルセンターを再編統合し、振興指針の具体化を技術、情報、資金面から支援する石川県産業創出支援機構を設置することとしておりますが、この機構はまさに科学技術文化の中核的担い手と言えるものであります。

振興指針の計画的な実践により産学官の有効な連携が生まれ、その結果、小さくとも活気あふれるベンチャー企業や産業グループが輩出することとなるでしょう。また、戦略的研究開発が進み、新たな産業が創出されるなど本県経済に活力を与えてくれることを期待するものであります。

私は、二期目のスタートに当たって、経済社会のボーダーレス化、少子・高齢化の進展とともに責任ある地方の時代の到来を私なりの時代認識としてお示しをしたところであります。責任ある地方の時代の実現のためにも、みずからが歩むべき方向を明確に示し、果断に実行し、住民に対し責任を負うという自立が求められております。とりわけ平成十一年度は、地方分権推進計画に基づき、地方自治法を初めとする関連法令の大改正が行われる年でもあり、この地方分権の最初の試金石となるのが来年四月から導入される介護保険制度であります。

私は、高齢者の皆様や家族の方々の新しい制度に対する不安を取り除くため、県、市町村一体となって介護保険制度の円滑な導入に万全を期してまいる所存であります。

また、少子・高齢化に伴う経済成長率の低下、年金問題や膨大な国債、地方債の負担問題など漠然とした将来に対する不安感がある中で、高齢者、障害者、子供たちを初め、すべての県民が生きがいを持って社会参加できるような希望あふれる石川県を築き上げることが求められております。特に、二十一世紀を担う子供たちが自然に親しみ、思いやりの気持ちを持って伸び伸びと成長できるように、子供たちの夢をはぐくむ豊かな環境づくりについて部局横断的に検討を行い、子どもの夢創生プランを策定することといたしました。単に施設の整備充実に終わることなく、子供たちにとって何が必要とされ、彼らが何を求めているかといった大きな視点に立って検討することといたしております。

この二期目の任期中に、以上申し上げました新しい科学技術文化、地方分権時代にふさわしい自立、そして県民の夢づくりを通じて活力ある石川新時代づくりに着手していきたいと考えております。

平成十一年度当初予算は、このような考えを基本に編成をいたしたところであります。 

 

以上 

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